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基礎方程式

ドキュメント内 2007 2 (ページ 59-63)

第 1 章 の参考文献

2.2 基礎方程式

2.2.1 単相流の基礎方程式および二相界面における跳躍条件

図2.2.1に示す面積Aの界面に隔てられた不浸透の二相n,pを考える.両相の体積の

和はΩで,その表面積はS である.各相の体積についてΩn+ Ωp = Ωが成り立つ.下付 添字 n,pは各々相 n,pを意味する.図中nはΩn の界面における外向き法線ベクトルで ある.どちらの相に対して外向きであるかを明示的に書く場合には,nn のように下付添 字を付す.Ωp の界面における外向き法線ベクトルは,np =−nn である.Ωが界面を含ま ず,相nあるいは相pのみが存在する場合,Ω内で以下の連続の式および運動方程式が成 り立つ[12].

∂ρk

∂t +∇ ·ρkuk= 0 (2.2.1)

ρk

"

∂uk

∂t +uk· ∇uk

#

=∇ ·Tkkfk (2.2.2)

S

up dS

dS n

interface A phase n

phase p

2.2.1 界面に隔てられた不浸透の二流体

ここで,ρは密度,tは時間,uは速度,T は応力テンソル,f は体積力である.下付添字 knあるいは pをとる.

界面において成立する質量および運動量の跳躍条件を以下に示す[13–15]. X

k=n,p

ρk(ukuintnk =0 (2.2.3)

X

k=n,p

Tk−ρkuk(ukuint)

·nk =∇σ−σn (∇ ·n) (2.2.4)

ここで,σは表面張力である.下付添字intは界面を意味する.

2.2.2 一流体近似による二相流の基礎方程式

本研究で開発する体積追跡法を基礎とする界面追跡法では,一流体近似に基づく基礎方 程式を用いる.以下,一流体近似に基づく基礎方程式を導出する.

位置 xを占める相を記述する変数として,相定義関数χk(x,t)を用いる[16]. χk =

( 1 if x∈Ωk

0 otherwise (k=n,p) (2.2.5)

各相内で成立する基礎方程式(2.2.1), (2.2.2)にχkを掛けて以下の式を得る.

∂χkρk

∂t +∇ ·(χkρkuk)=−ρk(ukuint) nkδk (2.2.6)

/〆 f ♂-~~--­

‑ ‑ 日 一

∂χkρkuk

∂t +∇ ·(χkρkukuk)=∇ ·(χkTk)+χkρkfk+

Tkukρk(ukuint)

·S (2.2.7) ただし,式変形に以下の諸式を用いた.

∂χk

∂t +uint · ∇χk =0 (2.2.8)

∇χk= −nkδS (2.2.9)

ここで,δS はデルタ関数である.

式(2.2.6), (2.2.7)を各々k = n, pについて加え合わせたのち,跳躍条件(2.2.3), (2.2.4) を考慮することで,以下の一流体近似に基づく連続の式および運動方程式を得る.

∂ρ

∂t +∇ ·ρu= 0 (2.2.10)

∂ρu

∂t +∇ ·(ρuu)= ∇ ·Tf +[∇σ−σn (∇ ·n)]δS (2.2.11) ここで,

ρ= X

k=n,p

χkρk (2.2.12)

u= P

k=n,pχkρkuk P

k=n,pχkρk

(2.2.13)

T = P

k=n,pχkTk

P

k=n,pχk

(2.2.14)

f = P

k=n,pχkρkfk

P

k=n,pχkρk

(2.2.15) である.一流体近似に基づく式(2.2.10), (2.2.11)は,単相流の式(2.2.1), (2.2.2)と似てい るが,相定義関数χk により位置 xを占有する相の物理量が選択される.また,運動方程 式に表面張力項が現れる.

2.2.3 一流体近似に基づく基礎方程式と跳躍条件の整合性

計算セルサイズを無限小に縮めていくとき,一流体近似に基づく基礎方程式が元の跳躍 条件に一致することを示す.

図2.2.2(a)に示す界面を含む計算セルを考える.セルの界面法線方向の高さをhとす

る.連続の式(2.2.10)を体積Ωについて積分する.

Z

∂ρ

∂tdΩ + Z

S

ρu·dS=0 (2.2.16)

n

A

p phase p

phase n dA

n

h 0 h

interface Ω

p

dA -n dSp

n

dA

dSn

n

dSn

dSp

h 0 : dSn/ |dSn| −n dSp/ |dSp| n

(a) (b)

2.2.2 界面を含み,各相側に突出した計算セル

ここで,dS は面積要素ベクトルで,Ωに対して外向きである.セルを無限に小さくした

ときの式 (2.2.16)の挙動を示すために,セル高さhに対して 0の極限にとる.h → 0に

応じて,上式中体積積分が面積積分よりも先に0になる.さらに,側面のセル表面の寄与 も0になるから,界面を上下から挟む2表面上の面積分と界面の寄与のみが残る.この とき,相n側セル表面dSn および相p側セル表面dSp の外向き法線は,h→ 0の極限で 各々−n, nに一致する.図2.2.2(b)に示すように,各相体積Ωn, Ωp ごとに分割して考え て,界面速度uint を導入すれば,式(2.2.16)は,

X

k=n,p

ρk(ukuintnk =0

となり,質量の跳躍条件(2.2.3)に一致する.同様の手順により,一流体近似による運動 方程式(2.2.11)から跳躍条件(2.2.4)が導かれる.

2.2.4 仮定・構成式

本研究では相変化がないと仮定する.この場合,質量の跳躍条件(2.2.3)より,界面法 線方向の速度成分はすべて等しい.

un· n=up·n=uint· n (2.2.17)

速度の接線方向成分にはすべりがある,すなわち界面エントロピー生成があると考えられ ている [13].しかしながら,このことに関する実験的な知見[17]は非常に少なく,すべ

りなしと仮定することが多い.本研究でも,既存の界面追跡計算と同様に,すべりはない と仮定する.したがって,

n×(upun)=0 (2.2.18)

運動量の跳躍条件に nを外積した次式,

[n×(upun)]ρp(upunnn×[(τp−τnn]= n× ∇σ (2.2.19) において,表面張力σが一定と仮定すると次式を得る.

n×[(τp−τnn]= 0 (2.2.20)

ここで,τは粘性応力テンソルである.本研究では表面張力を一定とする.また,応力テ ンソルT が次式で表わされるニュートン流体のみを扱う.

T =−pI

"

∇u+(∇u)T − 2

3(∇ ·u) I

#

(2.2.21) ここで,pは圧力,I は単位テンソル,µは粘度である.また,扱う流体はすべて非圧縮 性流体,体積力は重力ρgのみとする.以上の仮定により,以下の連続の式および表面張 力項を含む運動方程式を得る[3, 18].

∇ ·u= 0 (2.2.22)

ρ

"

∂u

∂t +u· ∇u

#

= −∇p+∇ ·h µ

∇u+(∇u)Ti

g−σn (∇ ·n)δS (2.2.23)

ドキュメント内 2007 2 (ページ 59-63)