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Story 連邦最高裁裁判官による法廷意見

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第四章 コモン・ロー・憲法・商業

4. Story 連邦最高裁裁判官による法廷意見

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正されつつ継受され、連邦裁判所は州裁判所と調和することを強いられ、州の法が維持さ れていくものとされる。

加えて、United v. Hudsonなど、合衆国憲法では規定されていない、コモン・ロー上の 刑事犯罪の管轄権(jurisdiction)が問題となった判例(United States v. Hudson. 11 U.S.

(7 Cranch) 32など)を挙げ、この問題の背景には、コモン・ローが継受されたのかどう

か、管轄権の源、判決準則としてコモン・ローが存在しているのかどうかという一般的な 問題が存在していたと指摘される。諸州と同様に、連邦の判例法理の基礎においてもコモ ン・ローが存在すると想定される必要があり、裁判所の判決は管轄権が存在すると主張さ れる根拠とともに存在すると見なされていたとする。そして、ケントの『アメリカ法釈義』

やストーリーの『合衆国憲法釈義』における植民地時代以来のコモン・ロー継受の歴史を 指摘した部分を引用しながら、コモン・ローの継受の問題が様々な著者たちに論じられて おり、本件でも、この問題を考察する必要があると指摘される。続けて、同じくストーリ ーのコモン・ロー継受論を引用し、コモン・ローの継受について合衆国憲法や制定法にお いて必ずしも明確に規定されてはいないものの、憲法はコモン・ローの存在を前提とし、

文言の解釈においてはコモン・ローに依拠しなければならないとの論が紹介される。

他方で、ヴァージニアや他州での憲法批准会議での議論に触れながら、制定法なしには、

コモン・ローは連邦の判決準則となり得ないものとし、連邦レベルのコモン・ローが判決 準則となるのを制限しようとする被告側の議論も展開されている。

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そこで、ストーリー裁判官は、ニューヨーク州の判例法理を考察する。390

「ニューヨーク州の判例では、例えばWarren v. Lynch事件のように、既存債務は、先行 する当事者と同様に、為替手形の善意の所持人に裏書きされた為替手形に記載されている 額を請求する権原を付与するのに十分な有価約因であると判示している。そして、この法 理は、ケント大法官によっても、Bay v. Coddimgton事件において確認されており、また、

『アメリカ法釈義』第三巻講義 44 においてもこの法理は展開されている。他方で、裁判 官の中には様々な意見が存在し、既存債務は有価約因を構成しないとの意見の裁判官もお り、既存債務では不十分であるとの判決もある。少なくとも、現在の時点では、ニューヨ ーク州の判例が最終的に確定しているとは言えない。」

その上で、ストーリーはニューヨーク州の判例法理とは無関係に、一般商事法という独 自の法領域を設定する。

「だが、ニューヨーク州の判例法理が完全に確定しているとしても、ニューヨーク州の 判例法理が一般商事法(general commercial law)において確立された原理と異なる場合、

連邦最高裁を拘束するのかどうか考慮されなければならない。ニューヨーク州裁判所はそ の判決を地域の制定法や実定的な(positive)、確立した、または古くからの地域的慣行

(local usage)によって基礎づけることなく、その法理を商事法の一般的原理から導き出 している。他方で、1789年裁判所法第34条は、連邦裁判所が、州裁判所の判決にそれが 適用される事件すべてにおいて従うことを義務付けているルールであるとの主張がなされ ている。その論拠として、裁判所法第34条における「法(laws)」の文言が、州裁判所の 判決をその意味の中に含めることが不可欠となる。通常の言葉の使用では、裁判所の判決 が法(laws)を構成すると主張されることはほぼない。判決は、せいぜい法が何であるか の証拠であって、それ自体は法では無い。判決は、それに欠点があったり、誤っていたり、

