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2組(33名)、1年3組(16名)、2年1・2組(24名)、2年

3組(14名)の中で、5月に行われた体力テストの結果を参考にし て、得点平均に差がない3クラスを選択した。

4 教材・教具

(1) インストラクション・シナリオ110〕

   実験セヅションのインストラクション時に、各群に対する教示を   統一するために、文章化したものである。これは、まず研究1で全  体的に低かった「学習の価値」について各群ともに同じ教示をした  後、それぞれの群での学習のしかたや学習カードの使い方などを一説∫

  明するようになっている。

(2) インストラクション・シナリオ211)

  実験セヅションにおける第7時の、行動次元での内発的動機づけ  の測定を行う際に、各群に同じ教示を行うため、授業の流れや教示  内容を文章化したものである。これは、強制されていない自由練習  場面での練習の仕方についてどの群にも同じ説明ができるようにな  ってい1る。

(3) スモール・ステップ学習カード12〕

  マヅト運動の技を学習する際に、それぞれの技について4つのス

10)資料m−1 参照 11)資料m−2 参照

12) 高橋・三木・長野・三上(1992)を参考にして作成 資料III−5・6・7 参照

テヅプを設け、段階的に練習することができるよう提示したもので、

統制群においてはそのまま使用し、実験群2において使用されるカ ードでは、練習する前に過去の経験からどれくらいできるか自己評 価させておき、授業の中で練習しながら、その都度二段階について、

「少しできる」「まあまあできる」「いつでもできる」と自己評価 させていった。これは自分の技の出来具合が、以前よりも少しでも 進歩したと確認できることを目的としている。さらに実験群1にお いては、実験群2で使用されるカードの内容に加え、授業の終わり に、生徒自身がその時間特に練習したり努力したりした点を書き加 えさせる欄を設けた。これは本人の努力帰属を実験群2よりもさら に促すことを目的としている。なお、各群ごとのスモール・ステヅ プ学習カードの例を、Table 11〜13に示した。

の 前 内       痴 F

開脚前転

 ゆりかごから開脚すわりができる  ・・・・・・・・・・・・・・…

@下り坂マットで開脚前転ができる  ・一・・・・・・・・・・・…

怺J脚前転ができる  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

@ を わ こ  前一ができる  ・・…  .・・・・・・・・・…

Figure l i. スモール・ステヅプ学習カードの例(統制群)

の 前 内       面

開脚前転 i    )

 ゆりかごから開脚すわりができる  ・・・・・・・・・・・・・・…

@下り坂マットで開脚前転ができる  ・・・・・・・・・・・・・・…

怺J脚前転ができる  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

@ を わ に  前一ができる  ・・・・・・・・・・・・・・…

Figure 12. スモール・ステヅプ学習カードの例(実験群2)

ゆりかごから開脚すわりができる ・   ■    ・   ● ・   ・   禽 ●   ●   ●   ● 且   ●   ●   ●   ●   ●

開脚前転 下り坂マットで開脚前転ができる ・    ●   ・   ●    ・ の   ● ・   鱒   魯    ・ 鱒   幽   鱒    ・   o   ・

●開脚前転ができる  ・ 虚   繭   ・   ■   ●   ●   ●   ●   ●       o   ● ・   ●   ・   ・ ●   8   ●   ・   ●   ・

を わ に  前一ができる …      ● ・   o   ■ ●   ●   ・   8 ・   ●   ■    ・   o   魯

〈授業後に書きましょう〉

 今日のマット運動の授業で挑戦した技の中で、最も満足できたのは何ですか。またそれはどんな点を特に   したり 力したりしましたか。そしてその のできばえはどうでしたか。

技の名前      1〈特に練習したり努力したりした点〉

一一(__.___..一.Σ_.⊥一__一一一.__一_一__一一_一._一一一__.一一一一一_.

