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400~600 mg/日のイマチニブに抵抗性の慢性期慢性骨髄性白血病を対象とした、ダサチニブ又 はイマチニブ(800 mg)の無作為化臨床第Ⅱ相オープンラベル試験-中間成績-

試験方法の概略を表 2.5-1に示す。

表 2.5-1 試験方法の概略

項目 内容 治験の相 第Ⅱ相 治験の目的 主要目的:

400~600 mg/日のイマチニブに抵抗性の慢性期CML患者にダサチニブ170 mg、12回、

又はイマチニブ1400 mg12回を12週間投与したときの細胞遺伝学的効果(MCyR)を 評価する。

副次目的:

1.クロスオーバー前のMCyR率、CHR率。

2.クロスオーバー前のMCyR及びCHRが得られるまでの期間及び効果の持続期間。

3.クロスオーバー前の分子遺伝学的効果。

4.クロスオーバー後の細胞遺伝学的及び血液学的効果。

5.FACT-Gを用いたQoLの評価。

6.ダサチニブの安全性及び忍容性。

7.ダサチニブ及びイマチニブを投与したときの安全性を評価する。

治験 デザイン

オープンラベル試験

被験者はダサチニブ投与群(170 mg、12回投与)、又はイマチニブ投与群(1400 mg、

12回投与)のいずれかに2:1の比率で無作為に割り付けられた。疾患の進行がみられる場合

(移行期又は急性期への悪化、CHR又はMCyRが得られなくなった場合、白血球数の増加が認め

られた場合)12週間投与後MCyRが得られない場合、又は忍容できない有害事象が発現した 場合は、もう一方の治療法へのクロスオーバーを可とした。ダサチニブは180 mg~180 mg の範囲で用量調節できるものとし、過去に600 mgのイマチニブ投与歴がない患者ではイマチニ

600 mgへの減量を可とした。

対象疾患 400~600 mg/日のイマチニブに抵抗性の18歳以上の慢性期CML患者 選択/除外

基準

選択基準

1) 細胞遺伝学的にPh+が確認された慢性期CML患者(基準については、Study CA180-034試験 と同様)

2) 前治療イマチニブに対し、以下の基準を満たす。

a) 600 mg/日を超えて投与されたことがない。

b) 1400~600 mg/日のイマチニブに抵抗性の患者(抵抗性の基準については、Study

CA180-034試験と同様(表2.4-1参照)

他の選択基準については、Study CA180-034と同様(表2.4-1参照) 除外基準

1) スクリーニング期間に移植が可能で、かつ移植を受ける意思がある患者。

2) 治験開始1ヵ月前から終了3ヵ月後までの期間、適切な避妊法を実施する意思がないか、あ るいは実施することが不可能な妊娠の可能性がある女性。

3) 妊婦及び授乳婦。

4) 投与開始前の妊娠検査の結果が陽性。

5) パートナーが妊娠の可能性がある女性で、治験期間中及び治験終了後3ヵ月間、適切な避妊 法を用いる意思がないか、あるいは用いることができない男性。

6) 600 mg/日を超えるイマチニブを投与されたことがある。

7) イマチニブに対して強い抵抗性を示す BCR-ABL 遺伝子変異(L248VG250EQ252H/R Y253H/F、E255K/V、T315I/D、F317L、H369P/R)を有することが予めわかっている患者。

8) 過去に移行期又は急性期CMLと診断されたことがある。

表 2.5-1 試験方法の概略 (つづき)

項目 内容

選択/除外 基準

9) 以下に定義するイマチニブ不耐容の患者

a) イマチニブに関連したGrade 3以上の非血液毒性

b) イマチニブに関連し、8日以上持続するGrade 4の非血液毒性

c) イマチニブに関連した毒性により投与中止、又は 4 週間を超えて投与を中断したことがあ る。

被験者数 166例が組み入れられた。うち150例が登録され、101例がダサチニブ投与群に、49例がイマチ ニブ投与群に割り付けられた。

投与方法 1. 使用薬剤

ダサチニブ錠:20 mg錠及び50 mg イマチニブ錠:100 mg錠及び400 mg 2. 用法・用量及び投与期間

開始用量はダサチニブ170 mg、12回、又はイマチニブ1400 mg、12回投与とした。

ダサチニブは180 mg180 mgの範囲で、イマチニブは1600800 mgの範囲で用量調節で きるものとし、用量調節にも関わらず疾患の増悪がみられた場合、あるいは有害事象が再発する 場合は、もう一方の治療法へクロスオーバーできるものとした。

有効性・安 全性の評価 項目

Study CA180-034と同様(表2.4.1参照)

解析方法 有効性:MCyR率及びCHR率は95%信頼区間とともにを算出する。MCyR率の2群間の差はレ トロスペクティブにAgresti-Min 正確確率検定により解析する。MCyRの持続期間、寛解到達期 間に関しては、Kaplan-Meier法を用いて中央値および95%信頼区間を推定する。

