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解析結果における q の妥当性

ドキュメント内 JAIST Repository (ページ 91-94)

Synapse

4.3 実験データの素量解析

4.3.4 解析結果における q の妥当性

ると考えられる。

4.4

まとめ

本章で行ったことはつぎの3項目である。

1. MEND改良版を用いてモノシナプスによる実験データの解析を行った。

2. 実験データの解析からqの推定値を求め、さらにシナプス前膜における素量放出量に はかなりのばらつきがあることが判明した。

3. 同一の実験データにたいする従来手法とMEND改良版の解析結果の比較を行った。そ の結果、ピークの推定について従来手法が12個が限界であったのにたいし、MEND 改良版では少なくとも3個の推定が可能であり、MEND改良版がより有効な手法で あることを示した。

高度な実験技術を要するモノシナプスによる実験データを用い、現在進んでいると思わ れる手法を改良したMEND改良版により素量解析を行ったことは、実験手法ならびに解 析手法として高度なレベルにあるといえる。そしてここで得られたシナプス前膜における 素量放出の機序は、シナプス可塑性機構を検討する際に重要な知見となりうるものである。

さらにこの結果は、シナプス可塑性モデルの構築に実験的裏付けを与えるものとして期待 される。次章以降ではこの手がかりにより、シナプスがいかに情報を符合化し伝達してい るかといった機構の提案を行い、検証のための電気生理実験を行う。

5

時間パターン刺激の検討と電気生理実験

5.1

はじめに

現在の電子回路の主要部品であるトランジスタや大規模集積回路といった半導体、さら にはこれらを多数含むオペアンプは、その内部理論を知らずしても利用可能である。その 理由は、これら素子の機能と入出力特性が明確に定義されており、規格の入力を行えば高 精度で計算上期待される特性が得られるからである。これを脳におきかえてみると、半導 体(基本素子)は神経細胞にあたる。これまでの考えから、神経細胞の働きは、おばあさん 細胞説に代表される単一の神経細胞が特別の一表現を実現するといったものではなく、い くつかの神経細胞が協調したものであるとする考え方が妥当であると思われる。しかし脳 あるいは限定した神経回路の振舞いを明らかにしてモデルの構築を行おうとする際、基本 素子である神経細胞における入力情報の表現方法および伝達機構の検討は不可欠である。

さらに、例えば小脳におけるプルキンエ細胞は、数万本以上といわれる入力線維とシナプ スによる接続が行われていることからも分かるとおり、神経細胞は単一であってもすでに シナプスを介したネットワークを構築しているとも考えられるのでる。したがって、おば あさん細胞、スパースコーディングといった概念から神経素子をとらえるよりも、単体で ネットワーク機能を持つ神経細胞の特質をいかにとらえるかといったアプローチが重要で あると思われる。本章ではこうした点から、脳における情報の表現方法ならびに基本素子 としての神経細胞が行う情報処理機能に注目し、学習則構築に必要な電気生理実験を行う。

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