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5-3-3 介入頻度と介入内容に対するニーズ

ドキュメント内 介護負担感に関与する要因の相互関係性と (ページ 54-58)

本研究の介入では、1回の介入ごとに介護者から学習したい項目を選択してもらった。ま た、学習したい項目がない場合は、担当PTまたはOTの判断により、対象者およびその家 族に必要と思われる項目を選定した。介入回数は、フォローアップ調査を完遂した介入群 11名での合計介入回数は48回であり、ひとり平均4.4回(2~7回)の介入であった。介入 群で介入期間中に脱落した 3組と解析から除外した男性介護者 1組の介入回数を加えると 合計64回の介入を実施し、介入の際に選択した項目の結果を表5-3に示す。「その他(自由 な疑問や質問)」を除いて、最も実施回数が多かった項目は、「嚥下体操」で 4 回の実施が あり、次いで、「関節の拘縮(固まること)予防:足の運動」、「歩行の介助」、「入浴の注意」、

「メタボリック・シンドロームの予防」、「腰痛を予防する体操」、「家庭内の転倒を防ぐ」、

「部屋の環境」がそれぞれ 3 回の介入を実施した。また、その他の自由な疑問や質問とし て、「ベッドの選定について」や「福祉用具の選定について」、「排淡法について」、「服薬に ついて」などが挙げられた(表5-3)。

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表5-2 各測定値の変化(ベースラインと3か月後の比較)

測定項目

ベースライン 3か月後 有意差 ベースライン 3か月後 有意差

要介護者

Barthel Index:点 55.5±23.7 49.5±19.2 54.1±31.8 48.6±29.5

42.5(25 - 90) 45(20 - 80) 65 (0 - 90) 45 (0 - 85)

Bedside Mobility Scale:点 31.7±5.7 31.2±4.6 30.8±11.8 28.3±12.5

31.5 (23 - 40) 32 (22 - 36) 35 (1 - 40) 30 (1 - 40)

介護給付費注1):円/日 392.5±315.1 430.2±300.3 571.9±339.6 561.2±320.3

273.5 (101.7 - 1050.2) 352.8 (125.8 - 1036.4) 602.3 (171.9 - 1158.5) 568.3 (139.2 - 1218.0)

介護者

J-ZBI_8:点 9.4±5.0 11.1±5.9 11.6±8.9 12.6±8.0

8.5 (3 - 17) 11 (2 - 18) 11 (1 - 27) 15 (2 - 26)

PGCモラール・スケール注2:点 9.4±3.8 7.4±3.7 8.0±4.3 8.5±4.1

10 (3 - 15) 7 (3 - 14) 7 (2 - 15) 7 (2 - 14)

介護セルフ・エフィカシー:点

  ①あなた自身が疲れているとき 2.3±1.3 2.3±1.2 2.5±1.2 2.5±1.0

2(1 - 5) 2(1 - 5) 2 (1 - 5) 2 (1 - 5)

  ②あなた自身の機嫌が悪いとき 2.8±1.0 2.2±0.8 2.8±1.1 2.6±1.0

2.5 (2 - 5) 2 (1 - 4) 3 ( 1- 5) 3 ( 1- 5)

  ③時間がないと思うとき 2.6±1.0 2.3±1.1 3.2±1.1 2.6±1.2

2 (2 - 5) 2 (1 - 4) 3 (2 - 5) 2 (1 - 5)

  ④あなた自身が休んでいるとき 2.4±1.0 2.5±1.1 3.3±1.0 2.8±1.3

2.5 (1 - 4) 2 (1 - 5) 3 (2 - 5) 2 (1 - 5)

  ⑤あなた自身の体力が衰えてきたとき 2.5±1.0 2.0±0.8 2.7±1.1 2.3±1.2

2 (1 - 4) 2 (1 - 4) 3 (1 - 5) 2 (1 - 5)

