5. 家庭用燃料電池導入効果の推計
6.4. 計算結果
6.4.1. 基本集計
① 発電量とエネルギー購入量の比較
ケース分類別の一次エネルギー使用量を以下に示す。図中青のマイナス方向に振れる棒 グラフはいずれも一台による年積算発電量である。SOFCは8.1GJ/年から12.0GJ/年と1.5
倍に、PEFCも同じく3.5GJ年から5.8GJ/年と1.5倍程度発電量が増加しており、年負荷
率が増加している。一方で供給能力が低下するため、補助ボイラーガス使用量が増加し、
FCCGS発電量増加に伴いガス使用量も増加している。
次ページの集計は二世帯で二台の FCCGS を共有せず使用した場合(以下、非共有ケー ス)と、二世帯で一台の燃料電池を共有した場合(共有ケース)の比較ケースである。機 器の発電能力の制限から、非共有ケースに比べ、共有ケースでは発電寄与率が低下するが、
後述する発電時部分負荷率の向上に伴う発電効率の向上の影響を受け、省エネルギー率は 同程度となる。特に小規模世帯では非共有ケースより共有ケースの省エネルギー率が高く なり、1台で2台分以上の省エネルギー効果を発揮しうる可能性があることが分かった。
図 6.8 エネルギー売買分類別一次エネルギー使用量
-3.5 -5.8 -8.1 -12.0
6.9 14.0 2.4
7.8 10.5
19.8
4.1
6.2 7.8
10.1
1.7
3.8 1.9
4.4 3.7
6.9
-15.0 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 一世帯占有
二世帯共有 一世帯占有 二世帯共有 一世帯占有 二世帯共有
PEFCSOFC基準ケース
一次エネルギー使用量
一次エネルギー使用量[GJ/台・年]
発電量 買電量 FCガス使用量 BBガス使用量
149
図 6.9 二世帯で二台のFCCGSを共有せず使用した場合と二世帯で一台のFCCGSを共有し た場合の一次エネルギー使用量及び省エネルギー率
-3.7 -5.0 -6.3 -6.0 -6.5 -6.4 -10.4 -11.3 -12.2 -12.2 -12.5 -12.8 -4.4 -5.6 -6.2 -6.8 -7.4 -8.1 -14.1 -15.1 -15.9 -16.1 -16.9 -17.6
-2.2 -3.4 -4.0 -7.0 -8.1 -8.8
12.2 12.8 13.9 13.4 15.0 17.1 5.6 6.4 8.1 7.2 8.9 10.7
13.5 13.5 14.8 13.5 14.9 16.2 3.8 4.0 5.2 4.2 5.4 6.6 6.7 6.8 8.1 1.9 2.1 3.3
4.2 5.4
6.8 6.4 7.0
6.9 9.2
9.7 10.3 10.3 10.5
10.7 5.2
6.5 7.2 7.9 8.5
9.2 14.3
14.9 15.4 15.5 16.0
16.4 2.6
3.9 4.6 7.1 7.8 8.2
1.0 2.3
3.5 3.8 5.3
7.2 1.2
2.9 4.2 4.7 6.0
7.6 0.8
2.1 3.7 3.4 4.9
6.5 0.7
2.3 3.6 3.9 5.2
6.5 0.4
1.7 3.3 0.3
1.9 3.3
-30.0-20.0-10.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 Small_Small(n:15)
Small_Standard(n:36) Small_Large(n:36) Standard_Standard(n:15) Standard_Large(n:36) Large_Large(n:15) Small_Small(n:15) Small_Standard(n:36) Small_Large(n:36) Standard_Standard(n:15) Standard_Large(n:36) Large_Large(n:15) Small_Small(n:15) Small_Standard(n:36) Small_Large(n:36) Standard_Standard(n:15) Standard_Large(n:36) Large_Large(n:15) Small_Small(n:15) Small_Standard(n:36) Small_Large(n:36) Standard_Standard(n:15) Standard_Large(n:36) Large_Large(n:15) Small(n:6) Standard(n:6) Large(n:6) Small(n:6) Standard(n:6) Large(n:6)
PEFCSOFCPEFCSOFCPEFCSOFC
2households group(not share FC)1household
Share 1 FC by 2 householdUse 1 FC by 1 household
Energy Consumption and Electricity Power Output[MWh/household・year]
Electricity generation Purchase electricity Electricity use FC Gas use FC Gas use backup boiler
7%
9%
10%
9%
9%
8%
15%
15%
17%
15%
16%
15%
5%
7%
7%
8%
8%
8%
7%
9%
11%
13%
13%
14%
5%
8%
8%
9%
13%
15%
33%
33%
34%
34%
34%
34%
41%
42%
43%
43%
44%
44%
31%
32%
32%
32%
32%
32%
36%
37%
38%
38%
39%
39%
31%
32%
32%
36%
38%
39%
0% 10% 20% 30% 40% 50%
Energy saving rate Efficency rate of electric generation
150
② システム効率
システム効率のケース別計算結果を図 6.10に示す。全体的な傾向として排熱利用効率が 低下する分SOFCよりPEFCの方が二次エネルギーで見れば効率は良い。SOFCは60%弱 から70%強、PEFCは75%から80%強に分布する。ラジエーター排熱量は生活スタイルに 大きく影響されることや、PEFCは学習により運転、停止時間の最適化がなされ、発電部 分負荷率が高くなる時間が優先して発電時間に割り当てられるのに対し、SOFCは学習に よる最適化は実装されていないため、世帯別の導入効果の差異が大きい。
全体的に共有ケースはシステム効率が向上する。入力される負荷が大きい場合は共有な しにおいても効率が向上するが、本研究の計算では特に同規模の電気使用量、湯使用量の セグメントにおいても共有ケースの方が優位である点に注意されたい。これは負荷の大小 だけでなく、異なる生活パターンの合計による負荷分散の効果によるものである。
図 6.10 エネルギー変換効率
76%
80%
59%
66%
32%
34%
38%
43%
45%
46%
31%
31%
45%
46%
21%
23%
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%
一世帯占有 二世帯共有 一世帯占有 二世帯共有
PEFCSOFC
効率
発電効率・排熱回収効率・排熱利用効率・総合効率[%]
排熱利用率 排熱回収率 発電効率 総合効率
151
③ 一次エネルギー削減効果
一次エネルギー削減量と省エネルギー率を以下に示す。共有前の省エネルギー率 SOFC で13%、PEFCで8%に対し、導入後は16%、9%に増加している。導入前は2世帯に2台 設置するのに対し、共有後は 2世帯に1台の設置で済むため、設備調達に要するイニシャ ルコストを半分抑えたうえで、省エネルギー効果の向上がなされている。
図 6.11 一次エネルギー削減量
図 6.12 一次エネルギー削減率
46.5
87.5 43.8
81.0
50.8
96.1 50.8
96.1
4.3 8.6 6.9
15.1
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0 一世帯占有
二世帯共有 一世帯占有 二世帯共有
PEFCSOFC
一次エネルギー削減効果
一次エネルギー使用量[GJ/台・年]
一次エネルギー削減効果/台 基準ケース一次エネルギー 一次エネルギー使用量
8%
9%
13%
16%
0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 18%
一世帯占有 二世帯共有 一世帯占有 二世帯共有
PEFCSOFC
一次エネルギー削減効果
省エネルギー率[%]
省エネ率
152