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Harish-Chandra 系列

ドキュメント内 Dipper-James 22 7 (ページ 73-80)

第 2 章 Harish-Chandra 系列 41

2.4 Harish-Chandra 系列

HomFGLn(q)(RGLµ∩wLνw−1(Q), S)6= 0

を得る.そこでIµ0 =Iµ∩wIνw−1とおくと,補題 2.7(3)の証明より Lµ(q)∩wLν(q)w−1=Lµ0(q)

であり,補題2.6の(a)と(c)の同値性からRLG

µ0(S)6= 0であるから,µの 極小性に注意してIµ0 =IµからIµ ⊆wIνw−1を得る.µとν を取り替えて 同様に議論すると,あるw0 ∈ Dνµが存在してIν ⊆w0Iµw0−1となるから,

|Iµ|=|Iν|となり,とくにIµ =wIνw−1が得られる. ˜ 補題 2.10 Sを既約FGLn(q)-加群としµ ∈ B(S)を極小元とすると,

RLGµ(S)の任意の組成因子X1, X2に対し,あるw∈Snが存在して (i) wLµ(q)w−1=Lµ(q)

(ii) X1'wX2

が成立する.

証明 既約FLµ(q)-加群X1Soc(RLGµ(S))をひとつ固定し,他の任意 の組成因子X2 に対して,あるw∈Sn が存在して(i),(ii)が成立すること を示せばよい.P(X2)をX2の射影被覆とすると,[RGLµ(S) :X2]6= 0より

HomFGLn(q)(RGLµ(P(X2)), S)'HomFLµ(q)(P(X2),RGLµ(S))6= 0 だから非零写像RLGµ(P(X2))→Sが存在し,S の射影被覆P(S)に対し

P(S) ////S //0

RGLµ(P(X2))

6=0

OO

∃φ

ffM M M

M M

ここでφが全射でないとすれば,RadP(S)P(S)の唯1つの極大部分加群 であることからIm(φ)RadP(S)であるが,これはφP(S)→Sの合成 が非零写像であることに矛盾する.したがってφは全射であって,

RGLµ(P(X2)) ////P(S) //0

P(S)

ffN N

N NN N

と切断が取れるのでP(S)はRLGµ(P(X2))の直和因子である.

他方,X1のとり方より

06= HomFLµ(q)(X1,RGLµ(S))'HomFGLn(q)(RGLµ(X1), S) つまり全射RLGµ(X1)→S が存在するから,[RLGµ(X1) :S]6= 0となり

HomFGLn(q)(P(S), RGLµ(X1))6= 0 を得る.P(S)がRGLµ(P(X2))の直和因子であるから

HomFGLn(q)(RGLµ(P(X2)), RGLµ(X1))6= 0 とわかり,Mackey公式より

1dim HomFGLn(q)(RGLµ(P(X2)), RGLµ(X1))

= dim HomFLµ(q)(RGLµ◦RGLµ(P(X2)), X1)

= P

w∈Dµµ

dim HomFLµ(q)(RLLµ

µ∩wLµw−1RwLL µw−1

µ∩wLµw−1(wP(X2)), X1).

故に,あるw∈ Dµµに対して直既約射影F(Lµ(q)∩wLµ(q)w−1)-加群Qが 存在して,QはRwLL µw−1

µ∩wLµw−1(wP(X2))の直和因子かつ全射 RLLµ

µ∩wLµw−1(Q)−→X1

が存在する.そこでRGLµ が完全関手であることに注意すると,全射 RGLµ∩wLµw−1(Q)−→RGLµ(X1)

を得るから全射RLGµ(X1)→S を合成して,全射 RGLµ∩wLµw−1(Q)−→S

が得られた.Iν=Iµ∩wIµw−1とおくと補題2.6の(a)と(c)の同値性より これはRGLν(S)6= 0,すなわちν ∈ B(S)を意味するが,µの極小性よりIν = Iµ でなければならず,Iµ⊆wIµw−1を得るから左右の集合の元の個数を比べ ればIµ=wIµw−1を得る.故にwLµ(q)w−1=Lµ(q)であり,全射

Q=RLLµ

µ∩wLµw−1(Q)−→X1

が存在することになる.QはRwLL µw−1

µ∩wLµw−1(wP(X2)) =wP(X2)の直和因子 であったから,Q=wP(X2)であり,wP(X2)の商として得られる既約加群は

wX2に限るからX1'wX2を得る. ˜ 定義 2.11 µ|=nに対しXが既約cuspidalFLµ(q)-加群のとき,(Lµ, X) をcuspidal対と言う.

定義 2.12 Sを既約FGLn(q)-加群とする.cuspidal対(Lµ, X)に対し 全射RLGµ(X)→Sが存在するときSは(Lµ, X)-系列に属すると言う.

補題 2.11 既約FGLn(q)-加群Sが(Lµ, X)-系列に属するならば,µB(S)の極小元である.

証明 ν < µに対しRGLν(S)6= 0とする.補題2.6の(a)と(c)の同値性 より,ある直既約射影FLν(q)-加群Qに対し全射RGLν(Q)→Sが存在する.

