6. 周辺機器の利用
6.1. USB 周辺機器利用方式
6.1.4. USB デバイス認識のコントロール
シンクライアントシステムを構築する上で、利用するUSBデバイスの運用方法は、非常に重要な要素の一つと なります。前述にあるUSBデバイスマッピングとUSBポートレベルリダイレクションの仕組みは根本から異なるた め、システム上利用できるものと利用できないもの、アーキテクチャ上利用できるものと利用できないものがありま す。このため、Wyse ThinOS上に挿入されるUSBデバイスを上記のどの方法で制御するのかを理解する必要が あります。また、Wyse ThinOSでは、デフォルト設定で各USBデバイスに関しての動作が異なります。
USBデバイスの認識方法を理解する上で重要となるのは、Wyse ThinOS上に挿入されたUSBデバイスの認 識方法と上述したUSBデバイスマッピングとUSBポートレベルリダイレクションの関係です。USBデバイスマッピ ングは、Wyse ThinOS上ローカルで認識されたUSBデバイスがICA/RDPプロトコルサービスによって、デバイ ス毎に認識(キーボードやスマートカードをプロトコルサービスが認識)され、画面転送上で利用することができま す。このため、Wyse ThinOS上で、利用するUSBデバイスがローカルで認識される必要があります(本節では、
「ローカル認識」と呼びます注)。一方、USBポートレベルリダイレクションにおいては、Wyse ThinOSローカルで USBデバイス自体は認識されずに、ICA(HDX Plug & Play USB Redirection機能)、TCX USB Virtualizser機能 などの機能を利用して、USBポートレベルからリダイレクトされ、ホストWindowsデスクトップ上でデバイスが認識 されます。このため、Wyse ThinOS上で利用するUSBがリモートで認識される必要があります(本節では、「リモ ート認識」と呼びます)。Wyse ThinOS上で挿入されるUSBデバイスは、この「ローカル認識」と「リモート認識」の 二種類に分類されるため、場合によってはこれらを明示に的に設定することで、USBデバイスを制御する必要が あります。Wyse ThinOS上のローカルで認識される主なUSBデバイスドライバ/デバイスとデフォルト値、制御方 法について下記に示します。
注意: 原則的に、「リモート認識」、「ローカル認識」の概念は、USBポートレベルリダイレクションを利用(システム上有効)した時に 重要な概念となります。例えば、USBストレージデバイスなどは、デフォルトで「リモート認識」となりますが、USBポートレベルリダイ レクションがシステム上有効でなく(Windowsホストシステムがサポートしてない場合)、USBストレージをUSBデバイスマッピングで 利用したい場合、Wyse ThinOS上では自動的に認識して、Wyse ThinOS上の「ディスク」設定ONを解釈してUSBデバイスマッピ ングを利用します。
表34. 主なUSBドライバ/デバイスと制御方法
ローカルドライバ デバイス例 デフォルト動作 USB制御方法 HID マウス、キーボード、
バーコードリーダー ローカル認識
USBデバイスマッピング:
無し(デフォルト動作)
USBポートレベルリダイレクション:
wnos.iniファイル上での設定(ForceRedirect)
CCID スマートカードリーダー ローカル認識
USBデバイスマッピング:
ローカル UIのICA/RDP 設定で、「スマートカード」
にチェックを入れる。もしくは、wnos.ini ファイル上で の設定(SmartCards)
USBポートレベルリダイレクション:
wnos.iniファイル上での設定(ForceRedirect)
USB Mass Storage USBストレージ リモート認識
USBデバイスマッピング:
ローカルUIのICA/RDP設定で、「ディスク」にチェッ クを入れる。もしくは、wnos.ini ファイル上の設定 (mapdisks)
USBポートレベルリダイレクション:
ローカルUIでの「USBデバイスリダイレクション」設 定 も し く は 、wnos.ini フ ァ イ ル 上 で の 設 定 (VUSB_DISKS、またはForceRedirect)
Generic Audio USBオーディオデバイス ローカル認識
USBデバイスマッピング:
ローカルUIのICA/RDP設定で、「サウンド」にチェッ クをいれる。もしくは、wnos.ini ファイル上での設定 (DisableSound)
USBポートレベルリダイレクション:
ローカルUIでの「USBデバイスリダイレクション」設 定 も し く は 、wnos.ini フ ァ イ ル 上 で の 設 定 (VUSB_AUDIO、またはForceRedirect)
Universal Video Class UVCWEBサポートの カメラ ローカル認識
USBデバイスマッピング:
無し(デフォルト動作)
USBポートレベルリダイレクション:
ローカルUIでの「USBデバイスリダイレクション」設 定 も し く は 、wnos.ini フ ァ イ ル 上 で の 設 定 (VUSB_VIDEO、またはForceRedirect)
N/A プリンタ ローカル認識
USBデバイスマッピング:
ローカルUIのICA/RDP設定で、「プリンタ」にチェッ クをいれる。もしくは、wnos.ini ファイル上での設定 (UnmapPrinters)
USBポートレベルリダイレクション:
ローカルUIでの「USBデバイスリダイレクション」設 定 も し く は 、wnos.ini フ ァ イ ル 上 で の 設 定 (VUSB_PRINTER、またはForceRedirect)
注意: プリンタドライバは、Wyse ThinOSには搭載されていないが、特殊なUSB自動作成機能を搭載(後述参照)。また、設定上
ForceRedirect機能(詳細は後述)による強制的なデバイスのローカル認識は、システム運用上利用できない(実質的な許容の範囲
を超える)場合があるため、十分なテストが必要となります。USBカメラをUSBデバイスマッピングで利用する仕組みは、Citrix HDX RealTime WebCam Support機能を利用した場合のみです(2012年3月現在)。
図87 USBディスクのUSBポートレベルリダイレクション利用(ホスト上のローカルデバイスとして認識)
例えば、シンクライアントシステム環境上で、USBポートリダイレクションを利用している環境があるとします。こ のときに、USBメモリ(USBストレージデバイス)のみは、USBデバイスマッピング機能を利用して、Windowsホスト システムに接続したい場合があります。この場合は、下図に示す様に、「接続設定全般」にある(注意: 構築/設 定環境によって設定個所は異なります)、「ディスクデバイスを除外」にチェックを入れ、更に「ディスク」にチェック を入れます。これにより、この環境において利用されるUSBストレージデバイスは、USBデバイスマッピングを利 用した仕組みで運用されます。「ディスクデバイスを除外」にチェックを入れることで、USBストレージデバイスが
「ローカル認識」されます。さらに、「ディスク」にチェックをいれることで、TCX/HDXのUSBポートリダイレクト機能 が有効であっとしても、画面転送プロトコル(ICA/RDP)サービス上のディスクマッピングが有効になります。接続 先仮想デスクトップ上では、USBデバイスマッピングとして利用することができます(下図参照)。
図88 USBディスクのUSBマッピングによる動作(ネットワークドライブとして認識)