A
鯉1.0
無 属 吏
0 10 20 30 40 50
バインド線先端からプローブ探針までの距離 D(cm)
図2−7 探針の位置Dと沿面放電到達時刻t。の代表的な関係 (正極性沿面放電、印加電圧波高値:一80kV)
t、より、沿面放電の進展速度が求まる。沿面放電が時刻Oでバインド線 先端から進展を開始したとすると、A点(バインド線先端から10cmの 位置)まで進展するのに約O.8μs要している。その後、A点からD点ま
での進展時間は約0.5μsとなっている。しかし、放電進展停止直前にな ると、D点からE点まで進展するのに、約1.7μs必要となっている。
表2−2は、図2−7の結果より求められた各区間を進展するときの 沿面放電の平均進展速度を示す。O−A区間は、沿面放電の進展初期の 段階であり、心線電位がまだ低く、放電先端で発生した電子は十分に加 速されないため、この区間の進展速度は、比較的遅いものと思われる・
A−B,B−C区間は、心線電位が上昇し、放電先端の電界が増大して・
表2−2 沿面放電の平均進展速度
(正極性沿面放電、印加電圧波高値:一80kV)
進展区間 平均進展速度(m/S)
O−A
1.3×105A−B
5.0×105B−C
5.0×105C−D
1.0×106D−E
4.1×104電子の加速が十分に行われるため、放電先端部分の衝突電離が活発化し、
進展速度も速くなる。C−D区間は、A−B,B−C区間で発生した電
子、正イオンにより放電先端の電界がさらに上昇し、電子の加速が速まり、進展速度が最も速くなる区間である。しかし、沿面放電の進展とと もに、放電内部で電位降下が生じるため、放電先端の電界が次第に減少 していく。そのため、放電先端における衝突電離が抑制され、D−E区 間になると、進展速度は、急激に減少し、やがて放電は進展を停止する
ことになる。測定の結果、沿面放電がバインド線先端を出発し、進展を 停止するまでの平均進展速度は、正極性沿面放電では、約1.6×五05㎜/s、
負極性沿面放電では、約5.3×105m/sである。
2.4 結 言
架空絶縁電線のがいし支持点における沿面放電特性を明らかにするた め、模擬誘導電サージ電圧を供試絶縁電線の心線に印加し、バインド線
先端から進展する沿面放電路の内部電位降下を電位プローブ法によって 測定し、併せて放電の進展速度も求め検討した。その結果、以下の知見
を得た。
(1)沿面放電路内部の電位降下は、放電路内部の距離の増加ととも に線形的に増加する。このときの電位降下率は、約O.4kV/cmで
ある。
(2)放電が進展を停止する直前では、放電先端のわずかな領域で、
急激に電位降下が生じることがわかった。この領域での電位降下率 は、約7.1kV/cmである。
(3)放電進展停止時における放電先端と心線間の電位差は、約30kV である。これは、バインド線先端から放電が進展を開始する電圧と ほぼ一致する。
(4)放電の進展開始と停止付近では、進展速度は遅く、特に、進展 停止付近で急激に減速する。進展を開始してから停止するまでの正 極性及ぴ負極性沿面放電の平均進展速度は、それぞれ約1.6×105皿/s,
5.3x105m/sである。
策3章 架空絶縁電線表面における
乾燥状態での沿面放電現象(63・78・79)
3.1 緒 言
本章では、誘導電サージ電圧による電線表面の沿面放電現象について、
放電進展長、放電様相などの基本的な放電特性を求める。観測の結果と して、沿面放電の進展長は、放電の極性によって異なること、並びに放 電極性による放電様相の相違と変化過程を明らかにしている。すなわち、
誘導電サージ電圧の侵入によって心線電位が変化しても、正極性沿面放 電の進展長特性と放電様相は心線電位の影響を受けない。これに対して、
負極性沿面放電は、心線電位の変化とともに放電様相の変化が現れ、こ れが進展長特性に影響を及ぼすことを明らかにしている。
3.2 実験回路および実験方法
実験回路は図2−1に示したものと同様である。また、供試絶縁電線 は、表2−1に示したものと同様のものを使用した。インパルス電圧発 生器(IG)により標準雷インパルス電圧を発生させ、電線の心線に1回 だけ印加することによって、誘導雷が電線に侵入した状態を模擬した。
このとき、バインド線先端より進展する正極性、及び負極性沿面放電の 進展長と進展様相を観測した。進展長は、静止カメラによる写真撮影か ら求めた。また、進展様相は、静止カメラにイメージインテンシフアイ ヤ(暗視装置)を装着して写真撮影し、その現像写真から細部にわたる
観測を行った。
3.3 実験結果および考察
3.3.1 印加電圧波高値と沿面放電進展長の関係
図3−1は、印加電圧波高値(以下、V。と略す)と沿面放電進展長 Lの関係を示す。横軸のV。の値は、絶対値を示している。各測定点は10 回の測定の平均値であり、進展長のばらつきは、V。=50kVにおける 負極性沿面放電の場合(B点)を除いて約±10%であった。同図中のB 点では、後節3.3.2で詳述するように進展長の異なる二つの放電形態 が混在するため、進展長のばらつきは約±30%と大きくなる。同図より 正極性沿面放電の進展長は、V。の上昇に伴って単調に増加する・一方・
負極性沿面放電の進展長は、V。≦50kVの範囲(図中A−B)におい
て、V、の上昇とともに単調に増加し、かつ、正極性沿面放電よりも長くなる。ところが、Vm>50kVの範囲(図中B−C)において、進展
9,60 0:正極性沿面放電
) △:負極性沿面放電
■40 B
蝋