②
85
「
濃度が高 くなるとともに遅 くなった。無果皮種子の場合でも
,発
芽 日数 に対 して同様な NaCI濃 度の影響が認め られたが,種
子重 は平均発芽 日数に影響 しなかった。2.出
芽試験出芽率におよばす果皮の有無
,NaCi濃
度および種子重の影響を第 21図に示す.有
果皮種子はすべての処理区において出芽率が80%未満で
,種
子クラス①の5011M NaCl潅水区が73%で最高 であった。同一種子重クラス内でみると,NaCl濃
度が高くなるにつれて出芽率は低下 した。ま た,同一濃度の NaCl処 理間で比較すると,種
子重クラスが大きくなるほど出芽率が低 くなる傾 向があった。一方,無
果皮種子は,1 001nM NaCt溶液の潅水でも80%以
上の出芽率があり,1 00nlM以下の NaCl濃 度では出芽率に種子重間差異は認められなかった.
出芽 日数については第 18表 に示す。150mM以 下の NaCI濃 度では150耐③区を除いて有果皮
種子 と無果皮種子の出芽 日数に差があり
,無
果皮種子の方が 2.9日 (OIDM ③ 〜4.8日 (501Lll ③ 短かった。NaCI濃 度別に比較すると,有
果皮種子は01nM区で出芽まで平均 9,2日 要 し,無
果皮 種子の 5,4日 よりも3.8日長かった.有果皮種子のNaCl溶液での平均出芽 日数はそれぞれ50mM区 9,7日,1001「
M区
、10.0日,150mM区
10。 5日,200mM区
10.2日で,無
果皮種子よりそれぞれ 4.3日,3.9日 ,3.4日 ,1.8日
長かった。100mM区 および 150mM区 でもそれぞれ 3,9日 および 3.4日 長かった,無
果皮種子の出芽 日数に種子重は影響 しなかった。1.発
芽試験有果皮種子では
,NaCI濃
度およびMAN濃度が高 くなるほど,ま
た,種
子重が大 きくなるほど 察考
¬
3梓憔調
有 果 皮 無 果 皮
第21図果皮の有無:NaCI濃
度およぴ種子重がホウレンソウ̀グローリー'の出芽率におよぼす影響 潤 1992年10月24日播種.調査は播種14日後に行つた.∞引
②
微
F r
第18表 果皮の有無,NaCI浪度および種子重がホウレンソウ̀グローリー'の出芽 日数 におよぼす影響
50
有果皮 無果皮 有果皮 無果皮 有果皮 無果皮 有果皮 無果皮 有果皮 無果皮
8,4料 5.5
9.4帯 5.6
9.8帯
6.1
10。7・
7.1
11.5 8.5
9.1オキ 5.4
9.4・キ 5.3 10.2*準
6.2
11.1・キ 7.4 10,8 8.9
9.4帯 5.4 10.0料
5,3
9.9オ・ 5,9
10.0 7.6 8,0 8.1
9.3村 5.3
10.1・* 5.3
10.3・・ 6.1
10,5キ 7.0
9.8 8.3
9.6*・
5.3
9.7・・ 5.3
9,6ホ・ 6.0
10,1キキ 6.4 11,0
8,1
9,2(日)
5.4
9.7
54
10.0 6.1
10.5 7.1
10.2 8.4
100
200 150
注)帯
,■ は,有果皮と無果皮との間にt検定による有意差(1%15%)があることを示す.
88
発芽率は低下 した。門田(1942)は
,大
粒ほど発芽が悪 くな り,中
小粒が良 く,極
小粒はまた悪くなると報告 しているが
,本
実験では発芽能力を欠 く可台割生のある 6,lmg未 満 の極小粒種子 を 除外 して実験 したため,小
粒 ほど発芽が良好であつた。無呆皮種子の発芽 においては種子重 と 関係がな く,有
果皮種子重 と果皮厚 との間には正の相関関係があることよ り,粒
重増大 にともな う発芽率の低下は
,果
皮厚 の増加 によると考 え られる。 また,発
芽率は同 じ果皮厚 の場合,NaCl,MANと
もに濃度が高 くなるほど低 くな り,無
果皮種子の発芽 を阻害 しない 150mM以 下 の濃度 の
NaCは
たはMANでも発芽率が低かつたことは,果
皮による発芽の阻害,す
なわち果皮の 厚 さによる通気不良 と果皮 に対す る処理溶液の浸透圧 の増加が原因であると考 え られる。ホウレンソウの発芽 における耐塩性は他 の野菜 と比較 して良い とされ(松原・田坂,1987), 無果皮種子ではさ らに発芽が良好で
,150mM程
度の NaCl溶 液では発芽が阻害 されないことよ り,ホウレンソウの発芽 における耐塩性 は果皮によるものでな く
,種
子内部 の耐塩性 による ことが 明 らかである。2.出
芽試験ホウレンソウの最適発芽温度 は15〜 20℃である(稲川・宮瀬,1943)が
,実
験期間中のハ ウス 内最高気温は30,0℃,最
低気温は4.7℃であ り,必
ず しも最適の環境下で出芽試験 を行 った と はいえない。それ にもかかわ らず有 果皮種子,無
果皮種子 ともに発芽および出芽 し,無
果皮種 子 の出芽率が高かった ことよ り,発
芽 に対する温度の影響 はなかった と考 え られる。無果皮種子 は発芽・出芽 ともに有果皮種子 よ りも良好で
,有
果皮種子で も果皮の薄 い小粒種 子が高 い出芽率 を示 した,発
芽 した種子 は種子 中の貯蔵物質 を使 って出芽す るためj種
子の大 小が出芽率 を左右す ることが考 え られるが,播
種深度 1.5 cmではその影響 はなかった。塩水潅水 による出芽試験 で も小粒種子 の方が出芽率が高 く
,有
果皮種子 よ りも無果皮種子の方 が良好 であった。また,無
果皮種子 の出芽では,種
子の大小はほとん ど影響 しなか った。これ らの結 果 よ り,実
際の栽培 において も,有
果皮種子の低 い発芽率は果皮が阻害 している ことが明 らか で ある。未催芽有果皮種子 は
,塩
濃度が高 くなるに従 って出芽率は小 さくなる傾向があった。今回の 実験 は種子重別 に分けた出芽実験であるため,分
別前の種子 の発芽率 は不 明で あるが,100mM
NaCl潅水では平均 50%以下 になると予想 される.こ
れに対 して無果皮種子は,1 001nMでも全種 子重 クラスで80%以上の高い出芽率を有 していた.ホウ レンソウを低濃度の塩水潅水によって栽培する場合