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イマチニブに抵抗性又は不耐容の移行期慢性骨髄性白血病を対象としたダサチニブの臨床第II 相試験-中間成績-

試験方法の概略を表 2.8-1に示す。

表 2.8-1 試験方法の概略

項目 内容 治験の相 第Ⅱ相 治験の目的 主要目的:

イマチニブに抵抗性又は不耐容の移行期慢性骨髄性白血病(以下CMLと略す)を対象として、

MaHR及びOHR率を推定する。

副次目的:

1. 前治療のイマチニブに対する抵抗性・不耐容別にMaHR又はOHR到達までの期間、持続期間 を評価する。

2. イマチニブ抵抗性例における細胞遺伝学的効果及び分子生物学的効果を評価する。

3. イマチニブ不耐容例における血液学的、細胞遺伝学的及び分子生物学的効果を評価する。

4. FACT-Gを用いて、Health-related quality of lifeHRQoL)を検討する。

5. ダサチニブの安全性及び忍容性を検討する。

治験 デザイン

オープンラベル試験

イマチニブ抵抗性又は不耐容の移行期CML患者を対象とし、ダサチニブを170mg12 投与した。また、効果及び安全性に基づき、用量の増減を可能とした。投与は、増悪まで、ある いは忍容不能な有害事象が発現するまでとした。

対象疾患 対象疾患:イマチニブに抵抗性あるいは不耐容の18歳以上のフィラデルフィア染色体陽性(以下、

Ph+と略す)又はBCRABL陽性(以下、BCR-ABL+と略す)移行期CML患者 選択/除外

基準

選択基準

1. Ph+又はBCR-ABL+の移行期CML(基準は、Study CA180-002と同様:表2.6-1参照)。

2. イマチニブ抵抗性又は不耐容。イマチニブ抵抗性及び不耐容の定義は以下のとおりである。

a) 血液学的なイマチニブ抵抗性の定義

(i) 慢性期CMLと診断され、1400 mg以上のイマチニブ治療中に移行期に増悪した場合

(初期又は獲得抵抗性)。

(ii) 移行期CMLと診断され、1600 mg以上のイマチニブを4週間以上(急速な増悪がみ

られる場合は2週間以上)投与しても血液学的効果が得られない(初期抵抗性)。なお、

1600 mg以上のイマチニブに不耐容の場合は、1400 mg~600 mgでも可とする。

(iii) 移行期又は急性期CMLと診断され、1600 mg以上のイマチニブの投与により、一旦

血液学的寛解達成後、移行期となった場合。なお、1600 mg以上のイマチニブに不耐 容の場合は、1400 mg600 mgでも可とする。

b) イマチニブ不耐容の定義

(i) 1400 mg以下のイマチニブ投与に関連した有害事象により、投与中止となった場合。

(ii) イマチニブの1日投与量400 mg未満でしか耐容できない場合。1400 mg投与に耐容 性があり、1400 mgを超える投与量で不耐容の場合には、イマチニブ不耐容としな い。

他の選択基準及び除外基準(Study CA180-034と同様:表2.4-1参照)

被験者数 174例が登録され、ダサチニブの投与を受けた。20 日以前に登録され、 日まで にダサチニブの投与を開始した107例を本中間解析の対象とした。

投与方法 1. 使用薬剤

ダサチニブ錠:20 mg錠及び50 mg 2. 用法・用量及び投与期間

170 mg12回投与を連日投与で行い、無効の場合には1100 mgまで増量を可能とした。

また、有害事象により2段階(150 mg及び40 mg、いずれも12回投与)の減量を可能とし た。投与は用量調節でコントロールできない疾患の増悪又は忍容不能な有害事象が発現するまで 行った。

表 2.8-1 試験方法の概略 (つづき)

項目 内容

有効性・安全 性の評価項目

有効性:

