43
44
に、情報通信分野およびエネルギー分野で差が大きい。
・寄与の段階について、全ての分野で、基礎研究の割合が最も高く、次いで応用研究、開発、実用 化の順になっている。また、将来インパクトが期待される技術は、より基礎よりの段階における 寄与の割合が高くなっている。
・寄与の内容については、全般的に国公立大学・公的研究機関等による研究開発の割合が高く、次 いで民間への資金提供(委託、補助金等)、研究交流の場の提供・創出、研究施設・設備の整備・
提供、人材教育・育成の順となっているが、情報通信、エネルギー、社会基盤では、他分野に比 べ民間への資金提供の割合が高くなっている。
〇海外技術の寄与
・海外技術の寄与度については、調査した全技術の指数平均値は約 44(寄与が大であったとの回答 は約 17%、寄与が大および中の回答合計は約 52%)である。
・寄与が大きい分野は、ライフサイエンス、環境であり、エネルギー、製造技術、社会基盤、フロ ンティアは、相対的に海外の寄与が小さい傾向が見られる。
・ライフサイエンス、環境、ナノテク・材料、エネルギーでは、これまでの公的研究開発・支援の 寄与と海外技術の寄与が同様の傾向(正の相関関係)を示している。これらの分野では、民間主 体で海外技術の寄与が小さかった技術については、公的研究開発支援の寄与が小さく、海外への キャッチアップや国公立大学や公的研究機関等が主たる研究主体であった技術では公的研究開 発・支援の寄与が大きかったと考えられる。
〇今後の公的研究開発・支援の必要性
・今後の公的研究開発・支援の必要性については、調査した全技術の指数平均値は約 52(必要性が 大であったとの回答は約 26%、必要性が大および中の回答合計は約 64%)である。
・今後の公的研究開発・支援の必要性が大きい分野は、ライフサイエンス、フロンティアであり、
情報通信、エネルギー、製造技術は、相対的に必要性が小さい傾向が見られる。
・全般的に、これまでの公的研究開発・支援の寄与と同様の傾向(正の相関関係)が見られ、また、
将来インパクトが期待される技術に対する公的研究開発・支援の必要性は、現在インパクトが実 現している技術よりも大きい傾向がある。
②詳細な分析に向けての留意点
・インパクトの評価に当たっては、経済・社会・国民生活の各面でインパクトを捉え、評価する必 要がある。社会的インパクトや国民生活へのインパクトは経済的インパクトに劣らず重要であり、
公的研究開発・支援の評価を単に経済面での費用対効果のみで見るべきではない。
・公的研究開発・支援のインパクトへの寄与の評価に際しては、国公立大学・公的研究機関等によ る研究開発と民間への資金提供(委託、補助金等)に加えて、研究交流の場の提供・創出の効果 に着目すべきである。
・これまでの海外技術へのキャッチアップ型の技術に関わる公的研究開発・支援の寄与度が大きか った可能性があるが、今後の公的研究開発・支援がフロントランナー型の技術主体へと移行する と、インパクト実現の不確実性が増大するため、この点を踏まえた評価をすべきである。
・これまでの公的研究開発・支援の寄与が大きい技術では、今後の公的研究開発・支援政策の必要性 についても大きい傾向が見られる。また、情報通信を除く7分野では、これまでの公的研究開発・
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支援の寄与と今後に対する必要性は、それほど大きく変わらない。一方、情報通信においては、
インパクト実現技術、未実現技術ともに、これまでの寄与に比べて今後の必要性が大きくなって いる。こうした背景についてさらに分析する必要がある。
・今後の公的研究開発・支援の内容を分析する場合、国公立大学・公的研究機関等による研究開発 と民間への資金提供(委託、補助金等)に加え、研究交流の場の提供・創出についても留意する 必要がある。
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表3.2.1 分野別の比較のまとめ ①経済的インパクト ②社会的インパクト ③国民生活への
インパクト
④これまでの公的研
究開発・支援の寄与 ⑤海外の寄与 ⑥今後の公的研究開 発・支援の必要性 ラ イ フ サ イ
エンス 中 やや小 やや大 大 大
(実現>未実現) 大
情報通信 大
(実現>未実現)
大
(実現>未実現)
大
(実現>未実現)
小
(実現<未実現)
(総合100位以下)
中 小
(実現<未実現)
環境 やや小 中 中 やや大
(実現<未実現) やや大 やや大
(実現<未実現)
ナノテク・材
料 やや大 中 中 やや大
(実現<未実現) 中 中
エネルギー
中
(実現<未実現)
(実現総合50位以下)
中
(実現<未実現)
(実現総合50位以下)
小
(実現総合50位以下)
やや小
(実現<未実現)
(実現総合100位以下)
小
(実現<未実現)
小
(実現<未実現)
(実現総合100位以下)
製造技術 中 中
(実現<未実現)
やや小
(実現<未実現)
やや小
(実現<未実現)
(総合50位以下)
小
やや小
(実現<未実現)
