11 / 20
◎方法書事例(むつ小川原港洋上風力発電)の整理結果
【洋上風力発電事業の計画概要】
項目 むつ小川原港洋上風力発電事業 実施者 むつ小川原港洋上風力開発株式会社
実施海域 青森県上北郡六ヶ所村のむつ小川原港湾区域
(尾駮地先・新納屋地先)
発電所・主 要設備等
●風力発電機:32基 総出力80MW 尾駮地先西側2.5~3.0MW級(14基程度)
東側2.5~5MW級(8基程度)
新納屋地先:2.5~3.0MW 級(10基程度)
●基礎:ケーソン式
(尾駮地先西側はドルフィン式又は併用)
風 力 発 電 設 備工事
①ケーソン式基礎工事
・床堀工、基礎捨石工、根固ブロック等据付等
・発電機組立、発電機据付
②ドルフィン式基礎工事
・鋼管杭打設、上部コンクリート工
・発電機組立、発電機据付 その他工事 ①ケーソン式基礎工事
陸上でのケーソン・根固ブロック・被覆ブロック製作
13 / 20
むつ小川原港港湾区域
(尾駮地先・新納屋地先)
【環境影響評価項目と選定・非選定理由】
工事用資 材等の搬 出入
建設機械 の稼働
造成等の 施工によ る一時的 な 影響
地形改変 及び施設 の存在
施設の稼 働
窒素酸化物 × × 工事用資材等の搬出入に伴う車両及び船舶の窒素酸化物の影響、建設機械の稼働及び船舶の窒 素酸化物の影響は極めて小さいため非選定。
粉じん等 × × 工事用資材等の搬出入に伴う車両及び船舶の粉じんの影響、建設機械の稼働及び船舶の窒素酸 化物の影響は極めて小さいため非選定。
騒音 ○ ○ ○ 工事用資材等の搬出入計画の主要輸送経路沿い、ブロック製作ヤード近傍に住居が存在するた め選定。また、対象事業実施区域の周辺に住居が存在するため選定。
超低周波音 ○ 対象事業実施区域の周辺に住居が存在するため選定。
振動 振動 ○ × 工事用資材等の搬出入計画の主要な輸送経路沿いに住居が存在するため選定。ただし、建設機
械の稼働に伴う振動の影響は極めて小さいため非選定。
水質 水の濁り ○ × 建設機械による海底の掘削工事を行うため選定。ただし、陸上の対象事業実施区域では造成等 の施工を行わないため非選定。
底質 有害物質 ○ 建設機械による海底の掘削工事を行うため選定。
地形及び地
質 重要な地形及び地質 × 対象事業実施区域に学術上又は希少性の観点からの重要な地形及び地質が存在しないため非選 定。
風車の影 ○ 対象事業実施区域の周辺に住居が存在し、施設稼働に伴う風車の影の影響が考えられるため選 定。
水中音 ○ ○ ドルフィン式基礎の場合、杭打設に伴う水中音による影響が生じる可能性があり、また風車運 転に伴う水中音による影響が生じる可能性があるため選定。
× 陸上の対象事業実施区域では造成等の施工を行わないため非選定。ただし、風車設置及び稼働 に伴い、風車設置位置及びその周辺に生息する動物に影響が生じる可能性があるため選定。
○ ○ 掘削工事に伴って風車設置位置及び周辺に生息する動物に影響が生じる可能性、風車設置に 伴って風車設置位置及び周辺に生息する動物に影響が生じる可能性があるため選定。
× × 陸上の対象事業実施区域では造成等の施工、地形改変が行われない、また施設の存在がないた め非選定。
○ ○ 掘削工事に伴って風車設置位置及び周辺に生育する植物に影響が生じる可能性、風車設置に 伴って風車設置位置及び周辺に生育する植物に影響が生じる可能性があるため選定。
生態系 ×
造成等の施工による一時的な影響、地形改変及び施設の存在、施設の稼働による生態系への影 響は極めて小さい。また、海域生態系は種の多様性や種々の環境要素が複雑に関与し、未解明 な部分もあため非選定。
