第 2 章 固定具の固定精度検証用ファントムの開発
3.4 結果
3.4.3 Sensitivity,Specificity,及び Accuracy
3.4.3.1 Target Locating Systemによる頭部変位の検出及び分類
式(12)によって2999のTLS照合から求めた∆ は,平均,標準偏差,最大値がそれぞ れ0.76,0.51,5.0 mmであった.PTVマージンが1 mm,1.5 mm,及び 2 mmの場合に おいて,“more than X”の照合数はそれぞれ777,265,及び71であり,“X or less”の照合 数はそれぞれ2,222,2,734,及び2918であった.
図3-5に,PTVマージンが1 mm,1.5 mm及び2 mmにおける箱ひげ図を示す.t検 定では,すべてのPTVマージンにおいて,“more than X”と“X or less”に有意差があった
(p値<0.0001).また,“more than X”が“X or less”よりも圧力計で検出された頭部変位は 広範囲に分布していた.圧力計で検出された頭部変位において,“more than X”と“X or
less”の重なりがもっとも少ないのはPTVマージンが2 mmの場合であった.
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図3-5 PTVマージン毎の箱ひげ図.(a) PTVマージン = 1 mm,(b) PTVマージン = 1.5 mm及び (c) PTVマージン = 2 mm.すべてのPTVマージンにおいて“more than X”と“X or less”に有意差があった.
3.4.3.2 Sensitivity, Specificity及びAccuracyの算出
表 3-3に PTVマージンにおけるSensitivity,Specificity 及びAccuracyを示す.また,
図3-6にPTVマージンにおけるReceiver Operating Characteristic(ROC) Graphを示す.
PTVマージンが1 mm,1.5 mm及び2 mmの場合において,SensitivityとSpecificityの 差が最大となる点をしきい値とするYouden index 60) を用いると,しきい値とAccuracy は其々0.6mmと67%,1.1 mmと84%及び1.3 mmと89%であった.図3-7に圧力計によ る患者変位検出例を示す.図3-7 (a)は,周期的な呼吸性移動を検出した例である.また,
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図3-7 (b)は大きな変位が検出された例であり,数秒以内に最大1.5 mmほどの変位が生
じている.その時の最大速度は1.3 m/sであった.
表 3-3 PTV マージンが 1 mm,1.5 mm 及び 2 mm におけるしきい値,Sensitivity, Specificity,及びAccuracy.
PTVマージン 1.0 mm
しきい値 (mm) Sensitivity Specificity Accuracy
0.4 70 % 57 % 60 %
0.6 58 % 70 % 67 %
0.8 43 % 81 % 71 %
1.0 33 % 88 % 74 %
1.2 27% 92 % 75 %
PTVマージン 1.5 mm
しきい値 (mm) Sensitivity Specificity Accuracy
0.7 57 % 73 % 72 %
0.9 50 % 82 % 79 %
1.1 44 % 88 % 84 %
1.3 37 % 91 % 86 %
1.5 29 % 94 % 88 %
PTVマージン 2.0 mm
しきい値 (mm) Sensitivity Specificity Accuracy
0.9 69 % 81 % 80 %
1.1 63 % 86 % 86 %
1.3 63 % 89 % 89 %
1.5 52 % 93 % 92 %
1.7 51 % 95 % 94 %
Note: Sensitivityは,“more than X”において圧力計により算出された値が実際にX mmを 超えた(TP)ものが占める割合を示す.また,Specificityは,“X or less”において圧力 計により算出された値が実際にX mm以下(TN)となったものが占める割合を示す.
Accuracyとは,“more than X”において圧力計により算出された値が実際にX mmを超え た(TP)もの,及び “X or less”において圧力計により算出された値が実際にX mm以下
(TN)となったものが全体に占める割合を表す.
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図3-6 PTVマージンにおけるReceiver Operating Characteristic Graph(ROC).PTVマー ジンが1.0 mm,1.5 mm及び2.0 mmの場合のROC曲線において,SensitivityとSpecificity の差が最大となるしきい値とAccuracyはそれぞれ0.6 mmと67%,1.1 mmと84%及び 1.3 mmと89%であった.
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
0.0 0.2
0.4 0.6
0.8 1.0
Specificity (%)
Sensitivity (%)
1.0 mm
1.5 mm
2.0 mm
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図3-7 圧力計による患者変位検出例.(a) は呼吸による周期的な変位が検出された一
例で振幅は0.6 mmほどであった.(b) は大きな変位が検出された一例で最大1.5 mmほ どの変化があった.