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4.2 実験方法

4.2.1試料

クオーターフェニルを含む共重合ポリエステルは積水化学工業(秩)より提供 されたものである。

ここでは,この共重合ポリエステルをDHQポリマーとし、クォ‑ターフェニルの

含量が低濃度のものからDHQl, DHQ2のように略記する。クォーターフェニル含量 と略称との対照表を表4. 1に示す。

表4.1クォーターフェニル含量と略称との関係

クオーターフェニル濃度(mol%)

DHQI

4.2.3 誘電測定

誘電測定は, YHP社製4274AマルチフリクェンシLCRメーターを使用し,周波数域 100Hz‑100kHzの11種の測定周波数で100‑420Kの温度範囲にて行った。測定用電 極としては、主電極,対電極及びガード電極からなる3端子電極を用いた39・40)。こ こで試料はl.Omm程度の厚みのシートで、その表面に金蒸着することにより電極と

した。これを上記の測定電極に挿入して測定した.なお,測定は0.5K/minの昇温 速度において行った。温度の検出には,熱電対として鉄‑コンスタンタンを用い, 試料と氷点との間の電位差をタケダ理研社製デジタルマルチメータTR6841で測定

した。

LCRメータ‑においては静電容量(C)及びtan8が測定され,これをGP‑IBインター フェイスを通じてNEC社製パーソナルコンピュータPC‑9801Fに転送し、次式により 誘電率(e')及び誘電損失(e'')の値を得た。

E'‑ C/Co

e"‑ e'tan8

ここで、 Coは真空における静電容量である。

4.2.4 直流電気伝導度測定

直流電気伝導度測定は,約37Vの直流電圧(Ⅴ)を印加してKEITHLEY社製610Cエレ クトロメーターを用いて240‑420Kの温度範囲で伝導電流(I)を測定し,横河電機 社製3057ポータブルレコーダ‑で記録することにより行った。なお,測定は

0. 5K/minの昇温速度において行った.測定用電極及び温度の検出方法については 誘電測定の時と同じである。

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直流電気伝導度(G)は,次式により求められた.

d I

A V

O =

ここで, dは試料の厚さ[m], Aは主電極の有効面積[m2]である。

4.2.5 動的粘弾性測定

ねじれ振動法による動的粘弾性測定は,レスカ社製自由減衰型粘弾性測定装置 RD‑1 100ADを用いて140‑580Kの温度範囲で対数減衰率A及び振動周期Tを測定する

ことにより行われ,貯蔵弾性率(G'),損失正接(tans)及び損失弾性率(G'')が求め られた。なお,測定周波数は試料の形状及びヤング率により異なるが0.2‑3Ⅱzの

範囲で行われた. tans. G'及びG''はAとTを使って次式により求められたo

tans‑A/ 7T

G' qI(27T/T)2 G''‑ G'tan∂

(q:試料の形状因子, I:付加慣性能率)

4.3 結果と考察

4.3.I DⅢQポリマーの熱的性質

図4.2に各DIQポリマーの第2昇温過程におけるDSC曲線を示す.各試料i=.230K付 近に二次転移的な変化が,また280Kおよび320K付近にそれぞれ吸熱ピークが見ら

れる. 230K付近の変化はガラス転移温度(Tg)に対応していると考えられるo DHQポ リマーのTgを表4.2に示す。明らかにTgはクオーターフェニルの含量にさはど依存 していない。

表4.2 DHQポリマーのガラス転移温度(Tg)

ポリマー Tg/K

仁木らは31),クオーターフェニルを含まないアジピン酸とエチレングリコール の共重合ポリマー(ホモポリマー)においては結晶部分の融解に対応するピーク が318K付近に見られ,クオーターフェニルの濃度が5.00mol%以上ではこのピーク が消失することを見出している。したがって本実験で見られたポリマーの320Kの ピークは,アジピン酸とエチレングリコールからなるソフトセグメントの結晶部 分の融解によると結論される。

図4. 3にDIQl, DHQ2及びDHQ3のDSC曲線を拡大したものを示すo DIQl及びDIQ3に

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ついては280K付近にブロードな吸熱ピークが明らかに見られる。仁木らは室温で

の広角X繰回折からDHQポリマーの結晶回折パターンがアジピン酸‑エチレングリ コールポリエステル(ホモポリマー)のものと異なっており、クオーターフェニ

ルモノマーの回折パターンとよく一致することを指摘し,クォーターフェニルセ グメントは相分離を起こし,結晶化していることを報告している32・34)0 280K付近 の吸熱ピークは現在のところ良くわからないが,ハードセグメントであるクオー

ターフェニルがソフ トセグメントの結晶部分と何らかの相互作用をしている比較 的乱れた結晶領域があり,これが280Kで融解することによるとして理解されるよ

うに思われる。少量のハードセグメントの導入はソフトセグメントの結晶部分を 乱し,ホモポリマーで見られた融点よりも低温側で融解が起きることが推察され る。このピークがDHQ2において明白に見られなかった三理由はわからないが,多分 分子量あるいは熱処理の違いによるためと思われる.この280KのピークがDHQ4及 びDHQ5で見られないのはクォーターフェニルの含有量が増えることにより相分離 がさらに明瞭に起きるためと推察した。

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