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計算打切エネルギー、切り替えエネルギー

ドキュメント内 ii PHITS (ページ 37-40)

3.6 粒子の表式

4.2.3 計算打切エネルギー、切り替えエネルギー

表8:パラメータ3

パラメータ 値 説明

emin(1) (D=1.0) 陽子の計算打切エネルギー(MeV)。

emin(2) (D=1.0) 中性子の計算打切エネルギー(MeV)。

emin(i) (D=1.0) (i = 3-10)パイオン、ミューオン、ケイオンの計算打切

エネルギー(MeV)。粒子番号iは表4を参照。

emin(11) (D=2.0) その他の粒子の計算打切エネルギー(MeV)。

emin(i) (D=1.e+9) (i = 12-14)電子、陽電子、光子の計算打切エネルギー(MeV)。

粒子番号iは表4を参照。

emin(i) (D=1.0) (i = 15-19)重陽子、トリチウム、3He、アルファ粒子、原子核の 計算打切エネルギー(MeV/u)。これらの粒子のエネルギーは核子 あたりのエネルギー。粒子番号iは表4を参照。

esmin (D=0.001) 荷電粒子のrange計算の最小エネルギー(MeV/u) esmax (D=300000) 荷電粒子のrange計算の最大エネルギー(MeV/u) cmin(i) (D=emin(i)) i-th粒子の核反応計算打切エネルギー(MeV/u)

これ以下のエネルギーの核反応は無視する。

i = 15-19 これらの粒子のエネルギーは、核子当たり

dmax(i) (D=emin(i)) i-th粒子のライブラリー利用の上限エネルギー

これらのパラメータで各々のエネルギー領域に制限を与える際は、下限の場合はその値以上、上限の場合 はその値未満となります。したがって例えば、emin(1)で陽子の計算打切エネルギーの上限値を与えた場 合、丁度その値のエネルギー(デフォルトだと1.0MeV)をもつ陽子は計算打切とはなりません。

emin<energy<dmaxの範囲がライブラリーによる計算になります。emindmaxとすれば、ライブラ リーを用いた計算をしません。陽子、中性子、光子、電子のライブラリーの上限は、現在のところ、それぞ れ3GeV、3GeV、100GeV、10GeVです。

荷電粒子のrange計算において、esmin<energy<esmaxの範囲でrangeテーブルを作成して計算します。

より小さい、もしくは、より大きなエネルギーを取り扱いたい場合に設定して下さい。通常はデフォルトの ままで計算を行います。

荷電粒子の計算打ち切りエネルギーeminをesminよりも小さくすることはできません。その場合、emin は自動的にesminの値に修正されます。

表9:パラメータ4 パラメータ 値 説明

ejamnu (D=20.) 核子のBertiniモデル(もしくはJQMD)から JAMへの切り替えエネルギー(MeV/u)

ejampi (D=20.) パイオンのBertiniモデルからJAMへの切り替えエネルギー(MeV) eisobar (D=0.0) isobar=1の時のisobarモデルの上限エネルギー(MeV)

eqmdnu (D=20.) 核子のBertiniモデルからJQMDへの切り替えエネルギー(MeV) eqmdmin (D=10.0) JQMD適用の下限エネルギー(MeV/u)

ejamqmd (D=3500.0) 原子核反応のJQMDからJAMQMDへの切り替えエネルギー(MeV/u)

inclg (D=1) 核反応モデルとしてINCLを使用する。

=0 INCLを使用しない。

=1 陽子、中性子、パイオン、軽イオン(d,t,3He,α)が関与する核反応で INCLを使用する。

=2 陽子、中性子、パイオンが関与する核反応でINCLを使用する。

einclmin (D=1.0) INCLが適用されるの下限のエネルギー(MeV/u)。

einclmax (D=3000.0) INCLが適用されるの上限のエネルギー(MeV/u)。

incelf (D=0) 核子が関与する核反応モデルとしてINC-ELFを使用する。

=0 INC-ELFを使用しない。

=1 INC-ELFを使用する。

eielfmin (D=1.0) INC-ELFが適用されるの下限のエネルギー(MeV)。

eielfmax (D=3500.0) INC-ELFが適用されるの上限のエネルギー(MeV)。

irqmd (D=0) 核反応モデルとしてJQMDかJQMD-2.0を使用する。

=0 JQMDを使用する。

=1 JQMD-2.0を使用する。

Kerma (D=0) Kerma計算に関するオプション。

=0 このオプションを使用しない。

=1 中性子や陽子の核データを用いた計算において、陽子以外の 荷電粒子の生成を無視します。

d,t, α原子核を輸送している場合、eqmdmin以下のエネルギーではJQMDによる原子核反応をさせませ ん。低エネルギーでのJQMDの適用には限界がありますし、通常の物質中ですと低エネルギーでは飛程が 短いので核反応を考慮しなくても影響は小さいです。

高エネルギーの原子核反応は、デフォルトで3.5GeV/uで、JQMDからJAMQMDモデルへと切り替わり ます。この切り替えエネルギーをe jamqmdで変えられます。核子入射反応でも、eqmdnu, e jamnu,とこの

e jamqmdの値を調整すれば、JAMQMDモデルで計算することも可能です。

INCL (Intra-Nuclear Cascade of Li`ege)は、核子、パイオン、軽イオン入射反応を記述する核反応模型です。

バージョン2.50から、明示的に模型の選択を行わない場合、これらの入射粒子の反応に対しては基本的 にこの模型が使用されるようになりました。もし、本模型を用いて得られた結果を発表する場合は、必ず下 記文献9を引用してください。

INC-ELF(Intra-Nuclear Cascade with Emission of Light Fragment)は軽イオン生成機構をもつ核反応模型で

す。核子(陽子、中性子)が入射反応の時に使用できます。本模型を用いて得られた結果を発表する際は、必

ず下記文献10を引用するようにしてください。

9A. Boudard, J. Cugnon, J.-C. David, S. Leray, and D. Mancusi, Phys. Rev C87, 014606 (2013).

10Y. Sawada, Y. Uozumi, S. Nogamine, T. Yamada, Y. Iwamoto, T. Sato, and K. Niita, Nucl. Instr. & Meth. B 291, 38-44 (2012).

JQMD, JQMD-2.0は核反応を記述する模型で、特に重イオン入射反応を記述するのに優れています。バー ジョン2.7以降は、それまで使われていたJQMDに加えて、JQMD-2.0も選択できるようになりました。

JQMD-2.011 はJQMDを改良し、反応の記述をより合理的にした模型で、周辺衝突反応の扱いが特に改善

されています。ただし核反応の計算にかかる時間が2倍程度長くなります。

Nucleon ᰾䝕䞊䝍 INCL (inclg=1) JAM

(1MeV) emin(i)

(=emin) dmax(i)

(3.0GeV) einclmax

Pion INCL (inclg=1) JAM (1MeV)

emin(i)

Nucleus JQMD JAMQMD (d, t, 3He, α) INCL (inclg=1)

(10MeV/u) eqmdmin

(3.5GeV/u) ejamqmd

Kaon, Hyperon JAM (3.0GeV)

einclmax

図6:核反応モデルの切り替えエネルギー

11T. Ogawa, T. Sato, S. Hashimoto, D. Satoh, S. Tsuda, and K. Niita, Phys. Rev C92, 024614 (2015).

4.2.4 時間カット、ウエイトカット、ウエイトウインドウ

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