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第 6 章 TEX 113

6.2 コマンド

TEXは論理デザインを採用しているとはいえ,テキストファイルなので内容の編集に はEmacs (第3章参照)等で行います.この文書は ”.tex” の拡張子のファイル形式 (e.g.

example.tex)で保存します.そして,このファイルをコンパイルすることで文書を整形し

ます.

ここではTEXを用いるにあたり利用するコマンドを紹介します.一般的にはGUIベー スで操作,編集ができるソフトも多数存在しますが,コマンドラインからの操作,編集方 法を知っておくとサーバ上で編集,作成できるなどの利点があるので,まずコマンドベー スで覚えることを強く勧めます.最低限覚えておけばいいコマンドは二つですので覚えて しまいましょう.

platex platexコマンドはTEXファイルをDVI形式のファイルに変換するコマンドで す.この変換のことを、「コンパイル」と言います。DVI形式とは”Device-Independent

file format”のことで,文書の見た目のレイアウトを画像形式・表示デバイスに全く依存し

ない形のバイナリデータです.DVI形式は人間が見るようには設計されていません.この DVI形式のファイルを見るためのソフトウェアも存在しますが,ここでは紹介しません.

dvipdfmx dvipdfmxコマンドはその名前から推察できるようにDVI形式のファイルを PDF形式に変換するコマンドです.dvipdfmxコマンドでは,DVI形式に変換され整形 された文書を,環境に依存せずほぼすべての環境で同等の状態で文書や画像を閲覧できる PDF形式に変換します.

6.2.1 使ってみよう

前節でTEXにおけるコマンドを紹介しましたので,それらを実際に使ってみましょう.

以下のような内容のテキストファイルを ”test.tex”の名前で作成してください.詳細につ いては後述しますので,今は無視して転写してください.

ソース ³

\documentclass[a4j]{jarticle}

\begin{document}

\section{コマンド}

主に大事なコマンドは以下の二つです.

\begin{itemize}

\item platex

\item dvipdfmx

\end{itemize}

\subsection{実行コマンド}

以下のようにコマンドを実行します.\\

\$ platex test.tex\\

\$ dvipdfmx test

\end{document}

µ ´

この ”test.tex”に対して以下のようにコマンドを使用してみましょう.

³

$ platex test.tex

$ dvipdfmx test.dvi

µ ´

これらのコマンドを実行した結果は以下のようになります.以下のようになりましたか.

もしエラーなどでできない場合は次の6.2.2節を見て考えてみてください.それでもだめ なら,Webで調べる2か誰かに聞きましょう.

結果 ³

1 コマンド

主に大事なコマンドは以下の二つです.

platex

dvipdfmx 1.1 実行コマンド

以下のようにコマンドを実行します.

$ platex test.tex

$ dvipdfmx test.dvi

µ ´

6.2.2 よくあるトラブル

ここではTEXを取り扱う上でよく出会うエラーを紹介します.以下にエラーの例を示 しました.

2エラー内容で検索をすると同様の事象の解法を記述したホームページにたどりつけるかもしれません

platexコマンドでのエラー

³

$ platex test.tex

This is pTeX, Version 3.14159-p3.1.3 (euc) (Web2C 7.4.5) (./test.tex

pLaTeX2e <2001/09/04>+0 (based on LaTeX2e <2001/06/01> patch level 0) (/usr/share/texmf/ptex/platex/base/jarticle.cls

Document Class: jarticle 2001/10/04 v1.3 Standard pLaTeX class (/usr/share/texmf/ptex/platex/base/jsize10.clo))

No file test.aux.

! LaTeX Error: Environment itamize undefined.

See the LaTeX manual or LaTeX Companion for explanation.

Type H <return> for immediate help.

...

l.5 \begin{itamize}

µ? ´

このような画面になったらとりあえず英語を読みましょう.特に読まなければならない のは以下の2つです.

³

! LaTeX Error: Environment itamize undefined.

µ ´

³

l.5 \begin{itamize}

µ ´

1つめのエラー文は,「”itamize”は定義されていない」という内容です.2つめのエラー 文は,間違っている箇所の内容と行数を表しています.

エラー内容が分かったらコマンドを終了しましょう.このエラーが出た時点でカーソル は一番最後の?の位置にあります.そこでxを入力する(以下参照)とplatexコマンドが 終了し元のshellに戻ります.

platexコマンドの終了

³

? x

No pages of output.

Transcript written on test.log.

µ ´

さきほど指摘されたスペルミスを修正 (itamize itemize)して再度コマンドを実行し てみましょう.すると以下のようなメッセージが表示されるはずです.

platexコマンドの成功メッセージ

³

$ platex test.tex

This is pTeX, Version 3.14159-p3.1.3 (euc) (Web2C 7.4.5) (./test.tex

pLaTeX2e <2001/09/04>+0 (based on LaTeX2e <2001/06/01> patch level 0) (/usr/share/texmf/ptex/platex/base/jarticle.cls

Document Class: jarticle 2001/10/04 v1.3 Standard pLaTeX class (/usr/share/texmf/ptex/platex/base/jsize10.clo)) (./test.aux) (/usr/share/texmf/tex/latex/base/omscmr.fd) [1] (./test.aux) ) Output written on test.dvi (1 page, 788 bytes).

Transcript written on test.log.

µ ´

これで晴れてエラーが解消されました.このようにエラーが出た場合は慌てずにエラー 文を読みましょう.そうすれば大抵のことは解決できるはずです.