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3103丁‑1/K‑1 4

2.50 mol%

T/K

図4.21 DHQlの貯蔵弾性率(G')及び損失係数(tan

)の温度依存性

300

丁/K

400

1 0‑1

6Q

a

図4.22 DHQ2の貯蔵弾性率(G')及び損失係数(tan )の温度依存性

300 400 r/K

図4.23 DHQ3の貯蔵弾性率(G')及び損失係数(tan

)の温度依存性

図4.24 DHQ4の貯蔵弾性率(G')及び損失係数(tan

)の温度依存性

図4・25 DHQ5の貯蔵弾性率(G')及び損失係数(tan

)の温度依存性

400 丁/K

図4.26(a) DHQポリマーの貯蔵弾性率(G')の温度依存性

10l

400 丁/K

図4.26(b) DHQポリマーの損失係数(tan合)の温度依存性

占Q

.̲fq

4.4 DHQポリマーの分子運動に関する考察と結論

筆者はDHQポリマーのDSC、誘電,直流電気伝導度及び動的力学測定を行ってき た。その結果、 DⅢQポリマーはかたいセグメントであろクォーターフェニルが凝集

した領域と柔らかいセグメントであるアジピン酸‑エチレングリコール鎖が凝集 した領域とに相分離していることを結論した。このことは仁木及び橋本らによるⅠ 繰回折及び‡線小角散乱の研究32・34)によっても支持される。

DHQポリマーのTgはクオ‑ターフェニル含量に依存せず, 230K付近にあるoこの ことはクォーターフェニル領域とアジピシ酸‑エチレングリコール領域とははっ きり相分離していることを示している。興味あることにDHQポリマーは230及び 320K付近に一次転移をもつ。これはそれぞれクォーターフェニルが関与したアジ

ピン酸‑エチレングリコール領域の比較的乱れた結晶の融点とアジピン酸‑エチ

レングリコール領域の結晶部分の融点に対応すると考えられる。 320Kの転移より 高温域にクォーターフェニル領域のソフト化に基づく緩和が見出された。

以上のようにDⅢQポリマーは従来に見られない熱可塑性エラストマーであり、そ の特性は学問的にもまた機能性ポリマーとしても興味あるものである.今後、

種々のDHQポリマーを開発することにより新しい熱可塑性エラストマーへの展開が 期待される。

103

第5章 総括

クオーターフェニルは剛直な長い形状の化合物である。それを中央core部にも

つ液晶化合物は液晶の熱安定性の良い新しい液晶化合物の開発に魅力あるものと 考えられる。本研究は第2章で中央core部にクォーターフェニル基をもつ一連の4, 4‥'‑ジアルキルオキシクォーターフェニル(DAQP),さらに第3章でジアルキル

クォーターフェニルー4, 4‥'‑ジカルポキシレート(DCQP)の液晶相転移挙動を検討

している。その結果DAQP及びDCQPはともに,熱安定性の高い液晶相を示すことを 見出した。 DAQPではアルキルオキシ鎖の炭素数(n)がl‑9ではSA相を示し, nが9‑

18ではSc相を示すことが見出された。 DCQPではnが3‑5ではSA相を示し、 nが8‑12 ではSA及びSc相を示すことが見出された。また,直鎖アルキルをもつDCQPがSA相を 発現しやすいのに対して,分岐アルキルをもつ場合にはSc相を発現しやすいことを 見出した。

次に剛直な棒状のクオーターフェニル基を主鎖にもつ共重合ポリマーは新しい エラストマーなどの機能性高分子の開発という点で興味あるものである。第4章で

は4, 4'‥‑ジヒドロキシクオーターフェニルーエチレングリコールーアジピン酸 共重合体(DHQポリマー,クオーターフェニル含量:2.50‑10.Omol%)の相分離構

造、分子運動を示差走査熱量,誘電,直流電気伝導度及び動的力学測定により検

討した。その結果DHQポリマーは、ガラス転移温度(Tg)以上の温度でクオーター

フェニルからなるハードセグメントとアジピン酸‑エチレングリコールエステル からなるソフトセグメントが相分離構造を取ることを見出した。 DHQポリマーのTg は,クォーターフェニル含量に依存せず230K付近に存在したo このことはクオー