安全性:有害事象は器官分類し、重症度をNCI-CTCAEversion3.0を用いて評価する。

治験期間 2005210日から(データベースのロック:観察期間が8ヵ月以上になった時点*

2.5.1 症例の内訳

症例の内訳を図 2.5-1に示す。

図 2.5-1 症例の内訳

組み入れ症例数 N = 166*

投与せず N = 16 無作為化症例数

N = 150

ダサチニブ投与群 N = 101

イマチニブ投与群 N = 49

投与継続中 N = 73

投与中止 N = 28

投与継続中 N = 9

投与中止 N = 40

イマチニブ投与 N = 15

試験中止 N = 13

ダサチニブ投与 N = 39

試験中止 N = 1

投与継続中 N = 9

投与中止 N = 6

投与継続中 N = 30

投与中止 N = 9

*:2例が2回重複して登録されたため、組み入れ症例として2回カウントされている。

*新薬承認情報提供時に置き換え

本治験には、2005年2月から、20 年 月までに166例が組み入れられ、うち150例が無作為 化された。101例はダサチニブ投与群(1回70 mg、1日2回投与)、49例はイマチニブ投与群(1 回400 mg、1日2回投与)に割り付けられた。

ダサチニブ投与群に割り付けられた101例のうち、28例が投与を中止し、うち15例がイマチ ニブ投与に切り替えられた。イマチニブ投与群では 49例のうち、40例が投与を中止し、そのう ち39例がダサチニブ投与に切り替えられた(表 2.5-2)。

表 2.5-2 症例の内訳

症例数(%)

ダサチニブ投与群 N = 101

イマチニブ投与群 N = 49 初回治療継続中 73 (72) 9 (18) 初回治療の中止 28 (28) 40 (82) 中止理由 疾患の増悪 5 ( 5) 30 (61)

副作用 16 (16) 9 (18)

その他 7 ( 7) 1 ( 2)

クロスオーバーされた症例数 15 (15) 39 (80) クロスオー

バーの理由

副作用 10 (10) 9 (18)

疾患の増悪 2 ( 2) 30 (61)

その他 3 ( 3) 0

クロスオーバーを行わなかった症例数 13 (13) 1 ( 2)

2.5.2 人口統計学的特性

人口統計学的特性を表 2.5-3に、現病歴、前治療及び登録時の状態を表 2.5-4に示す。

表 2.5-3 人口統計学的特性

ダサチニブ投与群 N = 101

イマチニブ投与群 N = 49

計 N = 150

年齢 平均値 51 50 51

中央値 51 51 51

最小─最大 24 - 85 24 - 80 24 - 85

性別 男性 53 (52) 22 (45) 75 (50)

女性 48 (48) 27 (55) 75 (50)

人種 白人 87 (86) 43(88) 130 (87)

黒人 2 ( 2) 1 ( 2) 3 ( 2)

アジア人 6 ( 6) 3 ( 6) 9 ( 6)

その他 6 ( 6) 2 ( 4) 8 ( 5)

ダサチニブ投与群とイマチニブ投与群の間で人口統計学的特性の偏りは見られなかった。

表 2.5-4 現病歴、前治療及び登録時の病態

ダサチニブ投与群 N = 101

イマチニブ投与群 N = 49

計 N = 150

中央値 64.1 51.8 58.8

初診からの期間

(月) 最小 - 最大 5.6 - 166.2 13.8 - 132.6 5.6 - 166.2 骨髄移植 7 ( 6.9) 2 ( 4.1) 9 ( 6.0) 放射線療法 2 ( 2.0) 0 2 ( 1.3) イマチニブ以外の薬物 101 (100) 49 (100) 150 (100) 化学療法 39 (38.6) 18 (36.7) 57 (38.0) インターフェロン 74 (73.3) 33 (67.3) 107 (71.3) 前治療(イマチ

ニブ以外)

ヒドロキシカルバミド

/anagrelide 97 (96.0) 46 (93.9) 143 (95.3)

400 mg/日 36 (35.6) 14 (28.6) 50 (33.3)

500 mg/日 2 ( 2.0) 1 ( 2.0) 3 ( 2.0)

600 mg/日 62 (61.4) 34 (69.4) 96 (64.0)

イマチニブ最高 用量

800 mg/日 1 ( 1.0) 0 1 ( 0.7)

1年未満 12 (11.9) 5 (10.2) 17 (11.3)

1 - 3年 44 (43.6) 29 (59.2) 73 (48.7)

イマチニブ治療 期間

> 3年 45 (44.6) 15 (30.6) 60 (40.0)

CHR 93 (92.1) 47 (95.9) 140 (93.3)

安定 7 ( 6.9) 2 ( 4.1) 9 ( 6.0)

増悪 0 0 0

最良血液学的効 果

評価不能 1 ( 1.0) 0 1 ( 0.7)

CCyR 15 (14.9) 4 ( 8.2) 19 (12.7)

PCyR 13 (12.9) 10 (20.4) 23 (15.3)

