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F

F

c

F

c

- 69 -

 

2 2

sin 1

sin tan



 



l r l r F F

Fs (5.9)

Fs の波形を調和解析し各次数成分を求め、着火順序による位相を考慮して加算すること により各次のガイドモーメントが求まる。各シリンダー中央のある基準からの距離を xiと してX型ガイドモーメントは次式で表される。ここにnはシリンダー数を示す。

 

n

i

i s

z

F x

M

1

また、H型ガイドモーメントは次式で表される。

 

n

i s

x

F h

M

1

h は明確な定義が定められていないが、簡易的にはクロスヘッドの上死点と下死点の中 点とクランク軸の距離を用いられることがある。

従来は主機メーカーにて計算されたガイドモーメントを簡易的に主機に負荷していたが、

起振力のモデル化の仮定を最小限とするために(5.9)式をベースとしてシリンダーごとの 左右方向の起振力を位相差を考慮してクロスヘッド部と軸受に負荷する手法を開発した [22]。

スルザー7RT-flex84TD を対象として本手法の起振力により発生するガイドモーメント と主機メーカーのカタログ値の比較を表5.2に示す。やや乖離があるが本手法は十分な精度 となっている。

表5.2 ガイドモーメント検証結果

本手法 主機メーカー計算値 誤差 X型ガイドモーメント(4次) 2543 kN-m 2733 kN-m -6.9%

H型ガイドモーメント(7次) 1778 kN-m 1860 kN-m -4.4%

5.2.3 軸系縦振動起振力

軸系縦振動起振力は図 5.6 に示すとおり主機の爆発力がコネクティングロッドを通じて クランクピンに作用しクランクが前後方向に開閉することにより発生する。

- 70 -

図5.6 主機起振力メカニズム

クランクピンにはシリンダー内のガスの爆発による力とピストン、コネクティングロッ ド等のマスが運動を行うことにより発生する慣性力の2種類の力が作用する。

主機回転数に対する次数を

とするとクランクピンに負荷する半径力

R

および接線力

T

はシリンダー内のガスの爆発による力

R

G

T

Gとピストン、クロスヘッド、コネクティ ングロッドが運動を行うことにより発生する慣性力

R

M

T

Mの重ね合わせで表すことがで きる。

M

G

R

R

R

(5.10)

M

G

T

T

T

(5.11)

(5.10)式、(5.11)式はRν、Tνの実数項、虚数項を用いて以下で表される。

t R

e

i

R

R

0 (5.12)

t T

e

i

T

T

0 (5.13)

Rν

F Fs

Fs

Tν Fa

Rν

Fa クランクピン

コネクティングロッド ピストン

クランクシャフト クランクアーム

シリンダー クランクピン

クランクアーム

クランクシャフト

- 71 - ここで

 

, 2

2 , ,

0 RGREAL RMREAL RGIMAG

R (5.14)

, ,

2

2 ,

0 TGREAL TGIMAG TMIMAG

T (5.15)

 

 

REAL M REAL G

IMAG G

R

R R

R

, ,

1 ,

tan

(5.16)

 

 

 

REAL G

IMAG M IMAG G

T

T

T T

, , 1 ,

tan

(5.17)

:主機回転の角速度

従来は主機メーカーにて計算された軸系縦振動起振力を簡易的にスラストブロック位置 に負荷していたが、起振力のモデル化の仮定を最小限とするために(5.12)式、(5.13)式を ベースとしてシリンダーごとの起振力を位相差を考慮して図 5.7 に示すモデルのクランク ピンに負荷する手法を開発した[22]。

検証の対象はスルザー11RTA96Cの主機を搭載した6,200TEUコンテナ船とした。本手 法により主機軸系モデルを使用した解析結果と主機メーカーの計算プログラムのスラスト ブロック位置での前後方向の変位の比較を図5.8に示す。本手法の結果は5次はよく一致し ているが3次はやや乖離がみられる。しかし、実用上は全船振動応答解析結果を本手法と 主機メーカーの結果の比で修正することにより必要な精度を確保できる。なお、振動応答 解析のための全船モデルには本主機軸系モデルを搭載している。

図5.7主機軸系モデル

- 72 -

図5.8主機メーカーの計算結果との比較

5.3 プロペラ起振力モデル化手法

プロペラによって発生する起振力はサーフェスフォースとベアリングフォースが主なも のであり、ともに主機から発生する起振力と同様に船体を励振する。サーフェスフォース、