ターフェニル領域とアジピン酸‑エチレングリコールエステル領域の相分離がか なり明瞭に起きていることを示しているo 280K付近にクォーターフェニルにより 乱されたアジピン酸‑エチレングリコ‑ルエステル領域の結晶部分の融解が見ら れ,また320K付近にアジピン酸‑エチレングリコールエステル領域の結晶の融解 が見られたo 320K以上の高温域においてハードセグメントの分子運動に起因する 変化が見出された。本研究は各種のクオーターフェニル基をもつ共重合体ポリマ

ーが熱可塑性エラストマーなどの新しい横能性高分子材料として有望であること を示している。

参考文献

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107

第2編 テトラゾール誘導体の非線形光学特性

1.序論

物質は一般に外部電界(E)により分極Pを生じ,そのEに対する応答はEが小さい

ときには、

P‑xE (x:感受率)

で表される。レーザー光のように強い電界が印加されたときには, PはEに対して 上記のような線形性からはずれ、

p‑I(I)E+x(2)E・E+I(3)E・E・E+

と表される。 I(1)を線形感受率, I(2)及びx(3)をそれぞれ2次及び3次の非線形感受率 といい,この第2項,第3項に基づく効果をそれぞれ2次及び3次の非線形光学効果

という。 2次の非線形光学効果の中で入射したレーザー光の波長の2分のlの光を発 生する第2高調波発生(SHG)がある。このSHGは、波長変換素子などの応用面に利用

されており注目されている。

今まではSHGを示す物質として無枚強誘電体や半導体が用いられていたが、最近 では有機化合物の中からそれらと同等もしくはそれ以上のSⅢGを示すものがいくつ か確認され,研究開発が進められている1 9)。これらの有機化合物の多くは分子内 に非局在化した冗電子系を持っており,さらには電子供与基(アクセプタ)と電子 吸引基(ドナー)を合わせ持っている。このアクセプタとドナーにより分子内に

大きな分極が発生し,それが大きなSHGを発現させる要因のlつとなることがわ かってきた。

有機化合物の中でヘテロ原子,特にⅣ原子を持つ5員環の化合物に対してもSⅢGに 関する研究はいくつか報告されているが2,7‑ll),現在の所テトラゾ‑ル骨格を持つ 化合物についてSHGを調査した例はない。本論文はテトラゾール誘導体のSHGの発 生とその機構について検討したものである。この論文で検討したテトラゾ‑ル誘

導体の構造を図2. 1に示す。

R

2t;i 4

5〟 .C

i?

1

3

N

≠2

N/

I

Rl

図2.1テトラゾール誘導体の化学構造

テトラゾールはヘテロ環中に非局在化した7[電子系を持っているので,その1位及 び5位を種々の置換基(Rl及びR2)で置き換え, SHGを調査することは興味深い.

本研究ではRl, R2を種々の置換基で置き換えた48種類のテトラゾール誘導体に対 して粉末法によるSⅢGの調査を行った。 UV測定及び半経験的分子軌道法のプログラ ムバッケ‑ジMOPACによる分子超分極率、基底状態における双極子モーメントの計 算を行い, SEGと分子骨格の関係について考察した。

109

2.実験方法

2.1試料

本研究に用いた48種頬のテトラゾール誘導体は東洋化成工業(秩)で合成され、

提供された。試料を表2. 1に示す。

2.2 融点測定

各試料の融ノ尉まセイコー電子工業(秩)製SSC5000熱分析システムを用いて昇温 速度5K/minで測定することにより求めた。

2.3 SⅡG測定

sHG測定はKurtz等の粉末法13)に基づいて測定した。粉末法の概略図を図2. 2に示 す.ガラス板にはさんだ粉末試料に1064nmの波長のパルスNd:YAGレーザーを照射

