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GL n (q) の一般指標 χ n,r の構成

ドキュメント内 Dipper-James 22 7 (ページ 180-187)

第 5 章 指標理論と既約 cuspidal 加群の構成 168

5.2 GL n (q) の一般指標 χ n,r の構成

有理整数環Zの素点pによる局所化をQp0 とする.すなわち Qp0 =na

b Q|a, b∈Z, pとbは互いに素 o

である.このとき次が成立する.

補題 5.4 群同型Qp0/Z'E× が存在する.また,同型Qp0/Z'E×を 与えることと単射準同型θ:E×,→C× を与えることは同値である.

証明 ni= (i!)p0 とおき,Eに値をとる数列(ξi)i≥1であって,

(a) ξi6= 0ならばξiは1の原始ni乗根,

(b) i < jかつξi6= 0,ξj 6= 0ならばξjnj/ni =ξi

をみたすもの全体のなす集合をS とする.また,ξ= (ξi)i≥1∈ Sに対し,

Supp(ξ) ={i∈Z≥1i6= 0}

とする.このとき,ξ≤η

Supp(ξ)Supp(η)かつi∈Supp(ξ)ならばξi=ηi

と定めることによりS は帰納的半順序集合である.実際,

ξ(1)≤ξ(2)≤ · · · ならば,ξ= (ξi)i≥1∈ S

ξi =



ξi(k) (i∈ ∪k≥1Supp(ξ(k))) 0 (i6∈ ∪k≥1Supp(ξ(k))) で定めれば任意のkについてξ(k)≤ξである.

故に,Zornの補題より極大元ξmax= (ξi)i≥1が存在するから,

Supp(ξmax)6=Z≥1

として矛盾を導こう.

a= min{xZ≥1|x6∈Supp(ξmax)}

とする.もしSupp(ξmax) ={1,2,· · ·, a−1}ならば,ξa0 E× を (ξ0a)na/na−1 =ξa−1

をみたすように選び,

ξ0= (ξ1, ξ2,· · · , ξa−1, ξ0a,0,0,· · ·) とおけば,ξa0 は原始na 乗根であり,i < aならば

0a)ni/na = (ξ0a)na−1na na−1ni =ξna−1i/na−1 =ξi

が成り立つからξ0 ∈ Sである.しかし,ξmax< ξ0 であるからこれはξmaxの 極大性に反する.故に{x∈Z≥1|x > a, x∈Supp(ξmax)} 6=∅としてよく,

b= min{xZ≥1|x > a, x∈Supp(ξmax)}

が定義できる.ξa0 =ξbnb/na とおくと任意のi∈Supp(ξmax)について,

i < aならば,(ξ0a)na/ni =ξ

nbnana ni

b =ξbnb/ni=ξi

i > aならば,i≥bに注意して,ξini/na =ξ

nbninb na

i =ξbnb/na =ξa0 となり,ξaξa0 に変えたものをξ0とすれば,やはりξ0 ∈ S かつξmax< ξ0 となって矛盾する.以上からSupp(ξmax) =Z≥1である.

ξmax= (ξi)i≥1を用いて群準同型Qp0/Z→E×s/ni 7→ξisで定めること ができる.s/ni6∈Zならば,ξi が1の原始ni乗根故ξis6= 1であるからこの 写像は単射である.他方,E×の元はすべて1のベキ根であるからこの写像が 全射であることは明らかである.以上から群同型Qp0/Z'E× が得られた.

単射群準同型θ:E× ,→C× が与えられたとすると,対数写像と合成して 1

−1log◦θ:E×,→C×'C/Z

が得られるが,この写像はQp0/Zを経由し同型E×'Qp0/Zを与える.逆に 同型E×'Qp0/Zが与えられたとすると,指数写像と合成して

E×'Qp0/Z,→C/Z'C×

によりE×,→C×が得られる. ˜ Gを有限群とし,準同型θ:E× ,→C× をひとつ固定する.

定理 5.5 V をEG-加群,ρ: G→GL(V)をV の表現とする.g G に対してρ(g)の固有値がλ1,· · ·, λnのときr次基本対称式erを用いて

χr(g) =er(θ(λ1),· · ·, θ(λn)) と定める.このとき,χr:G→Cは一般指標である.

証明 rVGの表現であり,gのrV における固有値は i1· · ·λir |1≤i1<· · ·< ir≤n}

だから,rV に対するχ1χrに等しい.よってr= 1として一般性を失わ ない.H =P ×CGp-基本部分群とすると,h∈Hh=g1g2と書 けてg1g2=g2g1かつg1p-元,g2p-正則元である.すると,V 上での g1の固有値がすべて1であることと併せてχ1(h) =χ1(g2)を得るが,他方 Cは位数がpと素な巡回群だからχ1|CCの一般指標であり,

χ1|H =(P の単位指標)⊗χ1|C

H の一般指標であるから,定理5.3よりχ1Gの一般指標である. ˜ 以下,G= GLn(q)として定理5.5を適用しよう.

定義 5.10 GLn(E)の定義加群V =EnをGLn(q)へ制限してEGLn (q)-加群とみなす.この表現に対して定理5.5で定めた一般指標をχn,r と書く.

第3章の設定に戻り,AをHall代数,Bを{en(f)}n≥1,f∈F で生成される C上の多項式環とする.定理3.2で示したように,

πn(f)7→qdegfn(n−1)2 en(f) により計量同型ψ:A'Bが定まるのであった.