(総合100位以下)
社会基盤 やや小
(実現総合50位以下) 中 やや大 中
(実現<未実現) 小 中
(実現<未実現)
フ ロ ン テ ィ
ア 小 小 小 大 中 やや大
(注)平均との相違率((当該分野−平均)/平均)を計算し、10%以上大きい(小さい)場合は「大(小)」、5%以上大きい(小さい)場合は「やや大(やや 小)」とし、それら以外を「中」とした。
実現技術と未実現技術の比較については、実現を1とした場合に 10%以上差があるものについて表中に記述した。
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以下に、具体的な分析結果を示す。
(1)分野別の比較
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、製造技術、社会基盤、
フロンティアの8分野について、以下の観点から分野別の比較を行った。また、それぞれについて、
現在既にインパクトを実現している技術と将来インパクトが期待される技術についても比較を行っ た。
- 経済的インパクトの大きさ - 社会的インパクトの大きさ - 国民生活へのインパクトの大きさ
- これまでの公的研究開発・支援の寄与の大きさ、寄与の段階、寄与の内容 - 海外の寄与の大きさ
- 今後の公的研究開発・支援の必要性の大きさ、必要な公的研究開発・支援の内容 以下①〜⑥に、各項目の比較結果を示す。
①経済的インパクト
・経済的インパクトが大きい分野は、情報通信、ナノテクノロジー・材料、製造技術であり、ライ フサイエンス、環境、社会基盤、フロンティアは、相対的にインパクトが小さい傾向が見られる。
・相対的にインパクトが大きい情報通信、製造技術では、現在既にインパクトが実現している技術 よりも、未実現インパクトが期待される技術のインパクトが小さい傾向が見られ、逆に相対的に インパクトが小さいその他の分野では、現在既にインパクトが実現している技術よりも、未実現 インパクトが期待される技術のインパクトが大きい傾向が見られる。(以上図3.2.1参照)
・全般的に、現在既にインパクトが実現している技術がインパクト指数の上位に位置しており、特 に、情報通信、ナノテクノロジー・材料では、多くの技術が上位に位置している。(表3.2.
2参照)
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0 10 20 30 40 50 60 70
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
実現
未実現
ライフサイエンス情報通信環境ナノテク・材料エネルギー製造技術社会基盤フロンティア
全平均
(注)指数=「大」の回答割合×100+「中」の回答割合×50+「小」の回答割合×25+「なし」の回答割合
×0で計算している。(以下、同様)
図3.2.1 各分野の経済的インパクト指数
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表3.2.2 経済的インパクト指数の上位の内訳
10 位以内 30 位以内 50 位以内 100 位以内 101 位以降 総計
実現 1 3 4 18 22
ライフサイエン
ス 未実現 2 4 5 16 21
実現 4 11 16 21 3 24
情報通信
未実現 1 4 11 14 25
実現 1 2 7 14 21
環境 未実現 1 4 17 21
実現 3 5 5 9 11 20
ナノテクノロジ
ー・材料 未実現 1 2 9 12 21
実現 1 14 15
エネルギー
未実現 1 3 5 6 12 18
実現 1 2 6 11 17
製造技術
未実現 1 2 5 9 14
実現 1 1 4 17 21
社会基盤
未実現 3 14 17
実現 1 1 1 3 14 17
フロンティア
未実現 1 1 2 2 14 16
実現 8 21 30 55 102 157
全分野 未実現 2 9 20 45 108 153
②社会的インパクト
・社会的インパクトが大きい分野は、情報通信、環境、社会基盤であり、ライフサイエンス、ナノ テクノロジー・材料、フロンティアは、相対的にインパクトが小さい傾向が見られる。
・相対的にインパクトが大きい情報通信、環境では、現在既にインパクトが実現している技術より も、未実現インパクトが期待される技術のインパクトが小さい傾向が見られ、逆に相対的にイン パクトが小さいその他の分野では、現在既にインパクトが実現している技術よりも、未実現イン パクトが期待される技術のインパクトが大きい傾向が見られる。(以上図3.2.2参照)
・インパクト指数の上位 30 位以内では、現在既にインパクトが実現している技術が多いが、31 位
〜50 位の 20 技術のうち 15 技術が未実現インパクトが期待される技術であるため、50 位以内で は未実現インパクトが期待される技術が多くなっている。
・情報通信、環境分野の技術、およびエネルギー、製造技術、社会基盤の未実現インパクトが期待 される技術が上位に多く含まれる。(以上表3.2.3参照)