第 4 章 操作方法
4.7 Jitter Tolerance Test 方法
4.7.3 Jitter Tolerance Estimate
MX183000Aでは,1E–6など高レートのBERから1E–20など低レートのBER を予測することが可能です。
たとえばE–20のBERは10 Gbit/sの信号でも1010秒 (>317年) に1ビットの エラーが発生するエラーレートであるため,現実的には測定できません。
図 4.7.3-1に示すように,ある範囲のビットエラーレートについて,ジッタ変調量 (SJ) との相関を測定することにより,分布パラメータである,,を求めることがで きます。この分布図 4.7.3-1の数式から任意のエラーレートにおけるジッタ変調周 波数に対するジッタ変調量の予測線を算出します。
SJ[UIp-p]
Log(Ln(BER))
1E-5
1E-10 1E-n
σ 2π μ D
e 2
BER(D) 1 2
σ μ D 2
図4.7.3-1 ノイズ分布の予測とBER予測計算
MX183000Aでは,Jitter Toleranceを測定する過程でエラーレートが1.0E–6~
1.0E–9の測定結果が3点以上得られた場合に,予測線を引くことができます。
表4.6.2-1で次のとおり設定すると,図4.7.3-2のような途中結果が取得されます。
Unit: Estimate
Direction Search: Upwards Linear
第4章 操作方法
確実に低レートのジッタ耐力予測結果を知りたい場合には,Unit を Estimate に 設定してください。
注:
ジッタ振幅がUpper Limitとなり,そのときのError Rateが1.0E–9以下 になる場合は,1.0E–6~1.0E–9の測定結果を3点以上取得することがで きません。このため,低レートのジッタ耐力を予測することができません。
UnitをError RateまたはError Countに設定した場合でも,測定の途中結果に 応じて予測線を引くことが可能です。
表4.6.2-1で次のとおり設定すると,図4.7.3-3のような途中結果が取得されます。
Unit: Error Rate
Error Threshold: 1.0E–7 Direction Search: Binary
図4.7.3-3 Binary,Error Threshold 1.0E–7における途中測定結果の例
この場合は 1.0E–6~1.0E–9 の測定結果が 3 点以上あることから,Unit を Estimate に設定していなくても,図 4.7.3-1に示す近似直線を引くことができます。
したがって,E–20など低レートのBERを予測することが可能になります。
4.7 Jitter Tolerance Test方法
4
操作方法
表4.6.2-1で次のとおり設定すると,図4.7.3-4のような途中結果が取得されます。
Unit: Error Rate Error Threshold: 1.0E–10 Direction Search: Binary
図4.7.3-4 Binary,Error Threshold 1.0E–10における途中測定結果の例
この場合は1.0E–6~1.0E–9の測定結果が1点しかないため,図4.7.3-1に示す 近似直線を引くことができませんので,E–20 など低レートの BERを予測すること ができません。
Unit を Estimate に設定している場合は,SJ の値を追加で測定を行うことで 1.0E–6~1.0E–9 の測定結果が 3 点になるまで測定を続けますが,Unit を Estimate以外にしている場合には追加測定は行いません。
低レートのジッタ耐力予測結果を確実に知りたい場合には,Unit を Estimate に 設定してください。
第4章 操作方法