景観 ○ 対象事業実施区域の周辺に眺望点が存在し、施設存在に伴い眺望景観の変化が想定されるため
選定。
人と自然と の触れ合い の活動の場
× ×
対象事業実施区域の周辺に存在する人と自然との触れ合いの活動の場のアクセスルートへの影 響はきわめて小さい。また、対象事業実施区域及びその近傍に人と自然との触れ合いの活動の 場が存在しないため非選定。
○ 工事に伴い産業廃棄物が発生するため選定。
× 残土は発生しないため非選定。
廃棄物等 産業廃棄物 残土 動物
重要な種及び注目すべき生息地
(海域に生息するものを除く。)
海域に生息する動物
植物
重要な種及び重要な群落(海域に 生育するものを除く。)
海域に生育する植物
地域を特徴づける生態系
主要な眺望点及び景観資源並びに 主要な眺望景観
主要な人と自然との触れ合いの活 動の場
工事の実施 土地又は工作物の 存在及び供用
大気環境 大気質
騒音
水環境
その他の 環境 その他
環 境 影 響 評 価 項 目 の 選 定 ・ 非 選 定 理 由 環境要因の区分
環境要素の区分
:環境影響評価法における風力発電施設に係る参考項目
○:選定する項目
×:選定しない項目
○
×
14 / 20
【調査・予測・評価の方法】
15 / 20
工事用資材等の搬出入 公定法による道路交通騒音レベルの測定道路交通騒音の予測モデルによる等価騒音レベ ルの予測
建設機械の稼働 建設工事騒音の予測モデルにより騒音レベルの
予測
施設の稼働 伝搬予測方法(ISO9613)により騒音レベルの
予測 超低周波音 施設の稼働 公定法による周波数別音圧レベル及びG
特性音圧レベルを測定
伝搬予測方法(ISO9613)により超低周波音の 予測
振動 振動 工事用資材等の搬出入 公定法による振動レベルの測定 道路交通振動の予測計算式により振動レベル予 測
水質 水の濁り 建設機械の稼働 採水器により採水を行い、公定法により
水質を測定 類似事例を参考に海域への影響の程度を予測 底質 有害物質 建設機械の稼働 採泥器等により採取を行い、公定法によ
り底質の有害物質を測定 類似事例を参考に海域への影響の程度を予測 風車の影 施設の稼働 地図や地形図等の収集を行い、風車影に
留意すべき住居等を確認
風車配置等計画を基に影の及ぶ範囲及び時間帯 を予測
建設機械の稼働 施設の稼働 哺乳類(コウモ リ類)
地形改変及び施設の存在 施設の稼働
バットディテクターを用いたポイントセ ンサス
重要種が確認された場合、分布及び環境の改変 程度を把握し、類似事例の引用又は解析により 影響を予測
鳥類 地形改変及び施設の存在 施設の稼働
ポイントセンサス調査、ラインセンサス 調査、任意観察調査、船舶トランセクト 調査、レーダー調査
重要種及び注目すべき生息地が確認された場 合、分布及び環境の改変程度を把握し、風車接 触影響等について、類似事例の引用又は解析に より影響を予測
造成等の施工による一時的な影響 地形改変及び施設の存在 造成等の施工による一時的な影響 地形改変及び施設の存在 造成等の施工による一時的な影響 地形改変及び施設の存在 造成等の施工による一時的な影響 地形改変及び施設の存在 主要な眺望点及び景
観資源並びに主要な 眺望景観
主要な眺望景観 地形改変及び施設の存在 風車の可視領域を検討し、主要眺望点に て現地写真撮影を実施。
フォトモンタージュ法により景観変化について 予測
環境影響評価項目
騒音
騒音
海域に生息する 動物
魚等の遊泳動物
調 査 方法 予 測方 法 評 価 方法
重要な種及び注 目すべき生息地
(海域に生息す るものを除 く。)
影響要因
水中音 水中マイクを垂下して、水中騒音の音圧
