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SAR学習データ (1000点)

理論モデル 教師データ

(1000点)

⑦ニューラルネットワーク近似関数

充分な学習回数を経て,SAR 学習データを理論モデル教師データに近似できるニューラ ルネットワークを近似関数として出力される。

⑧SAR 実データの近似変換

学習済のニューラルネットワーク近似関数を用いて正規化 SAR 実 Kennaugh 行列データ を MIMICS 理論 Kennaugh 行列データへ近似変換する。

Ⅷ-3 最近傍探索処理ツール

整数インデックス化した SAR 近似変換済 Kennaugh 行列,整数インデックス化した MIMICS 理論 Kennaugh 行列(9 つの独立エレメント)及び理論モデルシミュレーションの入 力値である各種森林パラメータから予めデータベースを構築する。9 次元座標におけるユ ークリッド距離を用いて,SAR 実 Kennaugh 行列と最も接近する MIMICS 理論 Kennaugh 行 列を検出し,対応する各種森林パラメータを出力させる最近傍探索処理ツールを開発した。

本処理ツールのフローチャートを図Ⅷ-2 に示す。

①入力データ

・探索の基準点となる SAR 近似変換済 Kennaugh 行列データ(9 つの独立エレメント) ・探索の対象点となる MIMICS 理論 Kennaugh 行列データ(9 つの独立エレメント) ・MIMICS 理論 Kennaugh 行列の属性としてのモデルシミュレーション入力値である各種

森林パラメータ

②正規化

MIMICS 理論 Kennaugh 行列データに対して,整合処理と同様に最小値と最大値を領域[-1,1]に入るようにスケーリングする。

③整数インデックス化

データ検索する場合,整数型 int のデータが浮動小数型 float と比較して検索効率が高 い。その為,浮動小数型 float データの有効桁数以下を切り捨て,定数(1,000,000)を乗 算して整数化した値を使用することとする。

④SQL データベース

SQL サーバー上に,整数インデックス化した SAR 近似変換済 Kennaugh 行列と MIMICS 理 論 Kennaugh 行列のデータベースを構築する。MIMICS 理論 Kennaugh 行列の属性として,

モデルシミュレーション入力値である各種森林パラメータをデータベースに登録する。探

整数インデックス化 整数インデックス化

SQLデータベースの構築

D A

D

逆正規化

SAR変換済 画像データ

MIMICS理論 モデルデータ

[-1, 1] 正規化

(理論モデルデータ) B C

探索基準点 (SARデータ) ユークリッド距離

・最近傍探索

・誤探索の回避 B C

拡張探索範囲 探索ボックス

危険域

安全域

検出森林 パラメータ データ

理論モデル 多重解

リスト

検索誤差 画像データ

検出 理論モデル

画像データ 理論モデルの

入力森林 パラメータ

図Ⅷ-2 ユークリッド距離による最近傍探索

索作業は,データベース上のインデックス検索作業と転換され,処理の高速化を図る。

⑤最近傍探索処理

SAR 実 Kennaugh 行列及び理論 Kennaugh 行列は,共に 9 次元インデックス座標で格納さ れている。ある 1 つピクセルの SAR データと最も類似する理論 Kennaugh 行列を検出する 作業は,9 次元インデックス座標系において,この SAR データの座標値を基準点として周 囲に座標値を持つ最も接近している理論 Kennaugh 行列を探索する最近傍探索作業となる。

探索の対象は MIMICS 理論 Kennaugh 行列である。

探索基準点となる SAR データを中心として,各座標方向へある一定の探索幅を設けた範 囲(ボックス)内に最近傍の MIMICS 理論データ点が存在する可能性が大きい。即ち,SAR 実データ周辺の局地範囲内に存在する点のみ探索の対象とする。そこで,全ての MIMICS 理論データを探索対象候補とはせず,ボックスに入った点を最近傍候補として絞り込むこ とができる。図Ⅷ-2 に示したように SAR データ点の周辺に A,B,C 及び D の 4 理論デー タ点が存在し,ボックスに入った A 点と B 点が探索対象候補となる。

絞り込まれた点に対してのみユークリッド距離を算出し,その中から距離最小の点を 選び,最近傍点とする。これによって,全点の総当り探索を行う必要がないために大幅 な速度の向上が見込まれる。

⑥誤探索の回避

マス目区切りのように探索幅を設けて探索範囲を絞る方法では,範囲を決定する際に単 純に座標値の加減算するだけでよいために少量の演算で済む。しかし,誤探索となるケー スがある。図Ⅷ-2 に示したように,点 C は点 B より探索基準点に近いが,探索範囲外で あるため探索対象から除外されることとなる。

このケースのような誤探索を回避するためにボックスにおける内接円の内側領域を「安 全域」,斜線部を「危険域」と定義する。安全域から最近傍点が発見されなくて危険域か ら発見された場合は,探索範囲をボックスの外接円まで拡張して再探索を行う。探索範囲 を拡張する前は点 B しか発見することができないが,拡張することによって点 C も発見で きるようになり,正しい最近傍な点が見つかる。

