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ドキュメント内 ファイル保管庫2012 Speech Agora (ページ 76-85)

バランスの良い発音を

身につけよう!

是非この「発音記号」にも注目してみてください。発音は耳で「聞く」ことによって習得するのが一番ですが、

中々難しいものですよね。発音記号の一つ一つの「息」「歯・舌の位置」を理解することは、発音上達の助け になります。そこで、第1章では発音記号の解説をしていきます。

本題に入る前に・・・

これが発音記号ね!

1)母音(vowels)について

  音は、肺から出される息を口の中のどこかで妨害することで色々な音に変化します。母音は、その妨害が 76

少なく、比較的自由に息が通って行く音です。では、母音の音の違いはどのようにして出来るのでしょう か?その要因は、唇の丸め、舌の上下位置(口の開き具合)、舌の前後位置の3つで、図示したものが図1に なります。この図は、右を向いている人の横顔(向かって左側)で、前述の3つのポイントでどのような音に なるかを表しています。そして、この3つとは別に、短母音と長母音の区別として、舌の緊張の有無がありま す。

  ①唇の丸め

  ②舌の上下位置(口の開き具合)

  ③舌の前後位置   ④舌の緊張の有無

が音の変化の要因ですね☆まず、これらについて解説してから、それぞれの音の説明をします。

図1

front/ central/ back

→口中の先・真ん中・奥

close/ close-mid/ open-mid/ open

→口の開き具合

閉じる、少し開ける・閉じる、開ける

「唇を前に突き出し丸めるか否か」を表します。丸めるものを円唇母音(rounded)、そうでないものを非円 唇母音(unrounded)と呼びます。図で言うと、2つの記号が「・」を挟んで隣り合っているペアの右側にある ものが円唇母音です。e.g.) /y/, /u/, /o/…

又、前舌(後述③で説明します)の非円唇母音では、唇は横に広げるようにします。

舌の上下位置

「口をどれだけ開けるか」を表します。図で言うと、closeやopenの部分です。なぜ口の開き具合を図示し ているのに舌の上下位置という分類をするかと言うと、口を開ければ開けるだけ下の位置は下がり、閉じると 上がっていくという関係があるからです。つまり、closeでは舌は上顎に近づき、openでは下顎に近づいてい きます。広母音(低位)、狭母音(高位)という呼び方をします。

舌の前後位置

「舌のどの位置を盛り上がらせるか」で、図ではfrontやbackで表されています。例えば、front(前舌)

では舌の先の部分が高くなり、back(後舌)では舌の根の部分が高くなります。(舌の詳しい位置は図3を参 照)

舌の緊張

「舌を緊張させるか否か」を表します。舌を緊張させて発音する(tense)と緊張を緩めて発音する(lax)の2 種類に分けられ、前者が長母音、後者が短母音となります。

以上の4つの組み合わせで母音は作られます。次に、母音の種類を見ていきましょう!

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短・長母音 発音 記号

唇の丸め 舌の

前後位置

上下位置 緊張 単語例

/i/ 非円唇 前舌 狭母音 緊張 beat, mean,

peace /ɪ/ 非円唇 前舌 広めの狭母音 弛緩 bit, pin,

fish

/e/1 非円唇 前舌 半狭母音 緊張

/ɛ/ 非円唇 前舌 半広母音 弛緩 bet, pen,

men /æ/ 非円唇 前舌 狭めの広母音 弛緩 bat, man,

gas

/a/2 非円唇 前舌 広母音 緊張

/ə/3 非円唇 中舌 中央母音 弛緩 the, apply,

famous

/ɑ/ 非円唇 後舌 広母音 弛緩 palm, hot,

pot

/ʌ/ 非円唇 後舌 半広母音 弛緩 cut, touch,

blood

/ɔ/ 円唇 後舌 半広母音 弛緩 hall, fault,

thought

/o/4 円唇 後舌 半狭母音 緊張

/ʊ/ 円唇 後舌 広めの狭母音 弛緩 book, put, should

/u/ 円唇 後舌 狭母音 緊張 boot, fruit,

blue

1 一部辞書では/ɛ/の代わりに用いられる。又、短母音としてではなく、二重母音(後述)で使われることが多い。

2 /e/同様、二重母音で使われることが多い。

3 この音は曖昧母音と呼ばれ、はっきりとした音は出さないようにし、聞こえにくかったり、脱落(後述)されたり

二重母音

これは、2つの母音を別々に発音するのではなく、前の母音を発音しながら後ろの母音の音を作るようにしま す。

/e ɪ/

bay make eight

/a ɪ/

kite buy bite

/ɔ ɪ/

boy oil choice

/o ʊ/

old open load

/a ʊ/

now house down

以上が英語で使われる母音の一覧です。辞書やテキストによっては違う記号が使われている場合もありますが、

ここに挙げた分類を知っておけば対応できると思います。又、少ないですが三重母音もあります。これは二重 母音と要領は同じです。そして、母音の後にrがつくものは、二重母音のように、母音に続けて後述するrの音 を出すようにします。

2)子音(consonants)について

 次は子音です。母音のところでも言いましたが、音は息を妨害することで変わります。子音はこの妨害を、

「どこで」「どのように」するかが大事になります。この「どこで」を調音点、「どのように」を調音法といいます。

この2つを表したのが図2です。縦に並んでいるのが調音法で、横が調音点です。又、声帯(図3参照)の振 動の有無により、有声音・無声音の区別があります。振動があれば有声音で、無ければ無声音です(図でペア になっているものの左が無声音、右が有声音)。それではまず、調音法と調音点について説明していきます。

図2

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調音法(記述内で「どこか」とあったら、調音点(後述)を意味します)

a) 破裂音(plosive)

