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200 250

丁/K

図4.3 DHQポリマーのDSC曲線

4.3.2 DHQポリマーの誘電的性質

図4.4(a)及び(b)にそれぞれ, DHQlの1. 10, 100kHzにおける誘電率(e')及び誘 電損失(e")の温度依存性を示す. (a)においては250Kに緩和に対応する変化が見ら れ、 295Kに周波数依存のないe'のピーク及び315Kにe'の不連続な変化が観察され

るo また、 1kHzにおいては360Kに誘電異常が観察されるo e''においては200及び

250K付近に緩和が見られ,低温側からそれぞれ†及びβ緩和と表すことにするo

かし, e'に見られた295及び315Kの変化に対応する変化はe"には見られなかった.

また低周波数域の高温度域ではイオン伝導によるE"の急激な増加が見られる。 Tg は230Kであり,

†緩和はTg以下で見られる分子鎖の局所的な運動,β緩和はガラス

転移に起因するソフトセグメントのミクロブラウン運動によるものと帰属される。

図4.5にD(QlのTg以上の高温域におけるe'の温度依存性の拡大図を示すo 295及 び315Kに見られるe'の変化は、前述したDSC測定から得られたソフトセグメントの

結晶部分の融解に対応していると考えられる.

360Kに見られた誘電異常について はこのデータだけから判断することは出来ないが,ハードセグメント部分の分子 運動に関係していることが予想される。

図4.6(a)及び(b)にそれぞれ, DHQ2の1. 10. 100kHzにおけるe'及びe'tの温度依 存性をそれぞれ示すo (a)においては250Kに緩和に対応する変化が見られ, 280Kに わずかに周波数依存している誘電異常及び323Kにわずかなe'の不連続な変化が観

察される.

(b)においてはDIQlと同様に200及び250K付近にそれぞれ†緩和及びβ緩

和が見られる。

図4.7にDHQ2の高温域のe'の温度依存性の拡大図を示すo 280K付近に見られたe'

のピークはβ緩和と重なっているためわかりにくいが,このことはDSC測定におい

てはっきりしたピークは得られていないことと一致する。しかし、ソフトセグメ

ントがハードセグメントにより乱された結晶部分の融解に対応している280Kの変 化はあるように思われるo 323Kのe'の変化は、ソフトセグメントの結晶部分の融 解に対応していると考えられるo 3及び5k?zにおいて400Kに見られた誘電異常につ

いてはこのデータだけから判断することは出来ないが、ハードセグメント部分の 分子運動に関係していることが予想される。

図4.8(a)及び(b)にそれぞれ, DIQ3の1, 10, 100kHzにおけるe'及びe"の温度依

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存性を示す。 (a)においては250Kに緩和に対応する変化が見られ, 290Kに周波数依 存性のはとんどない誘電異常が観察される。 (b)においてはDHQlらと同様に200及

び250K付近にそれぞれγ及びβ緩和が見られる.

図4.9にDHQ3の高温域のe'の温度依存性の拡大図を示すo 290K付近に見られるe' のピークは,ソフトセグメントがハードセグメントにより乱された結晶部分の融

解に対応していると推察される。 300及び500Hzにおいて375Kに誘電異常が見られ るが、 420K以上にハードセグメント部分の分子運動に関係する変化があることが

予想される。ここでDHQl及びDHQ2と異なる点は320Kのe'の変化がはとんど見られ ないことである.この変化は次に述べるDHQ4及びDHQ5でも見られなかった.この ことはハードセグメントのクオーターフェニル含量が増加すると共にかたいクォ ーターフェニルが相分離を起こし,ソフトセグメントのアジピン酸‑エチレング

リコール共重合体領域の結晶が融解してもさはど体積変化を起こさず, e'の不連 続的な変化が非常に小さくなったものと考えられる。

図4.10(a)及び(b)にそれぞれ、 DHQ4の1. 10, 100kHzにおけるe'及びe''の温度依 存性を示す。

250Kにβ緩和が,また190K付近に†緩和が見られる。また,

1kHzにお いては350Kに誘電異常が観察される。

図4. 11にDHQ4の高温域のe'の温度依存性の拡大図を示す. 280K付近には変化は 見られず, 350Kに誘電異常が見られる。

図4. 12(a)及び(b)にそれぞれ, DHQ5の1. 10, 100kHzにおけるe'及びE"の温度依

存性を示すo

200及び250K付近にそれぞれγ及びβ緩和が見られる.また280及び

320K付近におけるe'及びe"の変化は見られなかったが, 370K付近に誘電異常が見 られている。

図4. 13にDHQ5の高温域のe'の温度依存性の拡大図を示す。 370Kに誘電異常が見 られるが、周波数が増大するにつれて変化は小さくなっている。 DHQ4との比較か らは、この誘電異常はクオーターフェニルの含量に比例して高温側にシフトし,

またピークの大きさは大きくなっている。このことからこの誘電異常はハードセ

グメントの分子運動によるものであることが示唆される。このことは後述の力学 的測定においても見られる。

図4.14にDHQポリマーのβ及びγ緩和に対してアレニウスプロットした結果を示す。

β及び†緩和共にほぼ直線に載っていることがわかる。直線の傾きから求めた活性

化エネルギーの値を表4. 3に示す。

β緩和の活性化エネルギーは240‑280kJ・皿01 lと

DHQ含量にはさほど依存しないことがわかる。 γ緩和に関してはDHQl及びDHQ2の値

がそれぞれ93. 4及び80. 6kJ・mol‑1とDIQ3‑5における53‑57kJ・mol‑1に比べて大き い。これはソフトセグメントの結晶性が大きいことが関係しているように思われ

る。

図4.15(a)及び(b)にDHQポリマーの誘電特性をまとめて示した。 (a)はl及び look:zにおけるe'の温度依存性, (b)は1kHzにおけるe"の温度依存性を表しているo

Tg(230K)より低温度域にγ緩和,また高温度域にβ緩和が見られる. β緩和はアジピ

ン酸‑エチレングリコール領域の無定形域のミクロブラウン運動に帰属される。

クォーターフェニルの低濃度のDHQlでは結晶性が高いためにe''の極大値は小さい.

またDHQ5ではクォーターフェニルによりソフトセグメントの結晶化は抑圧される が,アジピン酸‑エチレングリコ‑ル領域の割合が減少しe◆'の極大値は少々低下

しているのがわかるo 280及び320Kの転移はクォーターフェニル濃度が高いDHQ4及 び5ではかたいクオーターフェニル領域の相領域の架橋効果により見られなくなる。

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丁/K

図4・4(a) DHQlの1,10,100kHzにおける誘電率(

e

')の温度依存性

丁/K

図4.4(b) DHQlの1,10,100kHzにおける誘電損失(

e

")の温度依存性

3E

250 300 350 400

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