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NGO フォーラム

ドキュメント内 NGO 運動における「正当化」の社会学的考察 (ページ 95-112)

ハイリゲンダム G8 サミットか ら COP13 を経て、洞爺湖サミッ トへの連続性として捉えてい る。

サミットでの決議を評価しつつも、

京都議定書の枠組みから是正点を指 摘した。

日本政府

ハイリゲンダム G8 サミットで の日本の方針の確認とそれのサ ミットの成果文書への良い影響 を期待するといういみでの連続 性を強調する。

ハイリゲンダム G8 サミットが気候変 動問題解決のためのプロセスを示し たことを評価し、それについて継続 的に議論することを主張した

表7-3からNGOと日本政府の共通点と相違点をあげてみると、共通点は、ハイリゲン ダムG8サミットの評価であり、相違点は、気候変動枠組み条約を意識するかしないかで

72 『ドイツ(ハイリゲンダム)サミット報告会報告書』より作成。

96 ある。

相違点はあるが、ハイリゲンダムG8 サミットからの連続性を意識して、気候変動問題 への政策的前進が両者によって強調されている。

こうした動向は、NGOフォーラムによる政策提言イベント京都シヴィルG8対話の開催 プロセスでも強く意識されていたことであった。ついでこの点についてみていきたい。

3-2. 環境NGO・G8諸国とその周辺

――京都シヴィルG8対話の開催プロセスとイシュー形成に着目して

ハリゲンダムサミットとの連続性は、前節でみたように、ハイリゲンダムG8 サミット 参加報告会でも確認できるが、そのほかにもNGOフォーラムの京都シヴィルG8 対話実 施担当者の継続的な活動にもその一端をうかがうことができる。

京都シヴィルG8対話を実施担当した中心メンバーA氏の回顧73から、京都シヴィルG8 対話開催に中心的な役割を果たした出来事として、2 つのプロセスがあることがわかる。

A氏は、洞爺湖サミットにおける京都シヴィルG8対話開催に関しては、1)過去のG8サ ミットでの市民参加プロセス74への参画と、2)環境問題に関する過去の運動経験との関連 について 次のように述べている。

1)過去のG8サミットでの市民参加プロセスへの参画について、2005年イギ

リス・グレンイーグルズ G8 サミット、2006 年ロシア・サンクトペテルブルグ G9 サミットへの参加といった「経験のなかで、気候変動問題の緊急性や市民運 動のインターフェイスの強化への関心を背景に、環境NGO だけではなく広範な ネットワークや、またシヴィル G8 対話を日本でも実現することが必要であると の認識を強め、日本での働きかけを開始しました」と、2005年以来の参加によっ て、日本での開催を意識したとしている。また、「翌年のドイツ・ハイリゲンダム G8サミットでは、4月の京都シヴィルG8対話や5月にはドイツ首相との対話に 参画しました。国内でのネットワークづくりと並行して、日本・外務省との交渉 も始まっていました。外務省の担当者は、ドイツに視察へ行き、ドイツ NGOフ ォーラムの関係者らと対話を行うなどし、G8 サミットで行われている市民参加 プロセスに対する理解を深めていったようです。特に代表のB氏の能力や人柄に 対して信頼感を持ったということは、その後、京都シヴィル G8対話が日本で実 現するときの推進力になったと考えています」とし、開催までの政府との交渉に ドイツNGOフォーラムとの連携が役立ったとしている。

2)環境問題に関する過去の運動経験との関連については、自然エネルギーの 世界的ネットワークの活動で、ドイツ NGO フォーラムの代表 B 氏との関係は、

73 200812月に行ったインタビューより(『2008G8サミットNGOフォーラムのキセキ』に収録 されている)。A氏は環境NGO・環境エネルギー政策研究所所属(当時)。言い回し・表記は本論の文脈 に合わせて適宜変更した。

74 A氏のいう、市民参加プロセスとは、本論文でいうグローバルな社会運動のことである。

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2004年の『ボン・自然エネルギー国際会議』の前後から続いていますし、その会 議ではキャンペーンを展開したり、会合に参画するなど経験を積んでいました。

そうした経験も踏まえて、2007年秋頃からシヴィルG8チームを作ろうという話 をはじめ、同時に外務省と交渉し、ファンドレイジング、招聘者の検討などをし ました。京都シヴィル G8 対話については、2008 年 1月頃にようやく政府連携 の形が見え始め、それからすぐにロジスティックス(会議準備)を行い、実現す ることができました」と、ドイツNGOフォーラムとの連携(特にB氏とのネッ トワーク)が京都シヴィルG8対話開催に役立ったとしている。

