2. 実住宅における FCCGS 運転実態に関する分析
2.4. FC 発電に関する分析
本項では次章以降のFCCGSモデル構築に関連するFCの稼働実態に関する分析を行う。
2.4.1. FC導入効果の推計
① 日平均外気温度とPEFC発電量の関係
CO2ゼロ街区に設置されている固体高分子形燃料電池(PEFC)の発電量は一般に、給湯の 需要量によって決まる。タンクが満蓄になると発電を継続できないため、給湯需要熱量が 少ない夏期には運転時間が短くなり、給湯需要熱量が多い冬期には運転時間が長くなる。
下図からもその傾向が見て取れる。日別値を見ると日による発電量のばらつきが小さいこ とが分かる。FCには学習機能が付いており日々の電力・給湯負荷を見ながら運転スケジュ ールを決めている。そのため、安定的に毎日同程度の発電ができるようになっている。
なお、給湯負荷、電力負荷の小さい日が続く場合は、PEFC は 1 日おきの発電となるな ど、発電自体を行わない判断もなされる。
図 2.19 日平均外気温度と電気使用量・PEFC発電量の関係 0
5 10 15 20 25 30 35 40
0 10 20 30 40
日積算電気使用量・発電量 [kWh/世帯・日]
日平均外気温度[℃]
電気使用量 PEFC発電量
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② 月別発電量・発電寄与率の推移
月別の発電量の推移を以下に示す。世帯別に傾向の違いは見られるものの、HEMS 計測 世帯ではおおむね冬期は40%、中間期は30%、夏期は10~20%程度の発電寄与率となる。
前述のとおり外気温度が低い場合は給湯負荷が大きく、タンクの温度が上がりづらいため 長時間発電を継続できるが、冬期は発電時間が抑制されるため、寄与率が低下するものと 考えられる。
図 2.20 PEFC発電量・電気使用量・発電寄与率の推移
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③ 年積算電気使用量・エネルギー使用量と発電量の関係
電力消費量が多いほどFCの発電量も増加する傾向が見られる。電気使用量に対してFC 発電量が少ない世帯21は年間CO2排出量が最も多い世帯であり、FC発電寄与率の低さが この世帯のCO2収支ゼロを妨げる要因の1つになっていると考えられる。
図 2.21年積算電気使用量とFC発電量の比較
図 2.22 家庭内の二次エネルギー使用量と年積算PEFC発電量の関係
1,930 2,651
2,980 1,914 1,949 1,834 2,721
2,910 1,001
2,506 1,879 1,663 1,232
1,898 2,431 1,616
2,005 2,418 2,085
0 5,000 10,000 15,000 20,000 世帯1
世帯2 世帯3 世帯4 世帯5 世帯6 世帯7 世帯8 世帯9 世帯10 世帯11 世帯12 世帯13 世帯14 世帯15 世帯16 世帯17 世帯18 平均(n=18)
[kWh/世 帯 ・ 年] 年積算電気使用量 年積算PEFC発電量
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0
年積算PEFC発電量[MWh/世帯・年]
年積算電気使用量[MWh/世帯・年]
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
10.0 15.0 20.0 25.0 30.0
燃料電池発電量[MWh/世帯・年]
家庭内二次エネルギー使用量[MWh /世帯・年]
(電気使用量+ガス購入量)
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5
0.0 10.0 20.0 30.0
燃料電池発電量[MWh/世帯・年]
家庭内二次エネルギー使用量[MWh /世帯・年]
(電気使用量+ガス購入量
-燃料電池消費ガス量推計値)
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2.4.2. 稼動時負荷率と発電効率推計
月別のPEFC発電負荷率の度数分布を表 2.3に示す。発電負荷率は発電効率、排熱効率 に影響を与え、発電負荷率が 40%を下回る場合は定格発電時の発電効率より効率が大きく 低下する。同表に既往研究から得られた発電効率を元に推計した発電効率を付記する。
発電部分負荷率は季節別に大きく変動し、冬期、夏期は100%に近い高負荷での運転が占 める割合が増え、全体の 3 割程度は定格発電が占める。これに対し、中間期では発電負荷 率が27%から40%程度が占める割合が大きく、発電効率が低下している可能性が高いこと が集計結果から判断できる。
一方、計測データの集計間隔が 1 時間と長く、瞬間的な傾向については追い切れていな い可能性が高い。電気使用区分別に集計した電気使用量と PEFC 発電量の間に発生するマ ージンを表 2.4に示す。電気使用量と発電量の間には 100W前後の差が発生しており、シ ミュレーションにおいてはより詳細な時間間隔のデータが必要であることが分かる。
表 2.3 月別PEFC発電部分負荷率と推計効率
表 2.4 発電部分負荷率と発生マージン
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
200W未満
(27%未満) 14% 13% 13% 10% 12% 13% 15% 14% 12% 11% 12% 15% 13%
200W以上300W未満
(27%以上40%未満) 20% 21% 17% 11% 14% 15% 21% 21% 18% 16% 16% 17% 18%
300W以上400W未満
(40%以上53%未満) 15% 19% 17% 12% 13% 16% 18% 16% 12% 10% 11% 13% 14%
400W以上500W未満
(53%以上67%未満) 14% 16% 16% 13% 10% 14% 15% 14% 11% 9% 9% 11% 13%
500W以上600W未満
(67%以上80%未満) 12% 11% 14% 11% 10% 13% 12% 12% 11% 10% 9% 11% 11%
600W以上700W未満
(80%以上93%未満) 12% 9% 11% 13% 10% 12% 10% 11% 13% 13% 13% 14% 12%
700W以上
(93%以上) 11% 10% 13% 29% 31% 18% 9% 11% 23% 31% 30% 19% 19%
電気使用量[kWh/世帯・日] 15.7 15.0 16.6 22.0 23.3 17.8 14.9 16.3 20.3 24.8 23.4 19.0 19.1
発電量[kWh/世帯・日] 6.4 5.7 4.9 3.8 2.5 3.4 4.3 6.2 7.4 8.3 8.3 7.5 5.7
発電寄与率[%] 41% 38% 29% 17% 11% 19% 29% 38% 37% 34% 36% 39% 30%
稼動時平均負荷率[%] 55% 53% 57% 67% 65% 60% 53% 55% 62% 66% 65% 60% 60%
2016年 2017年
PEFC発電量区分
(発電負荷率) 通年
電気使用量区分
[1時間平均] 度数分布 平均電気 使用量[W]
平均PEFC 発電量[W]
平均マージン [W]
200W以上300W未満 13% 248 199 49
300W以上400W未満 14% 344 248 96
400W以上500W未満 11% 444 339 106
500W以上600W未満 9% 544 404 139
600W以上+700W未満 7% 644 471 173
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