レベル別周波数特性を把握
工事中・稼働後の水中騒音既往事例を参考に影 響程度を予測
公定法による騒音レベルの測定
海域に生育する 植物
海域に生育する 植物
各影響評価項目 に係る影響が実 行可能な範囲内 で回避又は低減 されているか、
環境保全につい ての配慮が適正 になされている かを検討。
その他
分布及び生息環境の改変の程度を把握し、類似 する事例の引用又は解析により影響を予測 分布及び生息環境の改変の程度を把握し、類似 する事例の引用又は解析により影響を予測 分布及び生息環境の改変の程度を把握し、類似 する事例の引用又は解析により影響を予測 底生生物
海産哺乳類
分布及び生息環境の改変の程度を把握し、類似 する事例の引用又は解析により影響を予測 目視観察法に加え、重要種等については
生態を考慮して必要に応じて適切な手法 で調査。
刺網による漁獲調査
スミス・マッキンタイヤ型採泥器による 採泥調査
船上目視観察による船舶トランセクト調 査
銚子沖・北九州市沖実証サイトにおける事後調査データから予測・
評価結果を検証し、当該予測・評価手法の妥当性・課題点等を抽 出した。
(2)環境影響予測評価に係る検証
16 / 20
工事中 事業実施区域
供用時 事業実施区域
工事中
供用時 事前 時期
予測・
評価
既往調査事例 等を基に、風車 基礎捨石工事 時及び風車稼 働時の水中騒 音による影響を 予測・評価
【共用時の水中騒音とスナメリの予測】
◆供用時の2MW洋上風車水中騒音①(推定値:ピーク周波数25Hzの音源音圧レベル(119dB re 1μPa @1m))と、ス ナメリと同科のネズミイルカの聴覚閾値②(推定値:周波数25Hzの聴覚閾値155dB dB re 1μPa)を比較した。
◆①は風車直近1mにおけるピーク(25Hz)で119dB re 1μPaとなるが、②ネズミイルカの25Hzの聴覚閾値は155dB re 1μPaであるため、風車直近1mの水中騒音はネズミイルカの聴覚閾値以下となることが予測。よって、供用時(稼働時)
における水中騒音による本種の生息環境への影響は小さいと評価。
【工事中の水中騒音とスナメリの予測】
◆既往の捨石工事中の水中騒音距離減衰図を基に、スナメリ含む海棲哺乳類の一般的な水中騒音反応閾値レベル 120dB re 1μPa を照し合せ、工事点付近から距離900m程度までは反応閾値レベルを超過するものの、それ以遠では 当該レベル以下になると予測。
◆工事点付近から距離900mの範囲内では工事騒音によってスナメリが回避反応を起こす可能性が考えられるが、工事 期間は一時的であり、実証予定地点周辺900m以遠については反応閾値レベル以下であることから工事中の本種生息 環境への影響は小さいと評価。
事後
調査 船上目視観察
事業実施区域 及び周辺海域
(調査測線6本)
◆延べ71個体確認(6月10頭、7月47頭、8月4頭、9月10頭、10月5頭、12月5頭確認され、特に7月に多く出現)
◆調査範囲の概ね全体に出現していた。
◆延べ241個体確認(6月58頭、7月125頭、8月35頭、9月4頭、10月46頭、12月31頭、特に6月・7月に多く出現)
◆調査範囲の概ね全体で出現しており、特に犬吠崎南側で多く出現していた。
項目 方法・作業 対象海区 海棲哺乳類(スナメリ)の調査・予測・評価・事後調査結果 調査 船上目視観察
事業実施区域 及び周辺海域
(調査測線6本)
◆延べ472個体確認(7月12頭、8月435頭、9月4頭、10月14頭、11月12頭、12月7頭、2月1頭出現し、特に8月に多い)
◆主に水深10m前後の海域で確認され、特に犬吠崎南側で多く出現。