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第6章 組織でのeラーニング活用

6.4 LMS のあり方:導入から活用

整えている.これらはいずれも瑣末な機能ではあるが,学習者のモチベーションを高揚させるには必 要な仕組みである.

6-11 CCSの自学自習トップメニュー画面(学生用)

第4に学習成果の共有である.教員ユーザに対して,LMSの利用価値やeラーニングの効果が共 有されなければならない.CCSではシラバス入力から成績登録までの通常業務にも利用するので,全 教員がアクセスするシステムである.定型業務だけにとどまらず,LMS機能やeラーニングをいかに全 学へ展開するかが課題である.そのため,図6-12にあるように,自分以外の教員がどれほど自学自習 を使っているかを見えるようにしている.この画面から新着設問や人気設問を一瞥でき,e ラーニング の利用者に向けた情報を提供している.そして,実際にどれだけ学生に利用されたかという実数も示 されるので,教員が学習させたエビデンスにもなっている.さらに,組織的活動を逐次評価するデータ として,学部ごとに学生の到達度が表示される.

LMSを教員間で組織的に利用する最も大きな価値は,全学生の学習データをDBに集積して多面 的に活用できる点にある.いくつもの科目で得られた学習データをDB でつなげることから,学生一人 ひとりの状況をより詳しく把握することができるようになる.上述の事例ではここまでを LMS で実施し た.

6-12 CCSの自学自習トップメニュー画面(教員用)

さらにLMSに望まれるのは,経営サイド向けにLMSのログイン数や学習総量などを常にチェックで きるようにすべきである.数値として可視化できている指標なので,大学の CIO はこのようなデータの 推移に注意を払うべきであろう.

最後に,今後のLMS のあり方について言及する.将来的にLMS は一授業のプロセスだけを網羅 するのでなく,全教育課程における学修支援機能を持たせることが求められる.すなわち,授業だけ

で利用するだけでなく,学生の教育プロセスに関わるすべての情報をマネジメントするシステムへと進 化させる必要がある.具体的には,学生を取り巻くさまざまな情報をリンケージさせることである.例え ば,自学自習システムは CCSの一機能なので,履修者名簿から学習データを把握することができる.

また,自学自習から学習者の GPA データを参照可能である.これらは教学系システムと連動している ことから実現できる.授業だけでなく,学生の周辺データ(例えば,入学情報,キャリア情報,資格取 得・課外活動・留学などの正課外の活動)を扱えるようにすれば,大学教育における ERP(Enterprise Resource Planning)が実現できる.