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第4章 Top500 によるデータ分析

4.5 各社データ分析結果

4.5.2 IBM

前出のように IBM はコンピュータメーカーとしては老舗的な存在であるが、本格 的なスーパーコンピュータ開発への参入は早くない。

IBM が他社に先駆けて設計していた RISC プロセッサを用いて開発されていた並列 サーバ(RS/6000)をベースに、超並列に拡張したシステムを科学技術計算用のハイエ ンド機として超並列化したものを SP シリーズとして販売を始めたのは 1993 年頃か らである。

IBMの製品で評価の対象としてものを、表4-1に示す。

Top500 にエントリした、科学技術計算向けに開発された製品である。 IBM も、

PCクラスタの開発は行っているが、PCクラスタは対象外としている。ただ、ソニー コンピュータエンターテイメントのゲーム機 playstation3 のプロセッサである Cell Broadband EngineをIBM単独で強化したPowerXCell 8iプロセッサを演算加速の ために搭載したクラスタシステムはPCクラスタにPowerXCell8iを付加した構成で はあるが、専用プロセッサを開発しているため、評価の対象としている。

表4-1 IBM製品のうち評価対象の製品ライン

次にIBMの製品のシステム数推移を図4-9 に示す。

1995年以降、システム数を増やし2000年頃には、Top500の約半数を占めるに至っ ている。その後、専用開発製品は台数を落としているが50台前後で数位している。

メーカー 製品ライン 製品 稼働年 登録時期 補足(CPU/NW等)

RS6000/SP1 RS/6000 SP,9076-xxx SP1 1993 1993/11 POWER1

RS6000/SP2 RS/6000 SP2/x 1994 1994/06 POWER2

RS6000/SP2SC RS/6000 SP2SC 1996 1997/06 POWER2 SC

RS6000/SP604 RS/6000 SP PC604e, ASCI Blue-Pacific 1998 1998/06 PowerPC604e RS6000/SP3 RS/6000 SP Power3, ASCI White 1999 1999/06 POWE3

pSeriese p4 pSeries 690/655 2001 2002/06 POWER4

pSeriese p5 eServer pSeries p5 575/570 2004 2004/11 POWER5/5+

System-p p6 Power 575 p6 2007 2008/06 POWER6

POWER Systems p7 Power 775/750 p7, BladeCenter PS702 2010 2011/06 POWER7 Blue Gene/L Blue Gene/L, eServer Blue Gene Solution 2004 2003/11 PowerPC440/3Dtorus Blue Gene/P Blue Gene/P Solution 2007 2007/06 PowerPC450/3Dtorus

Blue Gene/Q Blue Gene/Q 2010 2010/11 PowerBQC/3Dtorus

PowerXCell8i BladeCenter QS22 Cluster, QPACE, Roadrunner2008 2008/06 PowerXCell8i IBM

POWER HPC

BlueGene PowerXCell

製品としては、SP2、SP3が総システムの1/4程度のシェアを占めている。各製品の ライフサイクルは、ピークまでに2~3年、ピークからフェードアウトするのに4~

5年程度ということが読み取れる。 次に図4-10の合計性能推移を分析する。

グラフ中の赤い実線は Top500 の性能向上トレンド(4年で 10 倍)を示し、青の破 線は、Moore則(3年4倍)の傾きを示している。

初期のSP1を除き(IBMのHPC立ち上げ時期と、Top500が運用を開始したばか りと言う事もある、各製品の更新においても、後継機種の投入を途切れさせることな く続け、さらにTop500トレンドを越える成長を維持している事がわかる。

特に、2003 年以降は、Blue Gene/Lや PowerXCellなど複数の製品系列を投入する ことでより、より密にイノベーションを起こす努力を実施しているといえる。

複数の製品アーキテクチャのラインを持つ IBMであるが、SP3 を除き同一製品ア ーキテクチャの製品はMoore則のトレンドに収まる傾向があることが読み取れる。

図4-9 IBM システム数推移 0

50 100 150 200 250

1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

IBM SP1 IBM SP2 IBM SP2SC IBM SP 604 IBM SP3 IBM p4 IBM p5 IBM p6 Blue Gene/L Blue Gene/P Blue Gene/Q PowerXCell IBM合計

図4-10 IBM 合計性能推移

具体的にはSP シリーズはSP3を除く3機種、pSeriesの3機種、BlueGeneの3機 種は、ほぼMoore則のトレンドに収まっている。

ここで、前述のように先行機種に対して、Top500 の性能向上トレンドを越える合 計性能を持つ製品をラディカル製品と定義する。直前の製品との比較だけで判断する とムラがあるため、数世代を見て判断するものとしてグラフより読みとると、適合す る製品は、SP3、及びBlue Gene/Lが相当するものと判断出来る。

PowerXCellに関しては、新規のアーキテクチャを採用した製品であるが、Moore則

のトレンドを越えていると判断されることから、Top500 トレンドを越えているラデ ィアカル製品ではないが、併せて分析を行う。

1 10 100 1000 10000 100000 1000000 10000000

1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

IBM SP1 IBM SP2 IBM SP2SC IBM SP 604 IBM SP3 IBM p4 IBM p5 IBM p6 Blue Gene/L Blue Gene/P Blue Gene/Q PowerXCell Moore's Law Moore's Law Top500's Law

BlueGene/L

PowerX Cell

SP3

ラディカル製品 SP3BlueGene/L

PowerXCell)