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3。40 0.81

26

3.08 0.75

24

1.39

統制感Me勧n

 L群 SP

    N

2.75

α99 25

2.69 0.83

24

0.19

 まず「統制感」H群における「他者からの受容感」H群と:L群と の平均の差を検定したところ、有意な差はみられなかった。また「統 制感」L群における「他者からの受容感」H群とL群についても、

有意な差はみられなかった。「統制感」H,L群のいずれにおいて も、「他者からの受容感」の高低間での内発的動機づけ得点には差 がみられなかった。

 また、同様に2つの要因が交絡したとみなし、2つの要因をそれ ぞれ完全に独立したものと捉えず、HH群, LH群,HL群, L:L 群の4タイプとして捉え、タイプ(群)ごとに内発的動機づけ得点 の平均と標準偏差を算出し、Table 13に示した。

 1要因4水準の分散分析を行ったところ、群の効果が有意であっ た。多重比較を行ったところ、内発的動機づけ得点はHH群が最も 高く、ついでHL群、 LH群となり、 LL群が最も低いという結果

となった。,

Table 13 各群ごとの内発的動機づけ得点の平均と標準偏差

HH群 HL群 LH群

LI」群   F値(dfヒ3/95)

Mean

SD N

3.40、

0.81

26

3.08、b

O.万

24

2.75b O.99

25

2.6%

0.83

24

 3.59*

(MSe=0.75)

        ※ H;高,L:低 HH群とは「統制感」高、「他者からの受容感」高を意味する         ※ 異なるアルファベットを付与されたものには5%水準で有意差がみられた

      * pく.05

2 マット運動の学習時に、実際に生徒が感じている統制感,他者から  の受容感,内発的動機づけ,好意度の実態

(1) 生徒が感じている統制感,他者からの受容感と内発的動機づけの   関係

   次に、実際に生徒が感じている「統制感」や「他者からの受容感」

  を求めた。まず生徒自身の反応した「統制感」「他者からの受容感」

  得点の平均を算出し(それぞれM=3.71;M=3.37)、・ぞ・れそれの平均   よりも高く反応している生徒を高(H)群、平均よぴも低く反応し

  ている生徒を低(L)群とし、HH群・LH群・HL群・LL群の

  4群に分類し(統制感,他者からの受容感の順)、Table 14に示した。

Table 14 各群にあてはまる生徒の人数と統制感,受容感得点の平均と標準偏差

HH群〔N=36) HL群{N=24} LH群(N=10} LL群{N=29n

統制感得点平均  4.53  51)      050 受容感得点平均  4.19  51)      0.40

4。42

a49

2.71

α61

2.90 α30 4.20 α40

238

0.72 2.62

a76

※ H:高,L:低 HH群とは「統制感」高、「他者からの受容感」高を意味する

 そして各群ごとに内発的動機づけ得点の平均と標準偏差を算出

し、1要因4水準(HH群、 LH群、HL群、 LL群)の分散分析

を行ったところ、有意な傾向がみられた。多重比較を行ったところ、

HH群はLL群よりも内発的動機づけ得点の平均が高い傾向がみら

れた(Table 15)。

Tab董e 15 各群ごとの内発的動機づけ得点の平均と標準偏差

HH群  LH群

HL群

LL群  F値(df」3/95)

Mean

S.Z)

N

3.42a    333曲 4.19   4.20 36 、  10

3.17。b 2.71

24

2.86b 2.62

29

 2.19†

(MSe=0.79)

      ※ H:高,L:低 HH群とは「統制感」高、「他者からの受容感」高を意味する       ※ 異なるアルファベットを付与されたものには5%水準で有意差がみられた

       † P<.1

 Table 16は、内発的動機づけ得点の全被験者の平均(M=3.19)をも・

とに、それよりも得点が高い生徒を高群とし、それよりも低い生徒 を低群として、各群の人数を表したものである。κ2検定の結果、

人数の偏りは有意であった(Z2=11.88, df=3, p<.01)。

Table 16 内発的動機づけ得点高群と低給における各群の人数

HH群

HL群 LH群 LL群

合計

内発的動機づけ   得点・高群

内発的動機づけ   得点・低群

26(18.9)

10(17.1)

13(12.6)

11(11.4)

4(5.3)

6(4.7)

9(15.2)

20(13.8)

52 47

※ 内発的動機づけ得点の平均(3.19)を基準に、平均よりも高い場合を高群、低い場合を低群とする

※  (   )内は期待度数

※ H:高,L:低 HH群とは「統制感」高、「他者からの受容感」高を意味する

Table 17 Table 16に関する調整された残差

HH群

HL群 LH群 LL群

内発的動機づけ得点・高群 内発的動機づけ得点・低群

2.97**

一2.97**

0.19

.0.19

一〇.84

0。84

2.76**

2.76**

※H:高,L:低HH群とは「統制感」高、「他者からの受容感」高を意味する        ** P<.01

 そこで残差分析を行ったところ(Table 17)、内発的動機づけ得点 高群ではHH群が期待度数より有意に多く、 LL群が有意に少なか

った。また内発的動機づけ得点低群ではHH群が期待度数より有意 に少なく、LL群が有意に多かった。

 以上の結果を総合すると、「統制感」も「他者からの受容感」も 高いタイプの生徒は、「統制感」も「他者からの受容感」も低い生 徒より、内発的動機づけ得点が高いといえる。