補題 5.5 対称関数環Λ中で次の等式が成立.

hn = P

µ`n

Peµ(q)

証明 ψ:A'Bf ∈ F ごとに定まる計量同型ψf :A(f)'B(f)から 得られるのであった.ここでFq[X]-加群{Vλ(f)}λ∈P

Vλ(f) =M

i≥1

Fq[X]/(fλi) で定め,Vλ(f)の部分加群U であって

U 'Vµ(f), Vλ(f)/U 'Vν(f) をみたすものの個数をgµνλ (f)とおくとき,C-代数A(f)は

A(f) =M

λ∈P

Cuλ

uµuν =P

gλµν(f)uλで積を定めたものであり,B(f)は多項式環 B(f) =C[e1(f), e2(f),· · ·]

である.また同型写像ψf

ψf :u(1n)7→qdegfn(n−1)2 en(f)

で与えられる.A(f)は可換環でgµνλ (f) =gλνµ(f)が成り立つ.

そこで,f =X−1とし,cλZを ÃP

µ`a

uµ

!

u(1b)= P

λ`a+b

cλuλ

により定めると,既約Fq[X]-加群S=Fq[X]/(X1)を用いて cλ= P

µ`a

#{U ⊆Vλ|U 'Sb, Vλ/U 'Vµ}

であるが,µ`aで和をとるということはVλ/U がどうなるかは気にしないで U を考えるということであるから,SocVλb次元部分空間を数えればよく,

cλ=

·`(λ) b

¸

q

= Qb

i=1

q`(λ)−i+11 qb−i+11

を得る.ただし,λ= (λ1, λ2,· · ·)に対し`(λ) = max{i∈Z≥1 i >0}で ある.この計算からとくに

P

a+b=m

(−1)b P

µ`a

uµu(1b)= P

λ`m

`(λ)P

b=0

(−1)b

·`(λ) b

¸

q

uλ

であるから,定理3.1(2)とその証明より,ψf を施して P

a+b=m

(−1)b P

µ`a

Peµ(q)eb = P

λ`m

`(λ)P

b=0

(−1)bqb(b−1)2

·`(λ) b

¸

q

Peλ(q) が成り立つ.ここで

Pl b=0

qb(b−1)2

·l b

¸

q

tb=l−1Q

i=0

(1 +qit) だから,t=−1, l=`(λ)として,`(λ)>0ならば

`(λ)P

b=0

(−1)bqb(b−1)2

·`(λ) b

¸

q

=

`(λ)−1Q

i=0

(1−qi) = 0

であることに注意すると.m1のとき P

a+b=m

(−1)b P

µ`a

Peµ(q)eb= 0 とわかる.他方,対称関数h0= 1, h1, h2,· · · は漸化式

P

a+b=m

(−1)bhaeb = 0 (m1) から定まるので,題意の P

µ`n

Peµ(q) =hnを得る. ˜

定義 5.11 f ∈ Fに対し,f の固有値が1,· · · , λd}のときθ( ˜f)C[T] を

θ( ˜f) = (1 +θ(λ1)T)· · ·(1 +θ(λd)T) で定める.

無限級数H(T, Y)を次のように定義しよう.ただし,Xi,fn次基本対称 関数がen(f)である.

定義 5.12 H(T, Y) = Q

f∈F

Q

i≥1

(1−Xi,fθ( ˜f)Ydegf)−1∈B[[T, Y]]

このとき,ψ(χn,r)は次の公式で計算できる.

命題 5.2 H(T, Y) = P

n≥0

Pn

r=0ψ(χn,r)TrYnが成立.

証明 µ`nの定めるGLn(q)の共役類をCµとし,指標χn,rCµで とる値をχn,r(Cµ)と書くとき,

χn,r= P

µ`n

χn,r(Cµµ であるから,定理3.1(2)より

ψ(χn,r) = P

µ`n

χn,r(Cµ)Peµ(q)

である.ここで,g∈Cµ の固有値をλ1,· · · , λn とすると,χn,r の定義より Pn

r=0

χn,r(g)Tr= Qn

i=1

(1 +θ(λi)T) であるから,g∈Cµ の固有多項式が

(T−λ1)· · ·(T−λn) = Q

f∈F

f|µ(f)|

と既約分解されることに注意すれば Pn

r=0

χn,r(Cµ)Tr= Q

f∈F

θ(fe)|µ(f)|

を得る.故に Pn r=0

ψ(χn,r)Tr= Pn

r=0

P

µ`n

χn,r(Cµ)Peµ(q)Tr

= P

µ`n

µ n P

r=0

χn,r(Cµ)Tr

Peµ(q)

= P

µ`n

Q

f∈F

θ(fe)|µ(f)|Peµ(q) となるから,α:F →Z≥0に対し

Pα=:F → P | |µ(f)|=α(f) (f ∈ F)}

と定義すれば P

n≥0

Pn r=0

ψ(χn,r)TrYn = P

n≥0

P

µ`n

Q

f∈F

θ(fe)|µ(f)|Peµ(q)Yn

=P

α

P

µ∈Pα

Q

f∈F

(θ(fe)Ydegf)α(f)Peµ(q)

=P

α

( P

µ∈Pα

Peµ(q)) Q

f∈F

(θ(fe)Ydegf)α(f) となるので,補題5.5より

P

µ∈Pα

Peµ(q) = Q

f∈F

hα(f)(f)

となることを用いれば P

n≥0

Pn r=0

ψ(χn,r)TrYn=P

α

Q

f∈F

hα(f)(f) Q

f∈F

(θ(fe)Ydegf)α(f)

= Q

f∈F

( P

α(f)=0

hα(f)(f)(θ(f)Ye degf)α(f)

= Q

f∈F

Q

i≥1

(1−Xi,fθ(fe)Ydegf)−1=H(T, Y)

となって題意の式が示された. ˜

ドキュメント内 Dipper-James 22 7 (ページ 180-187)