第 5 章 Windows および Linux の使い方 93
5.3 Windows の使い方
5.3.7 Windows コマンドの利用
Mac/Linuxではほとんどのファイル操作をコマンドラインから行いますが,Windows
では基本的にマウス操作が中心となるためコマンドラインを使う局面があまり多くありま せん.しかしながら,Macなどと同様の操作をコマンドプロンプト(図5.17)から行うこ とが可能であり,なれてくるとコマンドプロンプトを使った方が速く効率良く作業できる 場合もあります.
ここではコマンドプロンプトの使用方法と,Windowsにおける主要なコマンドについて 解説します.Mac/LinuxのコマンドとWindowsのコマンドは違うものが多いですが,こ こでは主要なコマンドについてMacでのコマンドとの対応付けを行いながら解説します.
図5.17: コマンドプロンプトの画面 コマンドプロンプトの使用
Macではコマンド入力を行う為にターミナルエミュレータ(コンソール)を起動します
が,Windowsでも同様のツールとして「コマンドプロンプト」というものがあります.起
動するには「スタートメニュー」の「アクセサリ」内の「コマンドプロンプト」をクリッ クしてください.
これを起動すると以下のような内容のプロンプトウィンドウが表示されます.
¶ 実行結果 ³
Microsoft Windows [Version 6.0.6001] Copyright (c) 2006 Microsoft Corporation.
All rights reserved.
H:¥>
µ ´
ここにコマンドを入力します.デフォルトでは,プロンプト文字列にはカレントディレク トリ(自分が現在いるディレクトリ)の絶対パスが表示されます.上の例では「H:¥」がこ れに当たります.
dirコマンド
指定されたディレクトリ内のファイルやサブディレクトリの一覧を取得します.Macに おけるlsコマンドと同じような働きをします.引数に何も指定されていない場合は,カレ ントディレクトリの内容が表示されます.
¶ 実行例 ³ H:¥test>dir
H:¥test のディレクトリ
2010/01/08 13:59 <DIR> . 2010/01/08 13:59 <DIR> ..
2010/01/08 13:59 0 data.txt
2010/01/08 13:58 <DIR> hello
µ ´
dirコマンドには様々なオプションをつけることができます.詳しくはdir /?と入力して ヘルプを表示してください.これ以降に説明するほとんどのWindowsコマンドでも,引 数として”/?”をつけて実行すると簡単なヘルプが表示されます.
copyコマンド
指定したファイルをコピーします.UNIXのcpコマンドと同等です.複数ファイルに ついてもワイルドカードにより扱うことができます.ワイルドカードの使い方に関する説 明はここでは省略します.必要に応じて調べてみてください.
¶ 実行例 ³
H:¥test>copy data.txt atad.txt
1 個のファイルをコピーしました。
µ ´
moveコマンド
ファイルのコピーではなく移動をします.移動先にはディレクトリ名またはファイル名 を指定します.同じディレクトリ内でのファイル名を指定した場合は,ファイル名の変更 と同じです.このことからMacにおけるmvコマンドほぼ同等であると言えます.copy コマンドと同じくワイルドカードを用いた複数ファイルの指定が可能です.
¶ 実行例 ³
H:¥test> move atad.txt hello¥datadata.txt 1 個のファイルを移動しました。
µ ´
renコマンド
ファイル名やディレクトリ名の変更を行います.コマンド名は”rename”の省略です.
¶ 実行例 ³ H:¥test>ren data.txt dat.txt
µ ´
delコマンド
ファイルを削除します./Sオプションをつけるとサブディレクトリも再帰的に削除し ます.また/Fオプションをつけると読み取り専用ファイルについても強制的に削除しま す.Macにおけるrmコマンドとほぼ同等の機能を持ちます.
¶ 実行例 ³
H:¥test>del hello /S /Q
削除したファイル - C:¥Users¥s9912345¥hello¥datadata.txt
µ ´
このとき/Qオプションをつけることで再帰的に削除する場合に表示されるダイアログを 消すことができます.
rmdirコマンド
ディレクトリを削除します.delコマンドと同じく/Sオプションをつけるとディレクト リ内のファイルとサブディレクトリをすべて再帰的に削除してしまうので注意してくだ さい.
cdコマンド
現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)を変更します.絶対パスまたは相対パスを 指定できます.相対パスで指定する場合にはMacと同様に,“.”は自分のディレクトリ,
“..”は親ディレクトリ示します.ディレクトリ名を指定せずにcdと入力した場合には下記 の実行例のように現在のディレクトリを表示します.これについてはMacにおけるpwd と同様の働きをします.
¶ 実行例 ³
H:¥test>cd hello H:¥test¥hello>cd H:¥test¥hello
H:¥test¥hello>cd ..
H:¥test>
µ ´
clsコマンド
コマンドプロンプトウィンドウ内の画面を消去します.