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個別モデルの構成

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 102-124)

4. 家庭用燃料電池プログラムの開発

4.5. プログラムの内部仕様

4.5.3. 個別モデルの構成

① 需要家側クラス

基本的な手続き型言語(C, Fortran 等)によるプログラム開発の際には、入力ファイル を読み込む関数(Fortranでは open -> read機能)などを用い、各時刻の気象条件、負荷 データを作成することが多い。(サンプルコード 4.1)

本研究では学習に基づく制御をする必要から、現在のプログラム参照時前後の時間帯に おける負荷データを管理する必要から、入力ファイルとプログラム内部の数値のやり取り を管理する需要家側クラスを作成している。クラスの入出力関係、並びに内部の処理を表

4.3に示す。

表 4.3 需要管理クラス(Dmd_Unit)の入出力・内部処理

入力(書き込み) 出力(読み込み) 内部処理

New(Itint,HHCode):

インスタンス生成時の処理

Itint 返答時間間隔※デフォルトは1

間隔

HHCode 参照する世帯番号

Get_TOA(TgtDt):[℃]

外気温度の参照

ReLoad(TgtDt):

日付変更ごとの負荷データ差し替 え。

Get_TwiPub(TgtDt):[℃]

水道水温度の参照 Get_TwDmd(TgtDt):[℃]

給湯需要温度の参照

Get_HwDmd(TgtDt):[リットル/分]

給湯需要水量の参照 Get_ElDmd(TgtDt):[W]

電力需要量の参照 Get_QhDmd(TgtDt):[W]

給湯給湯温熱需要の参照

同時刻の給湯需要水量、給湯需要温 度、水道水温度から給湯需要熱量を 計算する。

QhDmd = HwDmd × CpW ×

(TwDmd - TwiPub)

QhDmd [W]:給湯需要熱量 HwDmd [リットル/分]:給湯需要水量 CpW [W/ (L/min)・K]:水の比熱 TwDmd [℃]:給湯需要温度 TwiPub [℃]:水道水給水温度 備考:

TgtDtは参照する日付、時刻を表すシリアル値である。(Date型変数)

クラスは一日分の負荷データを内部に配列として保存している。

Dmds(n,m) n 参照番号, m 同日 0:00 からの経過分数

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サンプルコード 4.1 手続き型による負荷ファイルからの必要データ読み取り Sample:手続き型で書いた負荷ファイルからの必要データ読み取り

‘Sample1 手続き型の負荷読み取りとプログラム内部での利用 Public Sub SampleCode()

Dim LoadFilePath As String = “///作成した負荷データが格納されたファイルパス….csv///”

Dim FL As String ‘読み取った一行

Dim SpLs As Variant ‘読み込んだ文字列をカンマごとに分節した文字列配列 Open LoadFilePath For Input As #1

Do While Not EOF(1) ‘///#1 で開いたテキストファイルが終端に達するまで繰り返し Line Input #1,FL ‘一行読み取り

SpLs = Split(FL,”,”) ‘カンマで分割 ‘---‘

‘/// hoge SpLs に格納された情報から時刻、気象条件、需要データを取得し、

‘/// 内部の計算を進めていく。

‘---‘

Loop Close #1 End Sub コード解説:

VBA による事例。Fortran の場合は、open()関数とGOTO文により記述される。

前後の時間帯の負荷を広く参照する必要が無かったり、入力負荷ファイルを十分に作り込める状況であればこち らの方がシンプルな構成といえるが、負荷データの中から翌日の負荷集中時間帯を探索したり、過去の特定日の 需要記録から必要なデータを引用したりする場合には必要な処理をまとめ、クラス化することが望ましい。

