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Lattice 構造

ドキュメント内 ii PHITS (ページ 119-122)

3.6 粒子の表式

4.6.4 Lattice 構造

番号201の立方体には水が入っており、FILL=2を用いることにより、セル番号101中の格子一つ一つが水 で満たされることになります。4行目でセル番号1をuniverse 1で満たした領域として定義しており、これ が一辺12cmの立方体であることから、本例題の仮想空間は図24の様になります。左図が3次元的に見た 立体図で、右図がこれをxz平面で切り取った断面図です。図を見てわかる様に、同じ四角柱が全部で9つ 並んでいます。これらは、universe 1においては高さが無限大ですが、セル番号1の領域がy軸方向にも制 限されているため、結果的に有限の高さをもつ四角柱となっています。もし、有限の高さをもった四角柱

をlatticeの基本単位としたい場合は、例えば面番号23, 24による領域の制限を5行目で加える必要があり

ます。

0 5 10 15 20

0 5 10 15 20

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

z [cm]

x [cm]

water

(-1,-1,0) (0,-1,0) (1,-1,0) (-1,0,0) (0,0,0) (1,0,0) (-1,1,0) (0,1,0) (1,1,0)

図24: 例題(6)の空間を立体的に見た図(左)とこれをxz平面で切り取った断面図(右)。各格子は、中に示 された座標によって区別される。

図24の右図で示した様に、各円柱にはlattice座標(s,t,u)がふられており、各々の領域がセル番号101 の中のどれであるかを区別できるようになっています。ただし、この座標は必ずしも通常の座標(x,y,z)と は対応しておらず、単位格子を定義する際の面の順番で決まります。すなわち、図23の左図において、辺 2→1の方向がs、4→3がtの方向となります。残りのuの向きは、s,tと同様にセル定義文の順番で決定さ れます。例題(6)の5行目では、z軸方向、x軸方向の順番で定義しているため、sはz軸、tはx軸に対応付 けがなされています。実際に図24の右図でも、zが増える方向にsが増加し、xが増える方向にtの値が増 えていることがわかります。各タリーにおいてmesh=regにより領域指定する場合は、(201 < 101[-1 0 0] < 1)の書式を用います。これは“セル番号1を満たすセル番号101のlattice座標(−1,0,0)に含まれて いるセル番号201の領域”という意味です。この書式に関しては5.1.2節をご参照ください。なおlattice座 標(s,t,u)は、[t-gshow]タリーにおいてoutput=7 or 8を指定することで表示させることができます。

次の例題は六角形(LAT=2)のlattice構造を利用した場合です。

List 4.16

[cell]セクションの例題(7)

1: [ M a t e r i a l ] 2: mat[1] 1H 2 16O 1 3: [ C e l l ]

4: 1 0 11 -12 13 -14 15 -16 FILL=1

5: 101 0 -31 32 -33 34 -35 36 -24 23 LAT=2 U=1 FILL=2 6: 201 1 1.0 -90 U=2

7: 2 -1 #1

8: [ S u r f a c e ]

9: 11 PX -6

10: 12 PX 6

11: 13 PY -6

12: 14 PY 6

13: 15 PZ -6

14: 16 PZ 6

15: 23 PY -2

16: 24 PY 2

17: set: c1[2]

18: 31 PZ [ c1*cos(pi/6)]

19: 32 PZ [-c1*cos(pi/6)]

20: 33 P 1 0 [ 1/tan(pi/3)] [ c1]

21: 34 P 1 0 [ 1/tan(pi/3)] [-c1]

22: 35 P 1 0 [-1/tan(pi/3)] [ c1]

23: 36 P 1 0 [-1/tan(pi/3)] [-c1]

24: 90 BOX -10 -10 -10 20 0 0 0 20 0 0 0 20

17∼23行目で正六角形をつくるための面の定義を行っています。これらを組み合わせると、xz平面で見た 場合に正六角形となり、y軸に垂直な六角柱となります。ここで、正六角形の一辺の長さを2cmとし、こ れをc1として定数定義しています。また、組み込み定数であるpi(円周率π)および面記号PZ, Pを用い て、60度ずつ回転した平面を定義しています。Lattice構造の基本格子は5行目で定義しており、セル定義 文中の面番号の順番は図23の右図にある数字の通りとなっています。ただし、最後に面番号23, 24による y軸方向の制限を加えています。したがって本例題では、高さが4cm、一辺が2cmの六角柱を無限に並べ

た宇宙がuniverse 1となります。各六角柱には6行目で定義したuniverse 2が入っており、実質的には水で

満たされたセル番号201が入っていることになります。4行目で、先の例題と同様に、セル番号1の領域を

universe 1で満たしており、本例題の結果は図25となります。左図が立体図、右図がこれをxz平面で切っ

た断面図です。左図からわかる様に、六角柱が詰められたuniverse 1から立方体の領域だけを切り取った形 状になっています。また、y軸方向にも3列が並んでおりますが、その高さは揃えられており、いわゆる3 次元のハニカム構造はつくりません。右図では各領域にlattice座標(s,t,u)が付けられています。図を見て わかる様に、sは左から右、tは左下から右上に向かって増加しており、これらはやはり5行目のセル定義 文のところに並べる順番に依存します。図23の右図において、辺2→1の方向がs、4→3がtの方向となり ます。uについても同様で、面番号24→23の順番であればy軸方向に、23→24であれば−y軸方向にuの 値は増加します。各タリーにおいてmesh=regにより領域指定する場合は、(201 < 101[-2 0 0] < 1)の 書式を用います。これは“セル番号1を満たしたセル番号101のlattice座標(−2,0,0)に含まれているセル 番号201の領域”という意味です。この書式の詳細は5.1.2節をご覧ください。なおlattice座標(s,t,u)は、

[t-gshow]タリーにおいてoutput=7 or 8を指定することで表示させることができます。

0 5 10 15 20

0 5 10 15 20

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

z [cm]

x [cm]

water

(-1,-2,0) (0,-2,0) (1,-2,0) (2,-2,0) (3,-2,0) (-1,-1,0) (0,-1,0) (1,-1,0) (2,-1,0)

(-1,0,0) (0,0,0) (1,0,0)

(-2,0,0) (2,0,0)

(-2,1,0) (-1,1,0) (0,1,0) (1,1,0) (-2,2,0) (-1,2,0) (0,2,0)

(-3,2,0) (1,2,0)

図25: 例題(7)の空間を立体的に見た図(左)とこれをxz平面で切り取った断面図(右)。各格子は、中に示 された座標によって区別される。

ドキュメント内 ii PHITS (ページ 119-122)