Minor CyR 10 ( 9.9) 6 (12.2) 16 (10.7) Minimal CyR 24 (23.8) 14 (28.6) 38 (25.3)

安定 37 (36.6) 13 (26.5) 50 (33.3)

増悪 0 1 ( 2.0) 1 ( 0.7)

最良細胞遺伝学 的効果

評価不能 2 ( 2.0) 1 ( 2.0) 3 ( 2.0)

脾臓 3 ( 3.0) 1 ( 2.0) 4 ( 2.7)

肝臓 0 1 ( 2.0) 1 ( 0.7)

節 0 0 0

髄外浸潤

その他 0 0 0

中央値 7,500 7,400 7,500

最小 - 最大 1,800 - 153,200 1,800 - 133,000 1,800 - 153,200

< 20,000/mm3 (N [%]) 88 (87.1) 41 (83.7) 129 (86.0) 白血球数a

(/mm3)

≥ 20,000/mm3 (N [%]) 11 (10.9) 7 (14.3) 18 (12.0)

中央値 256,000 248,000 254,000 血小板数a

(/mm3) 最小 - 最大 55,000 - 1,903,000 80,000 - 2,318,000 55,000 - 2,318,000

中央値 2.0 2.8 2.0

末梢血好塩基球

(%)b 最小 - 最大 0 - 19.0 0 - 11.0 0 - 19.0

中央値 12.3 12.1 12.3

ヘ モ グ ロ ビ ン

(g/dL)a 最小 - 最大 6.0 - 17.0 7.7 - 16.0 6.0 - 17.0

a ダサチニブ投与群 N=99、イマチニブ投与群 N=48 b ダサチニブ投与群 N=59、イマチニブ投与群 N=27

ダサチニブ投与群及びイマチニブ投与群における患者背景はほぼ一致していた。初診からの期 間の中央値は64及び52ヵ月で、いずれの群においても大部分の症例がインターフェロン及びヒ ドロキシカルバミド/anagrelideの治療歴を有し、また、1/3以上が化学療法の治療歴を有してい た。

イマチニブの投与期間はいずれの群においてもほとんどが1年以上であり、ダサチニブ投与群

では45%、イマチニブ投与群では31%の症例が3年を超えて投与されていた。また、イマチニブ

の用量は1例を除いて400~800 mg/日であった。イマチニブ抵抗性の理由は細胞遺伝学的効果が 不十分なことによるものが多く、12ヵ月後にMCyRが得られない、又は6ヵ月後に細胞遺伝学的 効果が得られない症例が多かった。また、投与前の血液学的検査値の値も2群間でほぼ一致して いた。肝機能、腎機能、心機能、血液凝固異常、電解質異常が見られた症例はいずれの投与群に おいても少なく、また異常があっても重症度は軽度~中等度であった。

BCR-ABL遺伝子に変異を有する症例はダサチニブ投与群で45%(41/92例、9例は投与前のデ

ータなし)、イマチニブ投与群で 24%(11/46例、3例は投与前のデータなし)であった。予め強 固なイマチニブ抵抗性のBCR-ABL変異(L248V、G250E、Q252H/R、Y253H/F、E255K/V、T315I/D、

F317L、H396P/R)を有することがわかっていた症例は本治験の除外対象としたが、その他の症例

については治療開始後に検査を行ったため、強固なイマチニブ抵抗性の BCR-ABL変異を有する 症例がダサチニブ投与群で14例(15%)、イマチニブ投与群で2例(4%)含まれていた。

2.5.3 薬剤の曝露

治験薬の平均1日投与量、Dose Intensity及び投与期間(クロスオーバー前)を表 2.5-5に示す。

表 2.5-5 治験薬の投与量及び投与期間(クロスオーバー前)

ダサチニブ投与群 N = 101

イマチニブ投与群 N = 49

中央値 103 796 平均 1 日投与量

(mg/日) 最小 - 最大 38 - 175 358 - 800

0 - 90% 66 (65.3) 12 (24.5)

> 90% - 100% 24 (23.8) 36 (73.5) Dose Intensity

(%)

> 100% 10 (9.9) 1 (2.0)

中央値 13.73 3.09 最小 - 最大 0.16 - 19.29 0.16 - 15.61

≤ 3 9 (8.9) 24 (49.0)

> 3 - 6 7 (6.9) 14 (28.6) 投与期間(月)

> 6 85 (84.2) 11 (22.4)

本CA180-017試験では、疾患の進行がみられる場合、又は細胞遺伝学的効果が得られない場合、

ダサチニブの用量を1日180 mg(1回90 mg、1日2回)まで増量可能とし、また、有害事象の コントロールのため、1日80 mg(1回40 mg、1日2回)までの減量も可とした。イマチニブは 有害事象のコントロールのため、1日600 mgまでの減量を可とした。ダサチニブ投与群では66%

の症例で減量を行ったのに対し、イマチニブ投与群では減量は12%であった。その結果、ダサチ

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