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PJM における電力自由化

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第 6 章 結論

B.2 PJM における電力自由化

PJM(Pennsylvania,New Jersey,Maryland)は、5州(ペンシルバニア州、ニュージャー ジー州、メリーランド州、バージニア州及びデラウェア州)およびワシントンDCを 対象とした米国北部地域における独立系統運用機関であり、また卸電力市場の管理等 を行う機関である∗∗

∗∗ 経済産業省資源エネルギー庁 電力・ガス事業部:海外諸国の電力改革の現状と制度的課題(2001).

1927年に電力会社3社によって世界初の電力プールが形成され、1993年にPJMが 独立主体として設立された。1998年1月には、PJMはPXの管理運営を兼務する独立 系統運用機関(ISO:系統運用を電力会社から独立して行なう主体)化し、同地域の電 力会社の系統運用機能が移管される。

PJMで取引されている発電源の種類について、図B.1に示す。図より、PJMで取引 されている発電の多くは石炭火力発電(32%)であり、次に石油火力発電が25%と多 く、また原子力発電も22%を占めている。

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図 B.1: PJMにおいて取引されている発電源の構成

PJMは、北米最大の電力システムの運用を行っており、電力自由化後も順調に新規 の発電所建設が行われており、また地域内の発電能力も十分に確保されている。

PJMでは、供給指令の主体としてISOが存在し、従来型の電力会社の小売部門は、

他の新規参入小売事業者と同様にLSE(Load Serving Entity)という位置付けになっ ている。また、電力会社の発電所の売却を勧告せずに、事業者の判断に委ねている。

PJMでは、上記の機関以外に他の自由化した州と同様にIPP、MP(Merchant Plant)

といった発電事業者、新規参入の小売事業者が存在する。

LSEに対し必要発電容量の確保を義務づけている。具体的には、各LSEはそれぞれ の需要家分の需要予測に一定の予備率を負荷した量の設備容量を確保しておく義務が 課せられている。違反した場合は、罰金が科せられることになっている。この容量は、

自社電源の建設や発電事業者との相対契約及びPJM容量クレジット市場での容量クレ ジット取引という形で調達することが可能である。また、各発電事業者の側では、自 ら保有している発電設備の容量を、クレジットという形態で各LSEに割り振り、市場 価格ベースの対価を得ることができる。

ISOであるPJMが電力取引所(PX)の機能を兼任しており、プール市場を解さな い取引も容認される任意のプール市場になっている。市場参加者は、長期相対取引や OTC(Over The Counter)で取引されるフォワード取引により、価格変動リスクをヘッ ジすることができる。電力会社は、発電設備の売却を強制されていないことから、自

己供給することも可能である。取引シェアを図B.2に示す。

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図 B.2: PJMにおける取引シェア

PJMでは、まずプール市場への入札結果に基づき、送電制約を一切考慮しない単純 な需給曲線による需給マッチングを行う。次に相対契約も併せてスケジューリングを 実施し、送電線に混雑が発生すれば、その解消のために給電計画を修正する。送電制 約が存在する場合には、送電に制限を受ける前提でその地点の需要を満たす最も効率 的な発電設備の組み合わせを割り出し、利用される発電設備のうち最も高い限界費用 がその地点のLMP(Locational Marginal Price)となる。PJMでは、2,000地点を超 える系統内のすべてのノードでLMPが算定される。これは、ノーダルプライシング方 式と呼ばれるモデルである。具体的には、送電線混雑が生じない場合、すべてのノー ドのLMPは均一となり、混雑費用は発生しない。送電線混雑費用が発生すると、地点 毎にLMPの価格差が生じ、その地点間の差額が送電線混雑費用として徴収される。こ の混雑費用が上乗せされることにより、混雑が発生している送電線を利用して送電を 行うことが経済的に見合わなくなり、他の電源からの送電に振り返られ、混雑が調整 される。この方式により発生する混在料金徴収のリスクに対し、前述の金融的送電権 市場が保険的な役割を果している。

PJMは、関係する事業会社が出資する非営利の有限会社であり、必要となる運営費 も、年会費という形で民間事業者が支出する自主的な集合体である。日常の運営につ いては、自主的に各事業毎の委員会をはじめとする目的毎のグループで行われている が、重要案件については組織の最高意思決定機関である独立委員会により決定される。

独立委員会は、公生・中立である必要性から非利害関係者のみで構成されており、そ の委員は会員委員会の投票により選出する仕組みとなっている。

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