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第 6 章 TEX 113

6.3 基本記法

6.3.8 数式

参照の仕方ですが,\ref{}を用いることで参照することができます.先ほどの図と表を 例としますと以下のように書くことができます.

ソース ³

図\ref{testPict}と表\ref{tableExample}

µ ´

結果 ³

図6.1と表6.3

µ ´

このように\ref{}の中にラベルとして記述した文字列を入力することで参照できます.注 意していただきたいのは,別な図表に同じラベルを付けると後に出てきたラベルの方が優 先されてしまいます.基本的にはラベルは重複させてはいけません.

これまでの書き方では図表にしか使えないように書いていますが,実は章節にも用いる ことができます.

参照先 ³

\subsection{図表}

\label{figtable}

µ ´

参照 ³

第\ref{figtable}

µ ´

結果 ³

第6.3.7

µ ´

上記のようにすることで以前の章節で述べる際の参照やこれから述べることの紹介として の参照として利用することができます.

à 2 1

−3 4

! Ã 1

2

!

=

à 0

5

!

(6.2) 通常の数式エディタでは指数をうまく表示できなかったり,複雑になると全体の形が崩 れたりしてしまうことが多々ありますが,TEXはある程度複雑な数式には対応しています.

さて,肝心な書き方ですが数式環境を記述するのですが,その方法が四つ存在します.

1. \begin{equation},\end{equation}

equation環境を使用すると一行毎に数式番号を振ります.ここで言う数式番号とは

数式の書かれた行の端に記述してある括弧つきの番号のことです.以下は数式6.1 のソースになります.(数式が途中で改行されたり,スペースが入っていますが改行 やスペースはTEXの仕様で無視されることになっています.また,equation環境で は改行文字(\\)も無効になります.

ソース ³

\begin{equation}

\label{mathExample1}

\int{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|+C

\end{equation}

µ ´

ソースを見て気付いた方もいるかもしれませんが,数式に対してもラベルを用いる ことができます.つまり,他の場所からの参照が可能ということです.書き方は通 常の参照と同様に\ref{}を用います.以下に上記数式を参照する例を示しました.

参照 ³

数式\ref{mathExample1}

µ ´

結果 ³

数式6.1

µ ´

2. \begin{displaymath},\end{displaymath}

equation環境では数式番号を振りますが,番号を振りたくない場合や振る必要がな

い場合はよくあります.そういったときに使用されるのがdisplaymath環境です.

以下に数式6.1と同じものをdisplaymathを用いて記述したものを示しました.

ソース ³

\begin{displaymath}

\int{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|+C

\end{displaymath}

µ ´

結果 ³

Z 1

x21dx= 1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯+C

µ ´

3. \[, \]

\[,\]はdisplaymathと同様に扱うことができます.displaymathと同様なので数式 番号は付きません.

ソース ³

\[

\int{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|+C

µ\] ´

結果 ³

Z 1

x21dx= 1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯+C

µ ´

4. \begin{eqnarray},\end{eqnarray}

これまでのequationdisplaymath\[,\]は一行の数式のための数式環境でした.

それに対してeqnarrayでは複数行にわたる数式を記述することができます.以下が eqnarrayの例になります.

ソース(eqnarray

³

\begin{eqnarray}

\int{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|+C \\

\int_{1}^{5}{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\left[\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|\right]_{1}^{5}

\end{eqnarray}

µ ´

結果 ³

Z 1

x21dx= 1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯+C (6.3)

Z 5

1

1

x21dx=

·1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯¸5

1

(6.4)

µ ´

上記のようにeqnarrayは数式番号を振りますが,*を付けてeqnarray*とすることで 数式番号を振らなくなります.以下がeqnarray*の例となります.

ソース(eqnarray*

³

\begin{eqnarray*}

\int{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|+C \\

\int_{1}^{5}{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

=\left[\frac{1}{2}\log\left|\frac{x-1}{x+1}\right|\right]_{1}^{5}

\end{eqnarray*}

µ ´

結果 ³

Z 1

x21dx= 1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯+C Z 5

1

1

x21dx=

·1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯¸5

µ 1 ´

eqnarray環境で複数行にわたる数式を書けるようになりました.ただ,eqnarrayの

最初の例では両方の数式に数式番号が振られています.しかし,一つの数式が複数 の行にわたっており,数式番号をそのすべてには付けたくない,ということが考え られます.また,各行の数式を=の位置で揃えた方がきれいと考える人も少なくは ないのではないでしょうか.そこで,以下のように記述します.

ソース ³

\begin{eqnarray}

\int_{1}^{5}{\frac{1}{x^2-1}}\mathrm{d}x

&=& \frac{1}{2}\int_{1}^{5}

\left( \frac{1}{x-1} - \frac{1}{x+1}\right)

\mathrm{d}x \nonumber \\

&=& \left[ \frac{1}{2} \log \left| \frac{x-1}{x+1} \right|

\right]_{1}^{5}

\end{eqnarray}

µ ´

結果 ³ Z 5

1

1

x21dx = 1 2

Z 5

1

µ 1

x−1 1 x+ 1

dx

=

·1

2log¯¯¯¯x−1 x+ 1

¯¯¯¯¸5

1

(6.5)

µ ´

まず,数式番号を任意の場所に付けない方法ですが,\nonumberを該当行の直後に 記述します.そうすることで,該当行は数式番号が振られず,任意の場所にのみ数 式番号が付加できました.次に,=で揃えるという点ですが,各行の=&で囲うこ とで実現できます.

最後に行列式の書き方を紹介して数式の節を終わります.行列式を記述するには括弧の 書き方と中身の行列の書き方の二つが分かれば後は上記数式と何ら変わらないのでこの二 点について紹介します.

1. 括弧の書き方

括弧の書き方は実は先ほどまでの例で何回かは出現していた方法を使います.それ

\left\rightの二つです.この二つは括弧に限らず絶対値記号等にも応用でき

ます.

2. 行列の書き方

行列の書き方はarray環境を用います.使い方は表の記述とほぼ同じです.オプ ションとして内容の配置の指定ができます.

これらを用いた例である数式6.2は以下のように記述できます.

ソース ³

\begin{eqnarray}

\label{mathExample2}

\left(

\begin{array}{cc}

2 & -1\\

-3 & 4 \\

\end{array}

\right)\left(

\begin{array}{c}

1 \\

2 \\

\end{array}

\right)=\left(

\begin{array}{c}

0 \\

5 \\

\end{array}

\right)

\end{eqnarray}

µ ´

結果(再録のため数式番号は省略)

³

à 2 1

3 4

! Ã 1

2

!

=

à 0

5

!

µ ´