他方

RGLµ(X) ////S //0

RGLν(Q)

eeK K K KK

OOOO

よりHomFGLn(q)(RGLν(Q), RGLµ(X))6= 0であるが,Mackey公式より

RGLµ◦RGLν(Q)' M

w∈Dµν

RLLµ

µ∩wLνw−1RwLL νw−1

µ∩wLνw−1(wQ) だから,あるw∈ Dµν が存在して,P =RLwLνw−1

µ∩wLνw−1(wQ)とおくと

HomFLµ(q)(RLLµ

µ∩wLνw−1(P), X)6= 0

となる.X はcuspidalなので,これはIµ∩wIνw−1=Iµを意味し,とくに Iµ⊆wIνw−1となり|Iµ| ≤ |Iν|を得る.しかし,ν < µよりIν(Iµだから これは矛盾.故にµB(S)の極小元である. ˜ 定理 2.3 S を既約FGLn(q)-加群とすると,cuspidal対(Lµ, X)がSn

の共役を除いてただひとつ存在して,Sは(Lµ, X)-系列に属する.

証明 まずS は必ずある(Lµ, X)-系列に属することを示そう.µB(S) の極小元とし,X Soc(RGLµ(S))を既約部分加群とする.任意のν < µに 対してRLLµν(X) = 0となることを示そう.実際,完全関手RLLµν を完全系列

0−→X −→RLGµ(S) に施して完全系列

0−→RLLµ

ν(X)−→RLLµ

ν RGLµ(S) =RGLν(S)

を得るが,µの極小性よりRGLν(S) = 0だからRLLµν(X) = 0である.故に,

補題2.5よりX はcuspidalFLµ(q)-加群である.他方

HomFGLn(q)(RGLµ(X), S)'HomFLµ(q)(X,RGLµ(S))6= 0 より全射RLGµ(X)→Sが存在するから,S は(Lµ, X)-系列に属する.

Sが(Lµ, X)-系列と(Lν, Y)-系列に属しているとする.補題2.11よりµνB(S)の極小元だから,補題2.9よりあるw∈ Dµν に対しwIνw−1=Iµ

となる.とくにwLν(q)w−1=Lµ(q)であって,定理2.2より RGLµ(wY) =RGLµ⊆wPνw−1(wY)

と考えてよい.ここでFGLn(q)-加群同型RGLµ(wY) ' RLGν(Y) を示そう.

m7→wm(m∈RGLν(Y))によりFGLn(q)-加群同型wRGLν(Y)'RGLν(Y)が 得られるからRLGµ(wY)'wRGLν(Y)を示せばよい.

N =|GLn(q)|/|Pν(q)|としてGLn(q)のPν(q)による左剰余類分解を

GLn(q)/Pν(q) = GN

i=1

hiPν(q) とおけば,

wRGLν(Y) = N

i=1 hi

FPν(q)InflPLν(q)

ν(q)(Y) と書けて,wgw−1 (gGLn(q))の作用は

wgw−1·hi⊗y=ghi⊗y (y∈Y) で与えられる.また

GLn(q)/wPν(q)w−1= GN

i=1

(whiw−1)wPν(q)w−1

であるから,

RGLµ(wY) = N

i=1whiw−1

FwPν(q)w−1InflwPL ν(q)w−1

µ(q) (wY) と書けて,wgw−1 (gGLn(q))の作用は

wgw−1·whiw−1⊗y=w(ghi)w−1⊗y (y∈Y)

で与えられる.そこで,Ψ :wRLGν(Y)→RGLµ(wY)をhi⊗y 7→whiw−1⊗y で定めると,ghi=hjp(p∈Pν(q))と書いて

Ψ(wgw−1·hi⊗y) =Ψ(ghi⊗y) =Ψ(hjp⊗y)

=Ψ(hj⊗py) =whjw−1⊗py

=whjw−1⊗(wpw−1)·y=whjpw−1⊗y

=wgw−1·whiw−1⊗y=wgw−1·Ψ(hi⊗y) となるので,Ψ はFGLn(q)-加群同型である.よってRGLν(Y)'RGLµ(wY)が 示された.

この同型により,S が(Lν, Y)-系列に属することと(Lµ,wY)-系列に属する ことは同値であるが,(Lν, Y)は

(wLνw−1,wY) = (Lµ,wY)

に共役だから,結局Sが(Lµ, X)-系列と(Lµ,wY)-系列に属しているとして 一意性を示せばよい.つまり最初からµ=ν と仮定して一意性を証明すれば よい.そこで最初に戻ってµ=ν と仮定する.このとき,

HomFGLn(q)(RLGµ(X), S)6= 0, HomFGLn(q)(RGLµ(Y), S)6= 0 よりX, Y Soc(RGLµ(S))であり,また補題2.11よりµB(S)の極小元 であるから,補題2.10よりあるw∈Snが存在して

(i) wLµ(q)w−1=Lµ(q) (ii) X 'wY

である.これは(Lµ, X)と(Lµ, Y)が共役ということに他ならない. ˜ 定理2.3により

{既約FGLn(q)-加群の同型類}= G

(Lµ,X)

(Lµ, X)-系列 である.ここで,µとX は下記のように定めた完全代表系を動く.

(1) まず{µ|=n}に同値関係µ∼νを,

あるw∈Snが存在してwIµw−1=Iν

により定義する.この同値類の完全代表系を²n}/Snと書き,µは この完全代表系を走る.

(2) 各µ∈ {µ²n}/Snに対して既約cuspidalFLµ(q)-加群の同型類全体の なす集合に同値関係X∼Y

あるw∈Snが存在してwLµ(q)w−1=Lµ(q)かつX 'wY により定義する.X はこの完全代表系を走る.

ドキュメント内 Dipper-James 22 7 (ページ 73-80)