できばえ  (とてもよくできた・まあまあできた・ふつう・あまりできなかった・できなかった)

Figure 13. スモール・ステヅプ学習カードの例(実験群1)

5 測定尺度

(1) 原因帰属測定尺度13〕

   この調査は、以下の2つのタイプの質問項目によって測定された。

   まずタイプAでは、実験群1に操作された、できた(できなかっ   た)原因を、自分の努力にどのくらい帰属しているかを測定するも  ので、各群の努力帰属の差を検討することを目的としている。これ  は事後テストと一緒に行われた。できた(できなかった)理由を、

 努力・能力・運・課題の困難さの4つについて、それぞれどのくら  い思ったか5段階で評定させた。

   ま一たタ・イブBでは、「毎時間授業が終わったあど」自分の練習し  た点とゾ技の上達具合の関係について、どの程度考えたか」という  努力帰属について5段階で評定させた。

(2) 内発的動機づけ測定尺度14}

  質問紙は、西田(1990)によって作成された体育における学習意欲

 検査(AMPET)をもとに、研究1で使用したものと同様に精選

 して21項目とし、内発的動機づけ測定尺度とした。この質問紙を  用い、体育分野全般とマヅト運動領域のそれぞれにおける内発的動  機づけを事前,事後で測定した。

(3) 統制感測定尺度15)

  岡沢ら(1996)によって作成された運動有能感測定尺度の下位尺度

13)資料m−15 参照 14)資料m−10・11 参照 15)資料m−12・13 参照

である統制感を測定するために引用した。統制感とは、「練習した り努力したりすればできるだろう」という気持ちを表すものである。

なお、もとの尺度では、この統制感に関する項目が4項目しかなか ったので、統制感を表す項目をさらに4つ増やした。新たに加えた 内容は、「努力しても、できない運動はできないものだと思います」,

「できない運動は、いくら練習してもできないと思います」(それ ぞれ逆転項目),「できる運動でも、練習すればもっとうまくでき るようになると思います」,「運動が上達する一番の方法は、練習 したり努力したりすることだと思います」の4項目であり、もとの 尺度の4項目とあわせて合計8項目を統制感測定尺度とした。

 この尺度も内発的動機づけ測定尺度と同様に、体育全般とマヅト 運動領域について、それぞれ事前,事後で測定した。

(4) 毎時間の統制感調査1

  毎時間終了後、感想や統制感に関する項目、ダミーなどを含めた1  質問項目から構成された統制感調査を行った。この統制感に関する  4項目は、「努力しても、挑戦した技はできるようにはならないだ  ろうと思った」,「できない技はどんなに練習してもできるように  はならないだろう」(それぞれ逆転項目),「練習をすれば、挑戦し  た技はうまくなるだろうと思った」,「少し難しい技でも、努力す  ればできるようになるだろうと思った」であった。この質問紙は、

 各個人の毎時間の統制感の変容を測定することを目的としている。

 また被験者に、統制感を測定しようとする設問の意図を容易に把握

16)資料皿一14 参照

されないようにするために、タイトルを「今日のマヅト運動の授業 についての感想」としたり、ダミー項目を加えたりした。

7 行動次元での内発的動機づけ測定

  実験セッションの第7時に内発的動機づけの程度を行動レベルで測  定した。方法は以下のように殺定した。まず授業中、授業者に急に用  事ができたとして授業の途中で退出し、その際自由に練習しておく場  面を15分間設けた。なお場面設定にあたっては、安全に配慮するた  め、呼びに来た他教科の教師に残ってもらった。この授業者がいない  15分間をビデオカメラで撮影し、生徒の行動を観察した。このよう  な強制のなされていない自由練習場面で出現する自発的な練習行動の

程度が内発的動機づけを反映していると仮定したものである。

  この時間中、マット運動に関する行動に従事した活動をマット運動 領域での内発的動機づけ行動として測定し、群間の差を検討した。こ の活動の具体的内容は、マット運動の技への挑戦回数及びマヅトの使 用された時間とした。

 また実験セヅション終了後の第8時に行われた連続技の発表会にお ける内容についても分析を行った17)。これはまず発表前に、提出する カードに発表する連続技3つと、それぞれの技に対応する選択得点を 書き込ませて教師に提出させる。教師は生徒の発表を、そのカードを もとに技の完成度や連続技のスムーズさについて評価するというもの である。これは生徒の選択得点が高ければ技の難易度が高い技を選択 していることを示し、それに伴う教師の評価が高ければ、生徒自身が

17)資料IH−9 参照

できる自信のある技を適切に選択しているといえる。

8 実験手続

本実験の手続きをFigure 14に示した。

・ 体力テスト(結果による群の振り分け)

【実験群1】      【実験群2】      【統制群】

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・ 内発的動機づけ測定 E 統制感測定

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