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Si K 吸収端前後での XIS のレスポンス予想

ドキュメント内 thesis.dvi (ページ 152-155)

XISDL

7.8 Si K 吸収端前後での XIS のレスポンス予想

Si K 吸収端前後で、X 線の平均吸収距離が不連続に変わるため、CCD のレスポンスは不連 続に変わると予想される。 しかし、Si K 吸収端より高エネルギー側に関しては、これまで取得 した SES の実験データでは統計不足7でかつ、非分散光と区別ができないため、Tail に十分精度 のあるスペクトルを得ることは難しい。また、Si K 吸収端より上のエネルギーでは、Si Escape イベントが起こり、Escapeによって生じた Si 蛍光輝線がCCD で検出されると、ちょうど Tail の部分に重なってしまうため、実験的にはTail成分を分離することが非常に困難である。

しかし、シミュレーションでは、Escape 確率を0にして Tailに対する Siイベントの影響を 除去することができ、また、各イベントが吸収された位置を特定することができるため、Tail 成 分がどの層のイベントで構成されているかをはっきりと示すことができる。

そこで、1.74 keV1.90 keV の単色 X 線に対するシミュレーションを行った。シミュレー トした光子数は、それぞれ、384000168000個である。図7.98、図7.99に、それぞれのエネル ギーに対する、Split させる前の各層別のスペクトル、表7.7 に各層のイベントの割合を示す。

All Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=101,N=364366

Depletion Layer Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=111,N=361477

Channel Stop Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=121,N=1625

Partial Absorption Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=131,N=659

Field Free Region Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=141,N=605

7.98: Si K (1.740 keV) での Split させる 前の各層別スペクトル

All Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=101,N=125272

Depletion Layer Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=111,N=118328

Channel Stop Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=121,N=4300

Partial Absorption Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=131,N=2644

Field Free Region Events 1

10 10 2 10 3 10 4 10 5

200 400 600

ID=141,N=0

7.99: SiK吸収端より上のエネルギー(1.90keV)

での Split させる前の各層別スペクトル

CCD 各層 空乏層 チャネルストップ Insulator 中性領域

1.740 keV 361477(99.21%) 1625 (0.45%) 659(0.18%) 605(0.17%)

1.900 keV 118328(94.45%) 4300 (3.43%) 2644(2.11%) 0 (0.00%)

7.7: 1.740 keV1.900keVX線が光電吸収された層

これまでの定性的な議論を定量的に裏付ける結果となった。すなわち、Si K 吸収端前後で は、平均吸収距離が大きく変わることによって、各層でのイベント数の割合が不連続に変わる。

7グレーティングをSi K吸収端にBlazeされたSXに変えて測定することを計画している

7.8. SiK 吸収端前後での XIS のレスポンス予想 136

SiK 吸収端の下では、ほとんどが空乏層で吸収される(7.98、表7.7 )が、7.5 節で見たよ うに、Split 閾値によってPH の再現を失敗したイベントが Tailを構成する(7.100 参照)。一 方、Si K 吸収端の上のエネルギーでは、チャネルストップや Insulator でのイベントが Tail 成 分を作る。

Si K Simulation (All Grade Spectrum) 1

10 10 2 10 3 10 4

100 200 300 400 500 600

ID=4202,N=331117

7.100: SiKの全Gradeを足し合わせたスペクトル( )と、Splitさせる前のスペクトル( ) を重ね合わせたもの。Splitさせる前は鋭い Gaussianであるのが、各 Pixelに電荷を分配後、中 心部分が低くなり、470 { 500 ch付近に大きな Tailを持つようになる。

また、Grade 分岐比を 表7.8 に示す。

エネルギー Grade Ratio [%]

[keV] Grade 0 Grade 2 Grade 3 Grade 4 Grade 6 Grade 7

1.740 keV 69.7 13.6 6.5 6.5 3.3 0.1

1.900 keV 88.0 5.3 3.0 2.9 0.5 0.0

7.8: 1.740 keV1.900 keVGrdae 分岐比

7.8より、平均吸収距離の違いは、Grade6の分岐比に明確に反映されている。すなわち、

Si K の方が CCD のより深い層で吸収される確率が高いので、拡散によって電子雲が大きくな り、1.90 keVと比べて、Grade 66 倍多い結果をもたらしている。また、Grade 7イベント は 1.90keV では作られなかった。

7.8.1 Si K

吸収端付近での

XIS

のレスポンスのまとめ

以上の結果をまとめると、

1. SiK吸収端のすぐ下のエネルギーでは平均吸収距離が長い(10m)ため、チャネルストッ プや Insulator 起源の Tail 成分は少なく、Split 閾値によって PH を正確に再構成できな

かったイベントと、空乏層下部や中性領域起源のイベントにより、Tailが生成される。

2. SiK吸収端のすぐ上のエネルギーでは平均吸収距離が短い(1.5m)ため、チャネルストッ

プや Insulator 起源のイベントにより Tail が形成される。中性領域に到達する光子はほと

んどなく、また電子雲の半径は最大でも1m 程度なので、3 Pixel23 Pixelにまたがった イベントにはなり得ず、そのため Grade 7はほとんど生じない。

また、Si K 吸収端の下のエネルギーでは、Split 閾値起因の Tailが、Si K 吸収端の上のエ ネルギーでは、チャネルストップに起因する Tail成分が存在するため、単一の Gaussian モデル によるt は望ましくない。このことは、図7.91 でも示されている。

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