3.3 実験結果
3.3.1 RF 電力依存性
図 3.4:RF電力とスパッタリング電圧,電流の関係
図 3.5:RF電力と成膜レートの関係
0 100 200 300 400 500 300
400 500 600
0.6 0.8 1
Voltage Current
RF Power (W)
D C S p u tt e ri n g V o lt a g e ( V ) S p u tt e ri n g C u rr e n t (A)
0 200 400
0 10 20 30 40
RF Power (W)
D e p o s it io n R a te ( n m /m in )
RF電力に対する基板の抵抗値分布を見るため,各RF電力で作製したGZO膜のシー ト抵抗分布を測定した.RH2= 0.1,T-S間距離:120 mmにおいて,RF電力を0~500 W まで変化させたときに得られた GZO 膜のシート抵抗分布を図 3.6 に示す.膜のシート 抵抗はRF電力:0 Wのとき,ターゲットのエロージョン直上に相当する中心から20~
40 mmの位置において,中心部分と比較し3桁以上高い値となる.RF電力:100~300 W
では,RF電力の増加と共にエロージョン部分のシート抵抗は減少し,300 Wで最も低い シート抵抗値になる.この時のエロージョンのシート抵抗値は中心部分とほぼ同じ値で ある.さらにRF電力を増加すると膜全体の抵抗値が増加することがわかる.一連のRF 電力の変化で,RF電力:0~300 Wにおいて,中心部分のシート抵抗はほとんど変化が 見られていない.
図 3.6:RF電力を変化させた場合のシート抵抗の面内分布
−50 0 50
10
210
410
610
80W 100W 200W
300W 400W 500W
Location of Substrate (mm)
S h e e t R e s is ta n c e ( Ω /s q .)
得られた膜の中央部分における透過率の分光特性を図 3.7に示す.すべての条件で作 製した膜において,可視光領域では膜の厚みによる干渉が見られる.干渉の違いは成膜 時間を一定としたことで,成膜レートの違いにより膜厚の差としてあらわれたものであ る.RF電力:0~300 Wで作製した膜の透過率はほとんど変化が見られず,400 W以上
において500 nm以短の透過率が減少する傾向が見られる.また,近赤外領域において,
400 WまではRF電力の増加に伴い透過率が減少するが500 Wでは若干上昇している.
この時の各 RF 電力における基板を含む可視光領域,および近赤外領域の平均透過率を 表 3.2にまとめる.
RF電力に対するシート抵抗および透過率の変化から,RF電力が300 W以下の領域に おける比抵抗の減少は,RFプラズマによりキャリア密度,および移動度の増加である可 能性を示している.また,400 W以上では,膜の透過率において短波長側に吸収が見ら れることから,RFプラズマにより過剰に還元が進むことで酸素空孔が過剰となり,有効 なキャリアを生成できないこと,また金属としての Zn が発生することなどが考えられ る.
(a) (b) 図 3.7:RF電力を変化させた場合のターゲット直上のGZO膜の透過率
:(a) 紫外 - 可視 - 近赤外,(b) 紫外 - 可視
500 1000 1500 2000 2500
0 20 40 60 80 100
Wavelength (nm)
Transmittance (%)
0W 200W 300W 400W 500W 100W RF Power
300 400 500 600 700 800 0
20 40 60 80 100
Wavelength (nm)
Transmittance (%)
0W 100W 200W 300W 400W 500W RF Power
表 3.2:可視光および近赤外領域の平均透過率
RF Power (W)
Average Transmittance (%) Visible wavelength range
(400 - 800 nm)
Near Infrared wavelength range (800 - 2500 nm)
0 81.3 81.8
100 83.7 83.2
200 80.3 78.5
300 83.6 80.0
400 71.6 75.9
500 71.9 79.2