以上のA氏の語りからは、京都シヴィルG8対話開催のために、過去の運動経験との関 連75で次の2つの重要なプロセスを読み取ることができる。

①他の国際会議への参加:2005年グレンイーグルズサミット以来の市民参加プロセスへの 参加

②同じイシューの国際会議への参加:2004年「ボン・自然エネルギー国際会議」への参加

開催までのプロセスとして重要な出来事には 2つの流れがある。1つは、G8 サミット における市民参加プロセスへの参加と、もうひとつは、地球環境問題に関するほかの国際 会議への参加である。

A氏によれば、過去の G8サミットにおける市民参加プロセスへ参加することで、日本 での市民参加プロセスの構築への問題意識を養い、また、特にドイツNGOフォーラムと の連携を強めることができ、日本政府との交渉にも役立ったとする。また、ドイツ NGO フォーラムとの連携に関しては、2004年に開催された「ボン・自然エネルギー国際会議」

に参加することで、B氏との関係を強めていったとしている。

A氏の語りから読み取れる2つのプロセスは、開催にあたっての資源動員に加えて、京 都シヴィルG8対話の意味づけにも役立っている。それは、グローバルな社会運動への動 機づけである。A氏の発言の中で言及される過去の運動経験である「ボン・自然エネルギ ー国際会議」は、A氏が当時所属していた団体の自然エネルギーの普及・啓蒙に関する政 策提言を含む国際会議であった。それらとシヴィルG8対話というG8 サミットにおける 政策提言イベントのプロセスとを同時に経験していくことで、日本で京都シヴィルG8 対 話を開催しようと考えるに至っている。そしてその開催には、気候変動問題というグロー バル・イシューの普及と日本の社会運動の活性化という目的があったという76

以上のようなハイリゲンダムG8 サミットとの連続性についての動向から、次のことを 確認することができる。日本政府もハイリゲンダムG8サミットとの連続性をともかくも 意識していることをNGO フォーラムとして確認することで、サミットの連続性を意識化

75 過去の運動経験との関連を分析するために参照しうるものとして、ティリー(2008)、マッカダム

(1988)、クロスリー(2002a=2009)が挙げられる。

76 この点について、ドイツNGOフォーラムの代表B氏は、京都シヴィルG8対話が日本の市民社会に とってプラスに働いたと評価している。2008年4月24日に行ったインタビューより。

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して、フレーミングを行っていることである。また、NGO フォーラムの京都シヴィル対 話の開催プロセスには、環境運動の独自のプロセス理解が存在していた。ここでは環境問 題のなかでも気候変動問題に焦点が当てられることの重要性が確認され、NGO フォーラ ムのフレーミング前提として、サミットにおける重要議題としての気候変動問題が論点と して取り入れられていることが見られる。

こうしたプロセスを経て、サミットプロセスを意識化していっている。次は、そのほか のイシューでサミットプロセスとの関わりについてどのようになっているのかについてみ ていきたい。

3-3. 気候変動問題以外のイシューに関して――サミットプロセスの意識化

ここでは、NGO フォーラムの環境ユニット以外の2つのユニット、すなわち貧困・開 発ユニットと人権・平和ユニットの政策提言活動の担当者へのインタビューからG8 サミ ットとの関わりについてみていきたい。

貧困・開発ユニットの政策提言担当のC氏は、次のようにG8サミットと市民社会との かかわりについて述べる。

2005 年英国グレンイーグルズ G8 サミット以来、G8 諸国に対する市民社 会の取り組みの比重が、「粉砕アプローチ」から「提言・改良アプローチ」を 重点化する方向に変わってきました。GCAPはそうした中で結成されました。

G8主催国の市民社会の役割とは、傍観を決め込むことでも、現実のG8の政 治と関係ないところで単に反対するということでもありません。G8で打ち出 される政策に問題があればできる限り改善を図り、途上国の人々にとって益 になりうる政策が打ち出されそうならば、その方向を拡大するという形で、

世界の人々に対して責任を果たしていく必要があります。貧困・開発問題で は、2004年モントレー国連開発資金会議の決議であるGNI比0.7%の援助の 実現を要求しつつ、短期的にもODAや適応基金の増額を訴えています。

イギリスで生まれたネットワーク組織であるGCAPを指摘して、それらがG8サミット における政策提言型の運動であり、そうした方向性が 2005 年以降強まっているという認 識を示している。本論文の中でMPHの例を紹介したが、MPHはGCAPの連携組織であ る。

ついで、日本でのイシュー形成について独自の活動を行ったことについて述べている。

2007年11月、高村外相(当時)は政策演説を行い、国際保健に関してG8 で「共有された行動指針」を作る、と表明しました。これを実現するために G8保健専門家会合が設置されました。NGOフォーラム保健医療ワーキン グ・グループは、この動きに対して、最大限のインプットを行いました。各 国のNGOと連携しながら、市民社会として入れてほしい政策を整理し、政 府のさまざまなチャンネルにアプローチしました。また、NGOは、G8の保

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