口の中のどこかに閉鎖を作りそこに空気をため、息を一気に出します。1回で息を出し切ってしまうため に、この音を出し続けるのは不可能です。

b) 鼻音(nasal)

息を口からではなく、鼻から出すものです。感覚的には、息を出している時に鼻に少し振動を感じられ ます。口からは息を出さないようにします。

c) 摩擦音(fricative)

口の中のどこかを狭めて、そこに息を擦るようにして出します。

d) 接近音(approximant)

口の中を狭めますが、摩擦を起こすほどでもなく、母音に近い音で、半母音とも呼ばれます。

e) 側面接近音(lateral approximant)

口の中央部分を閉鎖し、息を舌の両脇から出すようにします。

f) 破擦音(affricate)

図には載っていませんが、破裂音と摩擦音をほぼ同時に出す音です。

調音点

図3は発音で使う場所を表していますが、調音点は1~6・14(声門)です。また、下唇・舌のことを調音体 と言います。a) 調音点と調音体の組み合わせで、調音点での音の名称が決まります。

b) 下唇と上唇=両唇音(bilabial) c) 下唇と上歯=唇歯音(labiodentals) d) 舌尖または舌頂と上歯の裏=歯音(dental) e) 舌頂と歯茎=歯茎音(alveolar)

f) 舌尖または舌頂と後部歯茎(硬口蓋歯茎)=後部歯茎音(硬口蓋歯茎音)(post alveolar) g) 前舌と硬口蓋=硬口蓋音(palatal)

h) 後舌と軟口蓋=軟口蓋音(velar) i) 声門のみ=声門音(glottal)

j) 両唇音と軟口蓋音を調音点とする=両唇軟口蓋音(labial-velar) ※図には掲載していません

3)英語の子音(有声無声・調音点・調音法)

/ /

無声・両唇・破裂音 pay

/ /

有声・両唇・破裂音 bad

/ /

無声・歯茎・破裂音 ten

/ /

有声・歯茎・破裂音 day

/ /

無声・軟口蓋・破裂音 cat

/ /

有声・軟口蓋・破裂音 get

/ /

声門・破裂音 (後述)

/ /

有声・両唇・鼻音 my

/ /

有声・歯茎・鼻音 know

/ /

有声・軟口蓋・鼻音 sing

/ /

無声・唇歯・摩擦音 fine

/ /

有声・唇歯・摩擦音 voice / / 無声・歯・摩擦音 think / / 有声・歯・摩擦音 that

/ /

無声・歯茎・摩擦音 sink

/ /

有声・歯茎・摩擦音 zone

/ /

無声・後部歯茎・摩擦音 she

/ /

有声・後部歯茎・摩擦音 usual

/ /

無声・声門・摩擦音 head

/ /

無声・後部歯茎・破擦音child

/ /

有声・後部歯茎・破擦音 joke

/ /

有声・歯茎・接近音 right

/ /

有声・歯茎・側面接近音 light

/ /

有声・硬口蓋・接近音 you

/ w /

有声・両唇軟口蓋・接近音 wet

以上が英語で使われる子音の一覧ですが、

/ /

は見たことのない人がいるかと思います。これは、イギリスの ロンドン方言のコックニーで使われる音で、日本語の「あっ」の「っ」のように詰まったような音です。主に、

/ /

の代わりに使われます。betterが「ベッアー」やbutterが「バッアー」のようになります。

~おまけ~

ここでちょっとイギリス英語の話をしたいと思います。TOEICを受けたことがある人は実感しているかと思 いますが、アメリカ英語とイギリス英語ではかなりの違いがあります。日本の英語教育はアメリカ英語主体な ので、イギリス好きやイギリスに留学していたというような人以外は、イギリス英語を聞くと違和感を感じる のではないでしょうか。でも、イギリス英語は日本人に馴染みのある発音をしているのです。少し例を挙げて 見てみましょう。(米=アメリカ、英=イギリス、カ=カタカナ)

last (米)/læst/ (英)/lɑ:st/ (カ)/ラスト/

hot (米)/hɑt/ (英)/ hɔt/ (カ)/ホット/

上の2例を見ればわかるように、カタカナ英語はイギリスの発音に近いものになっています。そして日本人 にとって一番助かるのは、日本人が苦手と言われているrを発音しないことです。そしてさらに、アメリカ では/t/はよく音変化を起こしますが、イギリスでは起きません。この二つの組み合わせの例を挙げると、

letterは「レター」、waterは「ウォーター」と言っても大丈夫ということになります。

 ちなみに発音に関係ないですが、牛肉をbeef、豚肉をporkって言いますよね。なんで、cowやpigじゃ ないのか。それは、beef, porkはフランス由来でフランス支配時代に定着した言葉なんだそうです^^「へぇ

~、発音関係ない情報いらんのだけど」って方のために一つ耳寄り情報!イギリス英語を聞くには、「ハ 82

リー・ポッター」がお勧め。すぐDVD手に入りますし、是非!!

図3

名称

1. Lip (唇) 12. Oral Cavity (口腔)

2. Teeth (歯) 13. Pharynx (咽頭)

3. Alveolar ridge (歯茎) ここに声門(glottal)と声帯があります 前部歯茎と後部歯茎に分けられます 14. Larynx (喉頭)

4. Hard palate (硬口蓋) 15. Nasal cavity (鼻腔)

5. Soft palate (velum) (軟口蓋)

6. Uvula (口蓋垂)

7. Tip of the tongue (舌尖)

8. Blade of the tongue (舌頂)

9. Front of the tongue (前舌)

10. Back of the tongue (後舌)

11. Root of the tongue (舌根)

ドキュメント内 ファイル保管庫2012 Speech Agora (ページ 76-85)