ベアリングフォースによって上部構造の振動応答が問題となった例があり、これらプロペ ラ起振力に対する上部構造の振動応答推定は重要である。特にコンテナ船はタンカー、バ ルクキャリアーと比較してプロペラ起振力が大きく上部構造の振動応答が問題となる可能 性が高い。

プロペラ起振力はプロペラの翼数の整数倍の次数の起振力が発生する。主機起振力の主 要な次数がプロペラ起振力の次数と同じである場合は、その次数はプロペラ起振力の応答 成分と主機起振力の応答成分を重ね合わせた応答となる。そのため、主機起振力、または プロペラ起振力のみに対して解析を行っても計測結果を再現することはできず、位相差を 考慮してそれぞれの起振力を考慮する統合解析が必要となる。本研究では詳細な主機起振 力のモデル化により可能となったプロペラ起振力との統合解析手法の開発を行った。

- 73 - 5.3.1 サーフェスフォース

サーフェスフォースはプロペラが回転によりプロペラ直上の船底外板に近づく際に船底 外板に圧力上昇をもたらし起振力として作用する。特にコンテナ船ではタンカー、バルク キャリアーと比較してサーフェスフォースが大きく、上部構造、船尾オーバーハング部の 過大な振動応答発生の原因となることがある。

サーフェスフォースは体積を有するプロペラが船底外板に近づくことにより発生する圧 力の成分とプロペラの表面に発生するキャビテーションによる圧力の成分に分けることが できる。プロペラの回転数が低い場合は前者が支配的であるが船舶の運航の際に常用され る高い回転数では後者が支配的となる。そのため、常用される主機の回転数で船体の振動 が問題となる場合はキャビテーションによる圧力が重要となる。

6200TEUコンテナ船のサーフェスフォースを実船で計測した結果を図5.9に示す。なお、

コンテナ船は主機出力が大きく、タンカー、バルクキャリアーと比較してサーフェスフォ ースが大きいためコンテナ船を対象としている。計測は引き渡し前の試運転で行いコンデ ィションはバラストコンディションとなっている。計測点はプロペラ直上である。本計測 結果からサーフェスフォースは70rpm付近から急激に増加していることがわかる。

図5.9 サーフェスフォース計測結果

また、常用回転数でのプロペラ直上でのサーフェスフォースの分布を図5.10、図5.11に 示す。距離は船底外板のプロペラ直上の点からの距離を示す。圧力はプロペラ直上で最大 となり距離が増加するにつれて小さくなる傾向にある。

0

- 74 -

図5.10 サーフェスフォース分布(船長方向)

図5.11 サーフェスフォース分布(船幅方向)

0

0

- 75 -

全船モデルによる振動応答解析を実施する際にはサーフェスフォースの分布を考慮して トータルの起振力を考慮することが必要である。図5.12に示すとおり船長方向、船幅方向 のサーフェスフォースの分布を仮定して分布を積分することによりトータルのサーフェス フォースを求めることができる。図中の点は計測結果を示し、◆は船長方向の分布、■は 船幅方向の分布を示す。また、曲線は計測結果による近似曲線を示す。ただし、本分布は 限られた計測点の結果から仮定しており詳細な分布に関しては今後の課題である。実設計 においては本手法で求めた実績船のトータルの起振力を使用して後述するQCMなどをパ ラメータとして新設計船のトータルの起振力を推定することができる。

図5.12 トータルのサーフェスフォース

サーフェスフォースの推定式として古くはHoldenの簡易式[33]がある。Holdenの簡易 式はサーフェスフォースへの影響が大きいと思われるパラメータを用いて実船でのサーフ ェスフォースの計測結果を用いて同定された簡易推定式である。

Holdenの簡易式のプロペラ直上のノンキャビテーションによる圧力の推定式を(5.18)、

キャビテーションによる圧力の推定式を(5.19)、トータルの圧力を(5.20)に示す。

0

- 76 -

  

・ 1 1 ( / )

12.45

P 2

33 . 1 53 . 1 2 2

0 kPa m

R D d

th D Z

n k



 

 

 

 

(5.18)

    

・ 

・ 1 1 ( / )

) (

0.098

P

2 2 1 2 0.5 1

kPa m

2

R d f

J J D

n

M k

c

 

 

 

  

(5.19)

) / ( ) 180 cos(

2

0 2

2 2

0

P P P kPa m

P

P

Z

   

C

 ・  ・ 

C

・      

(5.20)

ここに、

Z

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