第 3 章 の参考文献
4.1 緒論
4.3.8 CIP 法
前者 (A) の場合,連続の式を満足する反変速度をセル中心に補間するため,結果と して得られるデカルト成分 ui は連続の式を大きく破らないと期待できる.しかし,梶 島[25]は,以下の問題点を指摘している.更新後のセル表面の反変速度Ui は,例えば U1e
u{∗∗}C , u{∗∗}E
のように,隣接セルの速度から補間して求めた中間量に,修正量∆U1 を 加えたものである.u{∗∗}E は運動方程式を解いて求めるが,その際Cから離れた E の隣接 セルの量を用いて計算されているため,最終的に求められた更新後のセル表面の反変速度 U1e には,遠方の計算点の情報が入り込んでいる.よって,前者の方法では補間を重ねた 結果解がぼやける.このことは,例えば水中気泡などを計算する場合に,気泡に働く浮力 や界面に働く表面張力が本来作用しない遠方のバルク流体中に作用してしまうことを意味 する.一方,後者(B)の場合,セル表面で求めた速度修正量そのものをセル中心に補間し て速度修正を行うため,前者(A)の方法のような問題は生じない.よって,本研究では後 者(B)の速度修正法を採用する.
block 1
block 2 ξ2
ξ1
ξ1 ξ2
x1 x2
図4.3.7 微係数対応
ブロック分割法では,座標線はブロック毎に勝手にとることができる.そのため,図
4.3.7に示すように,偏導関数∂f/∂ξi はブロック間で異なっている場合は,直接その値を
受け渡すことはできない.この対策として,以下の2通りの方法が考えられる.
(1) 記憶する変数を∂f/∂ξiとし,他ブロックの値を参照する場合には,参照先のブロッ クにおいて∂f/∂ξi → ∂f/∂xi と変換してから参照元ブロックに値を引き渡し,その 後参照元ブロックにおいて∂f/∂xi → ∂f/∂ξi なる変換を行う.
(2) 記憶する変数を ∂f/∂xi とし,ブロック間の値の参照を直接行う.移流計算時に
∂f/∂xi →∂f/∂ξi なる変換を行う.
本研究では,ブロック間の値の参照が簡単な後者を採用する.
方向分割型CIP法は,1次元CIP法を各軸方向に順に適用して,多次元の移流方程式 を解く方法である.ξi 方向の f の分布は3次多項式により表わされる.
f (ξi)=C3(ξi)3+C2(ξi)2+C1ξi+C0 (4.3.44) 上式中の係数を以下に示す.
C3 = ( fξi)IU P+( fξi)I
∆ξi2 −2fIU P+ fI
∆ξi3 C2 = 3fIU P− fI
∆ξi2 − ( fξi)IU P+2( fξi)I
∆ξi C1 = ( fξi)I
C0 = fI
(4.3.45)
下付添字Iは着目しているセル,IU Pはξi 方向の上流側セルの値を各々表わす.また∆ξi
は,
∆ξi = −sign(1,Ui) (4.3.46)
と定義した.fξi については,3次多項式(4.3.44)を微分した,
fξi(ξi)= 3C3(ξi)2+2C2ξi+C1 (4.3.47) を用いてその分布を決定し,移流項を解く.また,非移流項は,
∂fξi
∂t = −∂Uj
∂ξi fξ(∗)j (4.3.48)
とし,差分法を適用して解く.ここで,上付添字 (∗) は移流項を計算した後の値を意味 する.
1次元CIP法では,ξ1 方向の移流計算において,次に行うξ2 方向の移流計算に必要と なる fξ2 の値を更新できない.さらに,その後のξ3方向の移流においては,ξ1, ξ2 方向の 移流計算により更新された fξ1, fξ2, fξ3 の値が必要である.そこで,線形補間を用いて移 流方向以外の f の勾配値を更新する.具体的な手順を以下に示す.
ξ1-direction CIP1D
f,n→ ∗;ξ1
LINEAR1D
fξ2,n→ ∗;ξ1 LINEAR1D
fξ3,n→ ∗;ξ1 ξ2-direction CIP1D
f,∗ → ∗∗;ξ2
LINEAR1D
fξ1,∗ → ∗∗;ξ2 LINEAR1D
fξ3,∗ → ∗∗;ξ2 ξ3-direction CIP1D
f,∗∗ →(∗) ;ξ3 LINEAR1D
fξ1,∗∗ →(∗) ;ξ3 LINEAR1D
fξ2,∗∗ →(∗) ;ξ3 non-advection ∂fξi
∂t =−∂Uj
∂ξi fξ(∗)
j
ここで,CIP1Dは1次元CIP法,LINEAR1Dは線形補間を意味する.
速度ui は,移流フェイズで更新された後,さらに拡散フェイズおよび音響フェイズにお いても更新される.したがって,拡散フェイズおよび音響フェイズにおける変化に応じて 空間勾配∂f/∂xiを更新する必要がある.次式により勾配値の更新を行う.
after Diffusion phase:{∗} → {∗∗}
fx{∗∗}i − fx{∗}i = ∂f{∗∗}
∂xi − ∂f{∗}
∂xi =
"
∂ξj
∂xi
∂f{∗∗}
∂ξj − ∂ξj
∂xi
∂f{∗}
∂ξj
# (4.3.49)
after Acoustic phase:{∗∗} → {n+1}
fx{n+1}i − fx{∗∗}i = ∂f{n+1}
∂xi − ∂f{∗∗}
∂xi =
"
∂ξj
∂xi
∂f{n+1}
∂ξj − ∂ξj
∂xi
∂f{∗∗}
∂ξj
# (4.3.50)