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② FCCGSクラス

想定する FCCGS の機器モデルを図 4.3 に、プログラムにおける処理のアウトラインを

図 4.4に示す。FCCGSは発電ユニット、貯湯タンク、補助ボイラーによって構成され、貯

湯タンクから発電ユニットに繋がる排熱回収回路、貯湯タンクから補助ボイラーに接続さ れる出湯回路で各要素が接続されている。補助ボイラユニットは用途に応じた複数の往還、

または往きのみの冷温水回路を有し、住宅内部へ接続されている。次節でサブクラスの概 要を説明する。

図 4.3 FCCGSの概要

注1: 本研究で検討するPEFCは、貯湯タンク、ホットモジュール間のラジエーターを有さない。

注2: インバーター、ホットモジュール(改質器)、排熱交換機は発電ユニットとしてモデル化した。

以下の説明もまとめて行う。

補助ボイラ 貯湯タンク

ホットモジュール

水道水

都市ガス 都市ガス

浴室

浴槽 ラジエーター

排気熱交換器

インバータ 発電電力

台所、洗面、

シャワー等

湯張り

追い焚き 三方弁

分電盤

燃料電池ユニット

家庭内電力 系統電力

発電ユニット

(注2)

(注1)

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図 4.4 FCCGS単体計算のアウトライン(左:全体の計算フロー, 右:1分ごとの繰り返し計算でのクラス間の変数入出力)

需要ユニットから

電力需要、給湯需要水量、給湯需要温度 水道水温度、外気温度を取得

発電ユニットに電力需要を入力し、発電量を 取得(発電ユニット排熱量も併せて計算)

貯湯タンクユニットに給湯需要水量、給湯需 要温度、外気温度、水道水温度、発電ユ ニット排熱量を入力し、貯湯タンク出口温度 を得る。

貯湯タンク出口温度、給湯需要温度、給湯 需要水量から補助ボイラ加熱量を求め、補 助ボイラ加熱効率から補助ボイラガス使用 量を計算する。

FCCGSの状態値を記録し、外部ファイルへ出 力する。

各ユニットの時間を進め、

発電ユニットでは発電状態の制御、貯湯タン クではタンク内の冷温水混合計算を行う。

計算結果 記録ファイル 計算開始日から終了日まで

1分間隔で繰り返し 燃料電池のインスタンスを生成し、機器仕様、

制御条件を決定する。

計算終了 計算開始

発電ユニット CellStack_Unit

ラジエーター ユニット Radiator_Unit

貯湯槽-補助ボイラ間 三方弁ユニット

TWV_Unit

補助ボイラユニット BackupBoiler_Unit 需要ユニット

貯湯タンク ユニット Storage_Tank_Unit

電力需要

給湯需要温度 給湯需要水量 外気温度

水道給水温度 回収排熱量

発電強制停止 信号

回収熱量, 貯湯目標温度, 排熱回収回路往き

冷温水温度 排熱回収回路往

還冷温水流量, 排熱回収回路還り

冷温水温度

給湯需要水量 給湯需要温度 三方弁目標

出口温度

給湯需要水量 補助ボイラ入口冷

温水温度

貯湯タンク 給水量

FCガス使用量,発電量, 排熱量, 補機電気

使用量

ラジエーター 放熱量 貯湯率,

タンク内の 温度分布, 自然放熱量

補助ボイラ ガス使用量 電力需要

給湯需要温度 給湯需要水量 外気温度 水道給水温度

機器状態値 の参照

FCCGSクラス (FC_Unit)

◆図中凡例◆

主要状態値 入出力値

1 計算順序

1

2

2

3 4

5 6

7

8 9 10

1 2 3

4 5 6 7

8 9

10

99

③ 発電ユニットクラス

発電ユニットは都市ガス、プロパンガス等の化石燃料を水素燃料ガスに改質し、水素燃料電池による 発電、排熱を行うユニットであり、改質・発電を行う改質器、貯湯タンクに接続された回路に排熱する 熱交換ユニット、直流電流を家庭内の交流電流に変換・変圧するインバーターから構成されている。

