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第 4 章 腫瘍集積性 RBD を用いた音響化学治療の試み

4.3 結果

4.3.1 RBD と超音波の併用での抗腫瘍性

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(2)RBDと超音波の併用での抗腫瘍性

RBDを投与して超音波を照射したマウス腫瘍の成長曲線を図4.8に●で示す。縦軸は治療 前の腫瘍体積を1とした相対腫瘍体積、横軸は超音波照射後日数を示す。比較のため、無処 置(▲)、超音波を単独で照射した場合(■)の成長曲線も示す。

腫瘍径が1 cm程度まで成長したマウスは、無処置では日数の経過と共に腫瘍体積が増加

し、5日で約3倍まで成長した。超音波照射単独では、無処置と比較して若干成長スピードは 遅いものの、照射後5 日で腫瘍体積は約 2倍に増加した。一方RBDと超音波を併用した場 合は、照射後2日まで腫瘍体積は変化せず、3日後から若干増加したが、照射5日後の腫瘍 体積は照射前の1.3倍程度であり、無処置、超音波単独照射と比較して腫瘍の成長が抑制さ れる傾向がみられた。

次に、RBDを投与して超音波を照射したマウス腫瘍形態の写真を図4.9に示す。比較のた め超音波を単独で照射した場合のマウス腫瘍の形態も示す。超音波を単独で照射したマウス 腫瘍では形態的な変化は特に観察されなかった。一方で、RBDを併用した場合は、超音波の 進行方向(図4.9写真に垂直な方向)に沿って、腫瘍が壊死している様子が観察された。超音 波の進路周囲の腫瘍は生き残っている様子が観察された。

続いて、RBDを投与して超音波を照射したマウス腫瘍組織をHematoxylin-eosin(以降、HE)

染色後に偏光顕微鏡で観察した写真を図4.10に示す。比較のため無処置のマウス腫瘍の写 真 も 示 す 。 無処 置 で は弱 拡 大 (b1)で も 強拡 大(b2) で も 腫 瘍 組 織 に 特有 の 全 体 的 に

Hematoxylin による濃青紫色での染色の傾向が見られた。一方で RBD と超音波の併用では

弱拡大(a1)で組織全体が Eosin によるピンク色で染色されており、また、強拡大(a2)では

Hematoxylin によって濃青紫色で染色された核の濃縮が見られ、広くネクローシスが生じてい

ることが示唆された。

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4.8 マウス腫瘍の成長曲線

各プロットは超音波照射前を1とした場合の相対腫瘍体積。平均値±標準偏差。n=3。

▲:無処置、■:超音波単独照射、●:RBDと超音波。腫瘍細胞はマウス大腸癌 Colon26、RBD

投与量は10 mg/kg、RBD投与6時間以上経過してから超音波を照射。超音波の照射条件は周波

0.5 MHz1.0 MHzを各強度15 W/cm2で重畳し、1分照射30秒休止の3セット。

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4.9 超音波照射7日後のマウス腫瘍形態の典型例

左は RBD 投与後超音波照射、右は超音波単独照射。腫瘍細胞はマウス大腸癌 Colon 26、RBD の投与量は10 mg/kg、RBD投与6時間以上経過してから超音波を照射。超音波の照射条件は周 波数0.5 MHz1.0 MHzを各強度15 W/cm2で重畳し、1分照射30秒休止の3セット。

4.10 超音波照射24時間後のマウス腫瘍組織のHE染色写真の典型例

a1:超音波+RBD;弱拡大、a2:超音波+RBD;強拡大、b1:無処置;弱拡大、b2:無処置;強拡大。

腫瘍細胞はマウス大腸癌Colon26、RBDの投与量は10 mg/kg、RBD投与6時間以上経過してか ら超音波を照射。超音波の照射条件は周波数0.5 MHz1.0 MHzを各強度15 W/cm2で重畳し、

1分照射30秒休止の3セット。HE染色。

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