不正確であるとされる際には、しばしば裁判所自体によって再調査され、変更され、限定 される。州の法は通常、州の立法部によって制定された準則や制定法か、法としての力を 有する長く定着した地域の慣習を意味するものと理解されている。これまで連邦最高裁が 下してきた判決でも、裁判所法第 34 条は、厳密に地域的である州法、つまり、州の実定 的な(positive)制定法、および、地域の裁判所で採用されたその解釈、および不動産(real estate)に対する権利、権原のような恒久的な地域性を有する物に対する権利、権原、そ の他、その性質上、動かすことができず(immovable)、地域限定的な事項にのみ適用が なされることができると、一様に考えられてきた。裁判所法第 34 条は、州裁判所が連邦 裁判所と同様な機能を果たす場合、すなわち、契約や証書の正しい解釈が何であるか、当 該事件を規律する、商事法の原理によって提供される正しい準則とは何であるかを、一般 的類推あるいは法的類推に基づいて確認する場合、通常の契約やその他の証書の解釈、特 に、一般商事法の問題など、地域の制定法や、定着して恒久的に適応されている地域の慣 習に依拠することのない、より一般的な性質を持った問題に対して適用され、適用するよ うに意図されてきたものとは想定されていないのである。裁判所法第 34 条は、その正し

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い趣旨や解釈に基づけば、地域の制定法や先ほど述べた性質を有する地域の慣習にのみ適 用され、商業的な性質を持った契約や証書には適用されないと述べることに何らの困難も 無く、その正しい解釈や効果については、地域の裁判所の判決ではなく、商事法学

(commercial jurisprudence)の一般的原理や法理において求められることになる。疑い も無く、商事法の州裁判所の判決もまた最大限の配慮や敬意を受けることになるが、州裁 判所の判決が連邦最高裁の判断を拘束し、規律することになるような実定的な準則や確定 判決となることはないのである。流通証券に関する法が、大部分において、単一の国では なく、商業的世界(commercial world)の法であるということは、キケロの言葉であり、

マンスフィールド卿によっても、Luke v. Lyde事件391 において採用されている。

それ故、我々の目の前にある本件の問題について、商事法から導き出される正しい帰結 について我々の意見を示す必要がある。当裁判所は、流通証券に適用されることができる 前述の一般的な準則の意味において、既存債務は有価約因を構成すると述べることに何の ためらいもない。自己より前の取引について善意の流通証券の所持人は、それを有価約因 の対価として、取引やビジネスの通常の過程(in the usual course of trade and business)

において受け取れば、自己より前の当事者間の人的抗弁(equities)に影響されることは ない。既存債務の支払い(payment)または担保(security)としてそれを受け取ること は、取引やビジネスの通常の過程として認められている行為でもある。そして、新規購入 の際の担保ばかりではなく既存の債務の支払いや担保のために流通証券を移転できること は、流通証券の信用、循環(circulation)をできるだけ広く可能にしたい商業社会の利益 や便宜に適っている。債権者は、再建の実現・担保を容易にして、長期的信用の供与を可 能にし、また、法的執行を先延ばしにすることができる。債務者もまた、流通証券をその 価値と等しい現金に変えることができる。しかし、(既存債務が有価約因を構成せず)流通 証券が既存債務の支払いや担保において、自己に先行する当事者間のあらゆる人的抗弁が 許されるとなると、そのような証券の価値や流通は消え、債務者は高率の割引で証券の譲 渡を強いられることになる。そのような法理は、アメリカや外国の銀行取引の半分以上を 占めている流通証券の割引業務に致命的な打撃を与えることになる。

この問題は、連邦最高裁に何度も提起されているが、流通証券が所持人に譲渡された原 因である債務が既存債務であれ、譲渡時点での契約であれ、所持人の契約についてなんら 違いは無いと一貫して判示している(Coolidge v. Payson, 2Wheat. 66,70,73、Townsley v.

Sumrall, 2 pet 170,182)。イングランドにおいても同じ法理は、一貫して支持されている

(Pillans v. Van Mierop, 3 Burr. 1664)。

Pillans and Rose v. Van Mierop事件は、本件よりも遥かに厳しい事件であるが、マン

スフィールド卿は、同事件において、為替手形を引き受ける単なる約束が為替手形の振出 前になされ、既存債務の弁済のために振出がなされた為替手形が引受人を拘束するとの判 決を下し、392 信用状(letter of credit)への類推(筆者注:引受の約束として類推)

から、将来において支払われることになっている金銭に対してと同様に、既に支払われた 金銭に対しても信用状が与えられてよいとし、その引受の効果を肯定した。それ以後、

Smith v. De witt. & Ryl事件やDe la Chaumette v. Bank of England事件でのアボット 首席裁判官(Lord Abbott)の傍論のように、傍論において反対が述べられることはあっ たが、一般的準則の意味の範囲内において、既存債務が所持人を保護するに足る有価約因

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