し、散乱した第2高調波(532nmの緑色光)を集め、光電子倍増管を用いてモニタ

ーした。

Nd.・YAGレーヴヾ

図2.2 粉末法によるSHG測定の模式図

2.4 UV測定

UV測定は試料をメタノ‑ルに溶解させて1XIO‑触こ調整したサンプルを用い、 185

‑700nmの範囲で日立330型紫外一可視光分光光度計により行った。

Ill

表2.1テトラゾール誘寺体の‑覧表

No. RI R2 No. RI R2

I H

2 H 3 H 4 H 5 H 6

7

¢‑CH3(m)

8

¢‑CH3(p)

9

(CH2)‑¢

10

(CH2)‑¢

11

¢‑CH3(m)

12 H 13 H 14 H

15

¢‑C2H5(p)

16

¢一OH(p)

17

¢‑OCH3(p)

18

¢‑OC2H5(p)

19

¢‑NO2(p)

20

CH2‑¢

21

22

¢‑CH3(o)

23

¢‑CH3(p)

24

¢‑OH(p)

H CH3

Phenyl(¢)

¢‑NH2(m) 0‑NO2(m)

H H H H CH3 CH3 C2H5 SH NH2 H H H H H H CH3 CH3 CH3 CH3

25

¢‑OCH3(p)

CH3

26

¢‑OC2H5(p)

CH3

27

CH2‑0

CH3

28 CH3 SH

29 C6Hl 1 SH 30 CH2COOH SH

31

SH

32

¢‑OH(p)

SH

33

(CH2)‑¢

SH

34 Na+ COONa

35 u+ H

36 Na+ H

37 K+ H

38 Mg2+

H

39 Ca2+

40 Ba2+

41 Ag+

42 Cu+

43 Cu2+

44 Ni2+

45 Co2+

46 Zn2+

47 Cd2+

H H H H H H H H H

48 Mn2+

H

3.結果と考察

3.1テトラゾール誘導体の置換基とSIⅠG強度の関係

表2. 1の48種類の化合物のうちSHGを発生する9種類のテトラゾール化合物を含む

11種の化合物のSHG強度及び融点を表2. 2に示す。 SHG強度はすべて対尿素比の値を 表している。ここで表2.1における他の39種類のテトラゾール化合物はSHGを発生

しなかった。表2.2からわかるように1位及び5位が水素である基本骨格のテトラゾ ール(lHT)はそれ自身で強度が0. 33のSHG光を発生させる。

1HTと5MT及び3TPTと3TP5MTを比較すると、テトラゾールの5位(R2)をメチル基で

置換した場合にはSHG強度が減少することがわかる。 R2を打電子系を有するフェニ ル基及び3‑アミノフェニル基で置換した場合(P5T及びANT)にはSIG強度は増大する が、 R2を3一ニトロフェニル基で置換した場合(NPT)にはSHGは消失する。

フ土ニルの部分を非局在化した7t電子系と考えてANTとNPTを比較すると, 1HTは1 位のN原子によって電子吸引(ドナー)性の基として作用することが考えられるの

で, ANTではフェニル部分を介してドナー性のテトラゾールと電子供与(アクセプ

タ)性のアミノ基を持つことになり、 NPTではフェニル部分を介してドナー性のテ トラゾール及びニトロ基を持つことになる.したがって, ANTにおいては分子内の 分極は大きくなり,逆にNPTにおいては分子内の分極が小さくなることが推察され

る。分子骨格だけから考えると分子内の分極が大きいぼどSHG強度は大きくなって おり,一般的に知られている知見とよい一致を示している。

テトラゾールの1位(Rl)を冗電子系を有する基で置き換えた場合にはSHG強度は減 少、もしくは消失している。 1PHTと3TPTを比較すると、 SHG強度は3TPTの方が大き

くなっている。メチル基はアミノ基と同様にアクセプタ性の基であり,テトラ ゾ‑ルがドナー性の基として働くことから3TPTの場合にはフェニル基を介してア クセプタ性の基とドナ‑性の基を持つことになり,分子骨格だけから考えると分

子内の分極が大きくなることが推察される。その結果, SHG強度が0.30に増加した と考えられる。

3TPTとITPTを比較すると、共に分子内の分極は大きくなるが1TPTではSHGが消失 している。これは分子の対称性が関係していると考えられる。分子の対称性が高

l13

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