主要評価項目:MaHR率及びOHR率とする。

血液学的効果の基準はStudy CA180-002と同様(表2.6-1参照)。

MaHRMiHRを合わせたものをOHRとする。

副次評価項目:細胞遺伝学的効果及び分子生物学的効果、MaHROHR、細胞遺伝学的寛解到 達までの期間及び持続期間

細胞遺伝学的効果の基準は、Study CA180-002と同様(表2.6-1参照)。

分子生物学的効果の基準は、Study CA180-013と同様(表2.7-1参照)。

安全性:CA180-013と同様(表2.7-1参照)。

薬物動態:経時的に測定した血漿中濃度を基にダサチニブ及びBMS-582691PKパラメータ

(Cmax、 Tmax、AUC(0-T)、t1/2)を算出した。

解析方法 解析対象

有効性評価対象例:全組み入れ症例 安全性評価対象例:全投与症例

有効性の評価は、血液検査結果、骨髄検査結果及び髄外浸潤の有無により機械的に判定する。

寛解率については、その95%信頼区間を求める。MaHR及びOHR到達期間並びに持続期間に ついては、Kaplan-Meier法を用いて推定する。

薬物動態については、ダサチニブ及びその代謝物である BMS-582691 の薬物動態パラメータ の要約統計量を試験日毎(1日目及び8日目)に算出する。

治験期間 2004126日から(データ締切日:有効性 観察期間が8ヵ月以上になった時点*、安全性 治験開始10ヵ月後*

20 年 月 日までに組み入れられ、20 年 月 日までにダサチニブの投与を開始した受け た症例を対象として中間解析を行った。この期間に 120例が組み入れられ、107例に投与が行わ れた。なお、安全性については治験開始10ヵ月後*のデータ締切日、また、有効性については観 察期間が8ヵ月以上になった*データ締切日までのデータを解析に用いた。

2.8.1 症例の内訳

症例の内訳を図 2.8-1に、投与状況について表 2.8-2に示す。

図 2.8-1 症例の内訳

組み入れ症例数 N = 120

未投与 N = 13

投与例 N = 107 ダサチニブ

未投与 N = 6

他の試験に 組み入れ

N = 7 イマチニブ抵抗性 イマチニブ不耐容

N = 99 N = 8

*新薬承認情報提供時に置き換え

表 2.8-2 投与状況

症例数(%)

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

投与中 6 (75.0) 61 (61.6) 67 (62.6)

投与中止 2 (25.0) 38 (38.4) 40 (37.4) 原疾患の増悪 0 15 (15.2) 15 (14.0) 副作用 0 6 ( 6.1) 6 ( 5.6) 治験薬との因果関係のない有害事象 0 1 ( 1.0) 1 ( 0.9) 患者の要望 0 3 ( 3.0) 3 ( 2.8) 死亡 1 (12.5) 6 (6.1) 7 ( 6.5) 追跡不能 1 (12.5) 0 1 (0.9) その他 0 7 (7.1) 7 ( 6.5) データ締切日:観察期間が8ヵ月以上になった時点*

今回の中間解析を行った登録締切日(20 年 月 日)までに、120 例が組み入れられ、107 例(イマチニブ抵抗性99例及びイマチニブ不耐容8例)に投与が行われた。うち67例が観察期 間が8ヵ月以上になった*現在も投与中である。40例(37%)で投与が中止され、38例がイマチ ニブ抵抗性例、2例がイマチニブ不耐容であった。中止の理由としては、原疾患の増悪15例(14%)、

副作用6例(6%)、ダサチニブと因果関係のない有害事象1例(1%)、患者の要望3例(3%)、死 亡7例(7%)、追跡調査不能1例(1%)、その他7例(7%)であった。

全投与例107例のうち、細胞遺伝学的効果が評価可能な症例は98例、うち20個以上の分裂中 期細胞で評価が可能だったのは85例であった。

2.8.2 人口統計学的特性

人口統計学的特性を表 2.8-3に示す。

表 2.8-3 人口統計学的特性

症例数(%)

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

年齢 平均(歳) 64.8 55.0 55.7

中央値 67.0 57.0 57.0

最小-最大 54.0 – 74.0 23.0 – 86.0 23.0 – 86.0

SD 6.9 13.2 13.1

21 - 45歳 0 23 (23.2) 23 (21.5)

46 - 65歳 3 (37.5) 55 (55.6) 58 (54.2)

66 - 75歳 5 (62.5) 18 (18.2) 23 (21.5)

> 75歳 0 3 ( 3.0) 3 ( 2.8)

*新薬承認情報提供時に置き換え

表 2.8-3 人口統計学的特性 (つづき)

症例数(%)

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

性別 男性 2 (25.0) 53 (53.5) 55 (51.4)

女性 6 (75.0) 46 (46.5) 52 (48.6)

人種 白人 8 (100) 84 (84.8) 92 (86.0)