発電された電力はインバーターにより直流から交流に変換され、住宅内の各種の電力需要、または自 機の補機等の消費電力に利用される。家庭内の分電盤上では、主幹ブレーカーから見て2次側に200V 子ブレーカーとして分岐している。家庭内の電力需要に追従するとともに、主幹ブレーカーより一次側 に逆潮流することは一般的でないため、専用の分電盤を使用することが一般的である。発電停止中の補 機電気使用量は系統からの買電によって賄われる。

排熱は貯湯タンクから接続された排熱回収回路上の熱交換器を介して貯湯タンク側へ排出される。熱 交換器出口温度(貯湯タンクから見て排熱回収回路還り冷温水温度)は65℃で固定されており、熱交換 器入口温度(貯湯タンクから見て排熱回収回路往き冷温水温度)、排熱量により流量が変動する仕様であ る。

一回の発電開始以降、連続して発電可能な時間には制限があり、PEFCでは20時間、SOFCでは28 日間である。発電開始、停止には一定の時間が必要であり、PEFCでは発電停止から再開まで最短で1 時間、SOFCでは1日程度のインターバルが発生する。なおPEFCは1日の発電開始が2回までに制限 されており、前々章で分析したHEMSデータによると、大半の世帯では1日に1回の発電開始となって いる。

PEFCは発電開始、停止時間を過去のエネルギー使用量の実績データに基づき、学習によって自動的 に決定する制御が行われるが、具体的な制御方法はメーカーから公開されておらず、内容は不明である。

本研究では既往研究で用いられた制御方法を参考とし、発電開始、停止時間の総当たり計算を1日ごと に行い、最も一次エネルギー使用量が優れるケースを採用している。

100

クラスの設定内容を以下に示す。表中のSOFC、PEFCの設定値は本研究の設定値である。

表 4.4 発電ユニット設定項目一覧

項目 単位 内容の解説 SOFC PEFC

定格発電量 W 機器の最大発電能力 700W 750W 定格発電時の

発電効率 % 定格発電量を発電している際の直流 /交流変換後の発電量とガス使用量 の比(発電効率)

46% 36%

部分負荷発電時の

発電効率 % 発電部分負荷率によって変動する発 電効率

※プログラム上で発電部分負荷率を 入力とする特性式によって定義され る。

下記特性式に よる

下記特性式に よる

定格発電時の 排熱効率

% 定格発電量を発電している際の熱交 換器排熱量(貯湯タンクから見た排 熱回収量)とガス使用量の比(排熱 回収効率)

31% 51%

部分負荷発電時の 排熱効率

% 発電部分負荷率によって変動する排 熱回収効率

※プログラム上では部分負荷発電時 の発電効率と同じく、発電時部分負 荷率を入力とする特性式により定義 される。

下記特性によ

下記特性によ

上昇側の発電追従 速度

W/ 家庭内の電力需要に対してどれほど の速度で発電量を変更できるかを表 す指標。上昇側(キャッチアップ側)

の速度を指定。

電力需要の減少に対しては瞬時に対 応できるものとする。

※ただし本報の負荷想定条件ではこ の項目は十分影響を与えているとは 言い難い。

5.0W/ 2.0W/

図 4.5 FCCGSの部分負荷率と発電・排熱回収効率の関係

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

発電・排熱効率[%]

発電負荷率LoadFactor of Electric Power Generation[%]

Efficency(H eat)

35%

定格発電時 発電効率

36%

負荷率25%

発電効率

48%

定格発電時

42% 排熱効率 負荷率50%

排熱効率

35%

負荷率50%

発電効率

44%

負荷率25%

排熱効率

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

発電・排熱効率[%]

発電負荷率LoadFactor of Electric Power Generation[%]

Efficiency(H eat)

46%

定格発電時 発電効率 負荷率50%40%

27% 発電効率 負荷率25%

発電効率

31%

固定値 排熱効率

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