  ⑥今後、介護生活を続けていく自信がある 3.3±0.7 3.1±1.1 3.5±1.0 3.4±0.8

3 (2 - 4) 3 (1 - 5) 4 (2 - 5) 3 (2 - 5)

ADL介助負担度:cm

  ADL合計 28.0±19.1 29.5±19.2 25.8±20.2 22.2±19.2

25.6 (1.0 - 63.6) 29.0 (2.1 - 52.7) 23.5 (1.1 - 62.8) 18.3 (5.1 - 68.5)

  セルフケア 15.7±10.1 16.6±9.6 14.3±11.2 12.8±11.4

  (食事・整容・更衣・トイレ・入浴) 16.6 (0.5 - 30.0) 20.0 (2.1 - 28.1) 9.7 (1.1 - 35.1) 9.5 (1.2 - 37.9)

  移乗・移動 12.3 ±10.2 12.8±11.2 11.5 ±10.6 9.4±9.0

  (移乗・歩行・車いす・階段) 11.0 (0.5 - 33.6) 10.5 (0.0 - 30.1) 11.4 (0.0 - 27.7) 7.3 (0.0 - 30.6)

上段:平均値±標準偏差 下段:中央値 (最小値 - 最大値)

*:p < 0.05, n.s:not significant

注1)対照群で1名、介入群で2名の欠損あり(医療保険による対応のため)。調査月の介護給付費を日割りにて算出。

注2)対照群にて1名の欠損あり

Barthel Index、J-ZBI_8、PGC scaleについては、対応のあるt 検定を使用。その他は、Wilcoxonの符号付順位検定を使用。

n.s

n.s n.s n.s n.s

n.s n.s n.s n.s

n.s n.s

n.s n.s n.s n.s

* n.s 対照群(n = 10)

n.s n.s n.s n.s n.s

n.s 介入群(n = 11)

n.s n.s

n.s n.s

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表5-3 「介護に関する学習プログラム」における家族介護者への介入頻度と学習項目のニーズ

No タイトル 介入回数 No タイトル 介入回数

Ⅰ まずは、介護にあたって(3項目) Ⅵ 介護者自身のために(7項目)

1  介護の心得 0 1  介護者の血圧チェックと理想的な血圧について 2

2  介護保険で利用できるサービス 0 2  更年期を健康に過ごすには・・・ 1

3  介護の悩み整理法 0 3  介護者のための体操(腰痛編) 0

Ⅱ 状態が悪化しないように(4項目) 4  介護者のための体操(肩こり編) 1

1  認知症予防・早期発見 0 5  メタボリック・シンドロームの予防 3

2  褥瘡(床ずれ)予防 1 6  腰痛予防の生活ポイント、腰痛になったら 1

3  関節の拘縮(固まること)予防:足の運動 3 7  腰痛を予防する体操 3

4  関節の拘縮(固まること)予防:腕、手の運動 2 Ⅶ 取り巻く環境にも目を向けて(7項目)

Ⅲ 動作の介助方法(10項目) 1  家庭内の転倒を防ぐ 3

1  寝返りの介助 1 2  寝まきについて 0

2  ベッドの上で移動する、移動させる 1 3  福祉用具について 2

3  ベッドからの起き上がり 0 4  部屋の環境 3

4  布団からの起き上がり 1 5  靴選びのポイント 0

5  椅子からの立ち上がり介助 1 6  民間救急車、民間の患者等搬送者 0

6  床からの立ち上がり介助 1 7  いす選びのポイント 1

7  移乗(ベッドと車いすとの乗り移り)の介助 0 Ⅷ たまには息抜きも(4項目)

8  歩行の介助 3 1  介護者をテーマにした映画 1

9  階段の介助 0 2  車いすでの電車の利用 1

10  車への乗り移り介助 0 3  旅行情報 1

Ⅳ 日常生活の介助方法(7項目) 4  リフレッシュ事業(I区のみ) 0

1  食事の介助 1 Ⅸ その他(3項目)