黒人(African American含む) 0 5 ( 5.1) 5 ( 4.7) アジア人 0 10 (10.1) 10 ( 9.3)

ECOG 0 3 (37.5) 47 (47.5) 50 (46.7)

PS 1 4 (50.0) 38 (38.4) 42 (39.3)

2 1 (12.5) 14 (14.1) 15 (14.0)

年齢は、23歳~86歳の範囲で、男性・女性はほぼ同数であった。ほとんど(86%)が白人であ り、ECOGのPSは0が47%、1が39%であった。

病歴・前治療イマチニブの投与量・投与期間・効果及び登録時の病態に関し、表 2.8-4 及び表 2.8-5に示す。

表 2.8-4 病歴及び前治療イマチニブの投与量・投与期間・効果

症例数(%)

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

病歴 初診からの期間(月)

中央値(最小 - 最大) 68.7 (4.3 – 108.7) 91.2 (7.6 - 355.1) 90.9 (4.3 - 355.1)

移植 2 (25.0) 17 (17.2) 19 (17.8)

放射線療法 0 4 ( 4.0) 4 ( 3.7)

薬剤 8 (100) 99 (100) 107 (100)

化学療法 4 (50.0) 68 (68.7) 72 (67.3) インターフェロン 4 (50.0) 76 (76.8) 80 (74.8) イ マ チ

ニ ブ 以 外 の 前 治療

ヒドロキシカルバミド

/anagrelide 7 (87.5) 96 (97.0) 103 (96.3) 最高投与量 400 mg未満 0 0 0

400 - 600 mg 5 (62.5) 39 (39.4) 44(41.1) 600 mg超 3 (37.5) 60 (60.6) 63 (58.9) 投与期間 1年未満 4 (50.0) 4 ( 4.0) 8 ( 7.5)

1 - 3年 2 (25.0) 24 (24.2) 26 (24.3)

3年超 2 (25.0) 71 (71.7) 73 (68.2)

CHR 5 (62.5) 84 (84.8) 89 (83.2)

NEL 0 0 0

MiHR 1 (12.5) 5 ( 5.1) 6 ( 5.6)

不変 0 7 ( 7.1) 7 ( 6.5)

増悪 1 (12.5) 2 ( 2.0) 3 ( 2.8)

最良血液学 的効果

評価不能 1 (12.5) 1 ( 1.0) 2 ( 1.9)

CCyR 1 (12.5) 10 (10.1) 11 (10.3)

PCyR 0 23 (23.2) 23 (21.5)

最良細胞遺 伝学的効果

その他 6 (75.0) 64 (64.6) 70 (65.4)

表 2.8-5 登録時の病態

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

脾 2 ( 25.0) 16 (16.2) 18 (16.8)

髄外浸潤

脾以外 0 5 ( 5.1) 5 ( 4.7)

白血球数 症例数 8 (100) 98 (99.0) 106 (99.1)

中央値 5,600 17,500 16,800

最小 - 最大 3,200 - 68,400 1,000 - 243,400 1,000 - 243,400 <20,000/mm3 5 (62.5) 56 (56.6) 61 (57.0)

≥20,000/mm3 3 (37.5) 42 (42.4) 45 (42.1) 血小板数 症例数 8 (100) 98 (99.0) 106 (99.1)

中央値 165,500 164,500 164,500

最小 - 最大 54,000 - 1,463,000 8,000 - 3,580,000 8,000 - 3,580,000 <100,000/mm3 4 (50.0) 40 (40.4) 44 (41.1)

≥100,000/mm3 4 (50.0) 58 (58.6) 62 (57.9) 末梢血中 症例数 5 (62.5) 73 (73.7) 78 (72.9) 好塩基球 中央値 11.0 8.0 8.5

(%) 最小 - 最大 5.0 - 13.0 0.0 - 63.0 0.0 - 63.0

<20% 5 (62.5) 53 (53.5) 58 (54.2)

≥20% 0 20 (20.2) 20 (18.7)

末梢血中 症例数 5 (62.5) 67 (67.7) 72 (67.3) 芽球(%) 中央値 7.0 2.0 2.5

最小 - 最大 0.0 - 21.0 0.0 - 68.0 0.0 - 68.0

<15% 4(50.0) 54 (54.5) 58 (54.2)

≥15% 1 (12.5) 13 (13.1) 14 (13.1)

骨髄中 症例数 7 (87.5) 94 (94.9) 101 (94.4)