(2) 内発的動機づけ,統制感,他者からの受容感,好意度の関係   マヅト運動における内発的動機づけ,統制感,他者からの受容感,

 好意度について、それぞれの問の相関係数を求めた(Table 18)。

 Table 18・内発的動機づけ,統制感,他者からの受容感,好意度のそれぞれの間における相関 統制感 他者からの受容三 好二度 内発的動機づけ

統制感

他者からの受容感

57 .18

.42

.75

.48

.23

 この結果、内発的動機づけと好意度との間に強い相関がみられた。

また統制感と内発的動機づけ、統制感と好意度との間にそれぞれ中 程度の相関がみられたものの、他者からの受容感は統制感との間に

中程度の相関がみられただけであった。

3 「統制感」「他者からの受容感」に関する自由記述調査の結果  器械運動の各種目(跳び箱、マヅト運動など)について、「統剣感1」、

 「他者からの受容感」をどんなときに感じるか、それぞれ自由記述法  により書かせた。この結果を分類し、「統制感」に関することをTable  19に、「他者からの受容感」に関することをTable 20に示した。

 まずどんなときに「統制感」を感じるかについては、主として自分 の努力や練習に関すること、技術指導に関することがあげられていた。

一方どんなときに「他者からの受容感」を感じるかについては、周囲 の肯定的評価・励ましなどに関することがあげられていたものの、「統 制感」を感じるときと同様に、自分の努力や練習に関することがあげ

られていた。

Table 19 自由記述による、「統制感」を感じるときの内容 A 自分の努力や練習に関すること

   もうちょっとでできそうなとき…・………・… …    自分の努力や練習の成果…・… …………・……

   自信をもつ …………・……・・…………・・…

B 技術指導に関すること

   手本を見たとき、手本になったとき…………・丁…

   やり方、コツを伝授してくれたとき・・……・・……

  段階的な練習・・・… …・・・… …… ………

   楽しそうな技をするとき………・…・・…・・

C その他

  授業のよい雰囲気………・・………・…・・

   ほめられたとき ・・・・・・………・・・・・・…………・

  時間があればできそう ……・………・…・…・…

23 22 13 14

 6  2  1

6 1 1

Table 20 自由記述による、「他者からの受容感」を感じるときの内容 A 自分の努力や練習に関すること

   技を達成したとき ………・………・……・…・・26    努力しているとき ・… ………・… …・…・・ 5 B 周囲の肯定的評価・はげましなどに関すること

   ほめられたとき ・……・…………・………・…22

   アドバイスをしてくれたとき・・・・・・・・…………・・11    自分が手本になったとき………・…・……・…・・ 6    失敗したときにはげましてくれたとき………・・…  2 C その他

 ・ 授業のよい雰囲気・……・・………・・・・………・ 1

【考察】

 本研究の目的は、器械運動領域において「統制感」と「他者からの受 容感」が内発的動機づけに及ぼす影響について実験的に検討するととも に、どんなときに「統制感」や「他者からの受容感」を感じることがで きるかを質問紙によって把握することであった。

 まず「統制感」「他者からの受容感」がそれぞれ高い群、低い群を実 験的に操作し、それぞれの群における内発的動機づけの差について検討 することを試みた。

 「統制感」「他者からの受容感」への実験的操作について確認したと ころ、「統制感」への実験的操作については有効であったものの、「他、

者からの受容感」への実験的操作については有効でなかった可能性があ』

つた。そこで2つの要因への実験的操作がともに有効であったとみなし た場合と、2つの要因が交絡してしまったとみなした場合の2通りで分 析することとした。

 まず1つめとして、2つの要因への実験的操作がともに有効であった とみなして、内発的動機づけを従属変数とする2(統制感H・L)×2

(他者からの受容感H・L)の分散分析を行ったところ、「統制感」の 主効果がみられた。この結果から、「他者からの受容感」の高低に関わ

らず、「統制感」が高いほど内発的動機づけが高いといえる。

 次に2つめとして、2つの要因が交絡してしまったとみなして、「統 制感」のH:群とL群を独立させて、「他者からの受容感」H群とL群の 差を検討した。その結果、どちらにも有意な差はみられなかった。これ により「統制感」の高い状況では「他者からの受容感」が高くても低く ても内発的動機づけはあまり変わらず、「統制感」の低い状況において

も「他者からの受容感」の高低に関わらず内発的動機づけはあまり変わ らないといえる。ただしこの場合は「統制感」を独立させて分析したた め、「統制感」の高低の差については論じることができない。しかしこ の結果は、1つめの結果とほぼ同じであるといえる。

 また同様に2つの要因が交絡してしまったとみなして、2つの要因を

独立したものと捉えず、それぞれ4群(HH群、HL群、LH群、 LL

群)について、内発的動機づけ得点を従属変数とする1要因の分散分析

を行った。その結果、HH群が最も有意に高く、ついでHL群、 LH群 となり、LL群が最も低いという結果になった。これも1つめの結果と ほぼ同じであるといえる。

 以上の結果から、内発的動機づけに最も影響しているのはまず「統制 感」であり、この「統制感」が高い前提のもとで、さらに「他者からの 受容感」が高いほど内発的動機づけも高いといえる。これはFigure 8の 内発的動機づけの発現プロセスを支持したものであり、「統制感」が低 い状態のまま「他者からの受容感」を高めても、内発的動機づけへの効 果はあまりないと思われる。

 次に、実際にマット運動の学習時に生徒が感じている統制感,他者か らの受容感,内発的動機づけ,好意度の実態について検討したところ、

内発的動機づけが最も高いのは、やはりHH群であり、最も低いのは:L L群であることがわかった。しかしこの調査の中でLH群に該当する生 徒は10人であったが、その内訳をみたところ、このうち9人までの判 定が3(どちらともいえない)であった。この結果から推測するに、実 際には「統制感」が低く、「他者からの受容感」が高い生徒はほとんど いないと思われる。

 また内発的動機づけ,統制感,他者からの受容感,好意度のそれぞれ

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