2  着替えの介助(寝まき:ゆかた式) 0 1  ぐっすり眠るためには・・・ 0

3  着替えの介助(パジャマ:上衣、下衣) 0 2  健康な老人と物忘れと痴呆老人の記憶障害 1

4  トイレの介助 0 3  痴呆症状と介護の対応策 0

5  入浴の注意 3 4  その他(自由な疑問、質問) 9

6  手足の洗浄方法 1  ・ベッドの選定について

7  顔の洗浄方法 2  ・福祉用具の選定

Ⅴ 栄養、食事について(5項目)  ・屋外歩行

1  食生活の注意点 2  ・靴について

2  低栄養にならないように 1  ・車いすについて

3  誤嚥と食べ物について 1  ・排淡法について

4  口腔ケアの方法 2  ・服薬について

5  嚥下体操 4 合計   64

5-3-4 介入による変化

(表5-2)

3か月間の介入期間前後の比較において、対照群と介入群ともに要介護者のADL能力お よび基本動作能力、介護者の介護負担感および主観的幸福感のいずれの変数についても有 意な変化は認めなかった(表 5-2)。介護セルフ・エフィカシーに関しては、対照群におい て「あなた自身の機嫌が悪いとき」のセルフ・エフィカシーが有意な低下を示し(p = 0.01)、 その他の項目はいずれの群でも有意な変化を認めなかった。VASによるADL介助負担度に ついては、ベースラインと 3 か月後のいずれにおいても群間での有意差は認めず、群内に おいても有意な変化は認めなかった(表5-2)。

介入による変化を検証するために介護者のJ-ZBI_8とPCGモラール・スケールについて、

群(対照群、介入群)と時間(ベースライン、3か月後)を要因とする二元配置分散分析を 行った結果、J-ZBI_8は群および時間のいずれにおいても主効果を認めず、群×時間の交互

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作用もみられなかった。また、下位検定の結果においても有意な単純主効果は認められな かった。一方、PGCモラール・スケールについては、群×時間の交互作用が有意となった。

対照群のPGCモラール・スケールの得点は3か月後に低下を示しており、下位検定の結果 では有意な単純主効果を認めた。(J-ZBI_8;F1,19 = 0.2, p = 0.63, PGCモラール・スケール;

F1,18 = 6.5, p = 0.02)(図5-2、表5-4)。また、PGCモラール・スケールは、3か月後の変化量 に群間での有意差を認めた(p = 0.03)(図5-3)。

図5-2 J-ZBI_8およびPGCモラール・スケール変化の群間比較 5

7 9 11

ベースライン 3か月後 対照群 介入群

(点) (点)

J-ZBI_8の変化 PGCモラール・スケールの変化

交互作用あり (p < 0.05)

交互作用なし

0 0

表5-4 介入効果(平均値±標準偏差)

時間 群×時間

J-ZBI_8:点 対照群(n = 10) 9.4±5.0 11.1±5.9 1.93

介入群(n = 11) 11.6±8.9 12.6±8.0 0.74

PGCモラール・スケール:点 対照群(n = 9) 9.4±3.8 7.4±3.7 7.83*

介入群(n = 11) 8.0±4.3 8.5±4.1 0.50

*p<0.05

J-ZBI_8:短縮版Zarit介護負担尺度

Bonferroni法による 下位検定

F値)

0.02 2.57 6.49*

ベースライン 3か月後

二元配置分散分析

F値)

0.39 2.55 0.17

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図5-3 介入前後のJ-ZBI_8およびPGCモラール・スケール変化量 -2.5

-2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5

対照群 介入群

-2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5

対照群 介入群

介入前後のPGCモラール・スケール 介入前後のJ-ZBI_8の変化量 変化量

(点) (点)

n.s

*:p < 0.05 n.s:not significant

ドキュメント内 介護負担感に関与する要因の相互関係性と (ページ 54-58)

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