芽球(%) 中央値 15.0 8.9 9.0 最小 - 最大 0.0 - 20.0 0.0 - 60.0 0.0 - 60.0

<15% 3 (37.5) 63 (63.6) 66 (61.7)

≥15% 4 (50.0) 31 (31.3) 35 (32.7)

本治験に組み入れられた移行期 CML 患者は、長期間の病歴を有し、強力な前治療を受けてい た。診断からダサチニブ投与開始までの期間は、中央値で91ヵ月であり、全例イマチニブ以外に も治療を受けていた。ヒドロキシカルバミド又はanagrelideが最も多く96%、次いで、インター

フェロン75%、化学療法67%、骨髄移植18%、放射線療法4%であった。

68%の症例がイマチニブの投与を3年以上にわたって受けていた。59%はイマチニブの1日投

与量が600 mgを超えていた。イマチニブの効果としては、CHRが83%、MCyRが32%であった。

なお、この効果は、移行期において見られたもののみではなく、初診から今回の組み入れまでの 期間での最良の効果であり、慢性期CML時のものも含まれる。8例がイマチニブ不耐容例であり、

胃腸症状が1例、関節痛・筋痛2例、発疹1例、その他6例(汎血球減少症、血小板減少症、好 中球減少症等)であった。

19例(18%)が投与前に髄外浸潤を有していた。うち脾臓への浸潤は18例(17%)で、肝臓へ の浸潤は5例(5%)に見られた。投与前の血小板数が100,000/mm3未満であった症例は41%であ

り、白血球数が20,000/mm3未満は57%であった。骨髄中又は末梢血中の芽球が15%以上であった 症例はそれぞれ33%、13%であり、投与前の末梢血中の好塩基球が20%以上は19%の症例に見ら れた。投与前の血液検査での異常値としては、Grade 1-2 の貧血が 80%に、血小板減少症が24%

に見られ、grade 3-4の異常値としては、血小板減少症が23%、好中球減少症が7%、白血球減少

症が5%、貧血が5%に見られた。103例(96%)の症例が何らかの合併症を呈しており、最も多

いもの(30%以上の症例で見られた症状)は消化器症状(44%)、筋骨格系症状(42%)、泌尿生殖 器症状(36%)、心血管症状(34%)及び呼吸器症状(32%)であった。ダサチニブ投与前の症状と してよく見られたもの(10%以上の症例で見られたもの、Grade を問わず)は、疲労(16%)、発 熱(12%)、悪心(10%)、関節痛(10%)であった。Grade 3又は4の症状はイマチニブ抵抗性例 の18例(18%)に見られ、最も多いものは貧血(4%)、血小板減少症(3%)であった。重度の発 熱はイマチニブ不耐容の1例のみで認められた。肝、腎及び心筋酵素の異常はほとんど見られな かった。プロトロンビン時間の異常が投与前の凝固異常として最も多く見られ、イマチニブ抵抗 性の15例(15%)に認められたが、イマチニブ不耐容例では見られなかった。

2.8.3 薬剤の曝露

治験薬の投与量・投与期間を表 2.8-6に示す。

表 2.8-6 治験薬の投与量・投与期間

イマチニブ不耐容 イマチニブ抵抗性 合計

N = 8 N = 99 N = 107

平均1日投与量 中央値 68.0 115.0 108.0 (mg/日) 最小 - 最大 47.0 - 112.0 38.0 - 192.0 38.0 - 192.0

Dose intensity 0 - 90% 8 (100) 54 (54.5) 62 (57.9)

> 90 - 100% 0 34 (34.3) 34 (31.8)

> 100% 0 11 (11.1) 11 (10.3)

投与期間(月) 中央値 8.79 8.28 8.28 最小-最大 4.83 - 11.99 0.20 - 12.88 0.20 - 12.88 3ヵ月以下 0 17 (17.2) 17 (15.9) 3 - 6ヵ月 1 (12.5) 11 (11.1) 12 (11.2) 6ヵ月超 7 (87.5) 71 (71.7) 78 (72.9) データ締切日:観察期間が8ヵ月以上になった時点*

投与開始から投与終了までの投与期間の中央値は8.3ヵ月であり、平均1日投与量は108 mgで あった。67例は投与継続中である。

治験薬の用量変更について表 2.8-7に示す。

*新薬承認情報提供時に置き換え

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