9,60 0:正極性沿面放電
) △:負極性沿面放電
■40 B
蝋
」
バインド線 1cm
]
1cm(a)バインド線先端の様相 (b)沿面放電先端の様相 V皿:一80k V,L=50c m Vm=一80k V,L=44c m
図3−2 正極性沿面放電の進展様相
圧では負極性沿面放電のときに(すなわち、心線に正極性サージが侵入 したときに)、逆に、高い雷サージ電圧では正極性沿面放電のときに
(すなわち、心線に負極性サージが侵入したときに)増加することが指 摘される。わが国では、夏季に発生する対地雷放電は一般にほとんどが 負極性であるが、冬季には日本海側で正極性対地雷放電の発生割合が増 大(3)するため、今回の実験で得られた結果は、雪害対策に重要な指標 を与えるものと思われる。
3.3.2 沿面放電の進展様相
(A)正極性沿面放電
図3−2は、正極性沿面放電の典型的な進展様相を示す。これは静止
電離が生じる範囲
\\。/
。 窒
正極性沿面放電 ○
、
一●一■一■■■○
一 、
○\、
電子 、
b正イオン
十 十
〃
、 、
、○
.一・■■一一 一
絶縁電線
図3−3
正極性沿面放電先端のモデル図カメラにイメージインテンシフアイヤを装着することにより撮影された ものである。同図(a)はバインド線先端の様相を示しており、V。=
一80kV、進展長は50cmであった。また、 (b)は沿面放電先端の様
相であり、V。=一80kV、進展長は44cmであった。これらより正極
性沿面放電は電線表面をジャンプしながら進展することがわかる。また、測定された全ての進展様相は、V、、及び進展長の長短に関わらず進展 途中で変化することなく、常に電線表面をジャンプしながら進展してい た。図3−3に、以上の観察結果に基づいた、正極性沿面放電先端のモ デル図を示す。電線付近の偶存電子が放電先端の電界によって加速され、
衝突電離が生じることにより正極性沿面放電は進展していく。電離によ って生じた電子は、放電先端に飛び込み、これがジャンプしながら進展 していく様相となって現れるものと思われる。また、正イオンは、心線 の負電位に吸引され、電線表面で正極性沿面放電を助長するように働く・
バインド線
\絶縁電線
]
1cmバインド線先端の様相 V㎜=80kV,L=23c皿
回3−4 負極性沿面放電の進展様相
(B)負極性沿面放電
図3−4は、バインド線先端における負極性沿面放電の典型的な進展
様相を示す。これはV。=80kV、進展長が23cmの場合である。バイ
ンド線先端では、負極性沿面放電は電線表面に密着して進展し、正極性 沿面放電の場合に現れたような電線表面からのジャンプ現象は見られな い。また、放電の幹をなすリーダから電線の側面に沿って細い筋状の放 電路が多数伸びている。このような放電形態は、バインド線先端におい て、V。、及び進展長が変化しても常に観測される。
ところで、負極性沿面放電の進展長は、V。≒50kVを境にして急変 することを図3−1に示した。この原因を明確にするため、V。≦50kV
の領域(図3−1のA−B)とV。>50kVの領域(図3−1のB−
C)において、沿面放電先端の様相がどのように変化するかを調べた。
(1)Vm≦50kVのとき
図3−5は、この領域における負極性沿面放電先端の典型的な放電様
相である。同図(a)は、V。=40kVの場合の様相であり、放電先端
は、電線表面に密着している。このように放電先端が密着した形態は、
」
1cmL=17cm
(a)V㎜=40kV
(b−2)L=22cm
(b)Vm=50k V
図3−5 負極性沿面放電先端の様相(V。≦50kV)
V。≦40kVの場合に常に現れることが判明した。また、この電圧範囲 における沿面放電の進展長は、V。の上昇とともに増加する。また、
(b)は、V㎜=50kVの場合の様相を示す。この電圧値は、図3−1
における負極性沿面放電の平均進展長が、増加から減少へ急変する境界 の電圧であり、この場合には二種類の放電形態が存在する。すなわち、図3−5(b−1)に示されるように放電先端が電線表面に密着する場 合と同図(b−2)に示されるように進展途中は密着しているが、放電 先端付近になると電線表面からジャンプする場合である。以後、前者を 先端密着型、後者を先端ジャンプ型と呼ぶことにする。進展長は先端密 着型の方が先端ジャンプ型よりも約1.8倍長くなる。また、V。=50kV で約100回の測定を行った結果、先端密着型の発生確率は45%、先端ジ ャンプ型の発生確率は55%であり、両者はほぼ半分の確率で発生するこ
とが判明した。
(a−2)L=25cm
(a)Vm:60k V
」
1cmL:20cm
(b)V皿:70kV
図3−6 負極性沿面放電先端の様相(V。>50kV)
(2)Vm>50kVのとき
図3−6は、この領域における負極性沿面放電先端の典型的な放電様
相である。同図(a)は、V。=60kVの場合の様相を示す。この場合
も放電先端の形態は、先端密着型と先端ジャンプ型が存在する。 (a−
1)は先端密着型の代表例であり、 (a−2)は先端ジャンプ型の代表 例である。V。=60kVの場合には、先端ジャンプ型の発生確率は93%
に増加し、先端密着型の発生確率は7%となり極めてまれにしか発生し ない。ただし、いったん先端密着型となると、その進展長はV。が高い ために先端ジャンプ型の約2倍程度に長くなる。また、同図(b)は、
V。:70kVの場合における放電先端の様相を示す。放電形態は先端ジ ャンプ型となっている。V。≧70kVにおける放電先端の形態は先端ジ ャンプ型のみとなり、先端密着型は存在しなくなる。
図3−1に示されたような負極性沿面放電の平均進展長が、V。≒50
① ② ③
.油.