⑦逆正規化

この最近傍点の理論 Kennaugh 行列を元のスケールに戻して検出理論画像データとして SQL データベースに書き込む。

⑧出力データ

・検出理論画像データ

検出された最近傍点の MIMICS 理論 Kennaugh 行列データに探索基準点である SAR デ

ータのライン番号とピクセル番号を加えて出力する。

・検出誤差画像データ

最近傍点と探索基準点とのユークリッド距離を探索基準点と座標原点とのユークリ ッド距離で除算して検索の誤差率として出力する。誤差が小さい場合は,SAR 実デー タと理論モデルデータとの整合性が取れていることを意味する。誤差が大きい場合は,

モデルシミュレーションの入力データである各種森林パラメータの刻み幅及びミュレ ーションレンジを変える必要がある。

・検出森林パラメータデータ

検出された最近傍点の MIMICS 理論 Kennaugh 行列の属性として SQL データベースに 登録された各種森林パラメータに探索基準点である SAR データのライン番号とピクセ ル番号を加え,画像ファイルとして出力する。

・理論モデル多重解のリスト

最近傍探索で同じユークリッド距離を持つ最近傍な点が存在する可能性がある。こ の多重解となる点のライン番号とピクセル番号,及び各種森林パラメータの多重組 を記録するリストを出力する。

Ⅷ-4 現地植生調査

MIMICS モデルへの入力データを取得するため,また JPL/AIRSAR データによるバイオマ ス算出結果と比較するために 2002 年 11 月に計測対象である苫小牧国有林 196 林班におい て植生調査を実施した。196 林班は,昭和 32 年植栽のカラマツからなる林地面積 28.36ha の人工林である。航空写真ではほぼ一様な林層に見えるが,現地では多種の広葉樹の侵入 が見られ,場所によって混生率に若干差がある状態である。

現地調査は,この混生率に違いがある箇所を任意に選定し,各 0.1ha の調査プロットを 設定して行った。調査プロット位置を図Ⅷ-3 に示す。このうちプロット 1 と 2 は,196 林 班で平均的な混生率を持つ林層の箇所を,プロット 3 は比較的カラマツが優勢な箇所を,

プロット 6 は広葉樹の混生率が高い箇所を選定した。調査内容は,通常の毎木調査(樹高,

胸高直径等)の他に,立木位置の測量と樹冠形状の計測を実施した。また,林層の下部に ある下草に対しても調査を実施した。

Ⅷ-4-1 光波距離計測による立木の位置と樹高の計測

計測対象の 196 林小班にレーダ照射方向に合わせて 0.1ha(31.62m 四方)の調査エリア を設けた。光波距離計を用いて,立木の正確な位置と樹高を計測した(図Ⅷ-4)。同時に 立木の胸高直径及び樹冠の東西南北の広がりを計測した(図Ⅷ-5)。ここでプロット 1 を 1 例としてその調査結果を示す。プロット 1 エリアの立木は合計 84 本であった。その内 訳はカラマツが 64 本であり,広葉樹が 24 本で混生率 28.57%である。立木の樹冠

「胆振東部森林計画区第 2 次国有林野施業実施計画図」

(北海道森林管理局,2001)より 航空写真

図Ⅷ-3 現地調査プロット位置図

率は 86.8%であった。立木の位置と樹冠の平面投影を図Ⅷ-6 に示した。図Ⅷ-7 に示した ようにカラマツの平均樹高は 15.05m で,樹高の標準偏差は 1.86m であった。3 シグ マの変化範囲は 12.26m~17.84m である。図Ⅷ-8 に示したようにカラマツの平均胸高 直径は 19.73cm で,胸高直径の標準偏差は 4.69cm であった。3 シグマの変化範囲は 12.70cm~26.77cm である。広葉樹の 3 シグマ樹高の変化範囲は 6.94m~16.75m であ り,3 シグマ胸高直径の変化範囲は 7.61cm~17.30cm であった。上述の変化範囲をモ デルシミュレーション範囲の目安とした。

Ⅷ-4-2 下草調査

立木の光波計測と同じエリアで潅木及びシダに代表される下草に対して調査を実施し た。潅木の樹冠率は 56.7%であった(図Ⅷ-9)。シダの樹冠率は 75.5%であった(図Ⅷ-10)。

尚,0.1ha 標本調査によってカラマツ以外の針葉樹が殆ど存在しないこと,広葉樹の 混合率が第Ⅳ章の画像上の分類結果(25.3%)とほぼ一致することが確認できた。

Ⅷ-5 バイオマスの検出処理

現地調査で得られたカラマツのパラメータに下草を加えて表Ⅷ-1 に示したモデルシミ ュレーションの入力パラメータを作成した。計測対象とする 196 林班のカラマツ林が同じ 樹齢を持つ人工林である為に立木の平均分布密度など一部の森林パラメータを固定した。

カラマツの基本樹形が変化しない仮定において樹冠の厚さ,幹の中点直径及び幹の高さに 1 2

3 6

1 2 3 6

図Ⅷ-4 立木位置計測の写真

図Ⅷ-5 樹冠広がり計測の写真

図Ⅷ-6 196 林小班のプロット 1 エリアにおける立木の位置及び樹冠率マップ

図Ⅷ-7 196 林小班のプロット 1 エリアにおけるカラマツ樹高のヒストグラム カラマツ樹高ヒストグラム(196林班)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25

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