言草、へ事込
ヲ違/
図3−7 負極性沿面放電先端近傍の模式図 (先端ジャンプ型、V。≧70kV)
kVを境として急変する原因は、沿面放電の進展形態と密接に関連して おり、次のように説明することができる。V。≦40kVでは、沿面放電 先端の形態は全て先端密着型となるため、進展長はV。の上昇とともに 単調に増加する。V。=50kVでは、先端密着型と先端ジャンプ型が、
ほぼ50%の確率で混在する。前述したように、先端ジャンプ型の進展長 は先端密着型のそれよりも短くなることから、V。:50kVでは、先端 ジャンプ型の混在により平均進展長の伸びは抑制されることになる。ま た、V。=60kVの場合には、先端ジャンプ型の発生確率が圧倒的に大 きくなるため、平均進展長はV。=50kVの場合よりも低下する。さら に、V。≧70kVでは、全て先端ジャンプ型となり、平均進展長はます
ます減少することとなる。図3−7は、V。≧70kVの場合に観測され
た負極性沿面放電先端の放電様相(先端ジャンプ型)を模式的に示した ものである。以上より、負極性沿面放電先端近傍における放電形態は、次の三つの領域に分類することができる。
①放電が電線表面に密着して進展する領域
②放電が電線表面上を円弧状にジャンプする領域
③放電が進行方向に対して約40〜50。の傾きを持ち、離散的にジャン
プする領域
この三領域のうち、②と③が存在するとき、沿面放電の進展長は抑制 されることから、先端ジャンプ型の放電形態は放電の進展に対して抑制 効果を持つことが示唆される。それ故、負極性沿面放電の進展には、放 電先端が電線表面に密着しているかジャンプしているかが重要な因子と
なる。
(C)負極性沿面放電先端のジャンプ現象についての考察
図3−8は負極性沿面放電の進展モデルを示す。誘導電サージ電圧は、
架空絶縁電線の心線に侵入するため、心線の電位が上昇すれば、電線表 面の電界も上昇する。この電界変化に伴って沿面放電は影響を受ける。
負極性沿面放電の内部は、正イオン、負イオン、及び電子が混在するプ ラズマ状態であるが、 (a)のように放電先端部では、陰極であるバイ ンド線から供給される電子が多く存在し、衝突電離によって生じた正イ オンは放電先端後部に残される。プラズマ部分は、電気的中性のため電 界の影響をあまり受けないが、心線電位が上昇し電線表面の電界が強く なると、 (b)のように放電先端部の正イオン、負イオン、及び電子は、
影響を受けることになる。すなわち、負イオン、または電子は、心線の 正電圧により電線表面に吸着されるが、正イオンは逆に反発されて電線 表面から飛散する。この飛散現象が負極性沿面放電先端に発生するジャ ンプ現象となって現れる。このため、放電先端部では、正イオン密度が 減少して導電率が下がり、放電内部の電位降下が増大する。この電位降 下のため、放電先端では、バインド線からの新たな電子の供給が減少し、
急激に電界が低下するため周囲の空気を電離できなくなり放電の進展は
停止する。
今、放電先端の電荷に影響を与え、ジャンプ現象を起こさせるのに十
電離が生じる範囲、!. 二二二二、、、
、 〃
、 o , o 、 一〇 ○■■・■一■■■
絶縁電線
(a)放電先端部
心線(十)
プラズマ 電子 バインド線