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L- J Characteristics of OLEDs

V- 313 50 nm、励起波長337 nm)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

400 450 500 550 600 650 700 750

系列1

400 500 600 700 750

l/nm

発光強度(Arb. unit)

図①-(2B)-1-3-1.9 錯体3TPtを6wt%でmCPにドープした薄膜の発光スペクトル(膜厚 50 nm、励起波長337 nm)

表①-(2B)-1-3-1.2 錯体2HPt2TPt3TPtをそれぞれ6wt%でmCPにドープした薄膜 の発光量子収率(励起波長337 nm)

錯体 2HPt 2TPt 3TPt

PL (%) 85 74 82

lmax (nm) 513 514 513

(2B)-1-3-2 高発光量子収率水平配向性発光材料による外部量子効率の向上

有機薄膜の配向性を評価する方法として、VASE が有効であることを、要素研 究で示した。しかしながら、VASE は消衰係数の測定であるため、ホスト分子中 に少量ドープされたドーパントについては、薄膜中におけるドーパント由来の消 衰係数が検出限界を下回ってしまうため、VASE による配向性評価を行うことが できない。Brüttingらは、無蛍光ガラス基板上に作製した有機薄膜について、図①

-(2B)-1-3-2.1 に示すような光学系で測定を行い、発光強度の角度依存性を測定す

ることで、配向性の評価を行っている15)。ランダム配向であるIr(ppy)3のデータと 比較して、50-70度近辺の相対強度が低いとき、発光の双極子モーメントが水平に 配向していることを示す。図①-(2B)-1-3-2.2 中の青い曲線は、ランダム配向であ るAlq3をmCP中にドープした時の測定結果である。図中の赤い曲線は、水平配向 性分子について、黒い曲線はランダム配向の分子について、それぞれシミュレー

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ションを行うことによって得られる曲線である。図①-(2B)-1-3-2.3 中の青い曲線 は、水平配向性を示すBSB-Czの類似化合物である、DPABSBをmCP中にドープ した薄膜について、測定を行った結果である。50-70度近辺の相対強度が低下して いることが見て取れる。逆に、相対強度が向上しているときは、発光の双極子モ ーメントがむしろ垂直に配向していることになる。この光学系を使用して、高い FPL を与えた 2HPt2TPt3TPt について、分子の水平配向性を評価し、配向性 を示した錯体について、有機ELデバイスを作製し、特性を評価した。

図①-(2B)-1-3-2.1 ドーパントの水平配向性を評価するための光学系

図①-(2B)-1-3-2.2 Alq3を mCP 中にドープした薄膜の測定結果(青)とランダム配向性 分子、及び水平配向性分子の発光についてシミュレーションを行うことで得られた曲 線(黒、赤)

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DPABSB

図①-(2B)-1-3-2.3 DPABSBの構造(右図)、mCP中にドープした薄膜の測定結果(青)と ランダム配向性分子、及び水平配向性分子の発光についてシミュレーションを行うこ とで得られた曲線(黒、赤)

a. 白金(II)錯体1HPt2HPt2TPt3TPtの水平配向性評価

無蛍光ガラス上に、各錯体を6wt%でドープしたmCP薄膜を15 nmの膜厚で 真空蒸着により成膜し、無蛍光ガラスによって封止を行ったものを、サンプ ルとして使用した。図①-(2B)-1-3-2.1 に示す光学系のシリンドリカルレンズに、

マッチングオイルを介してガラス基板を接触させ、ガラス基板/空気界面の影 響を無視できるようにして、測定を行った。励起光波長 375 nm、励起光出力

20 nW以下でドーパントを励起して発光させ、偏光板を介してファイバースコ

ープ(PMA-12)で発光強度を測定することで、発光の p 偏光について、相対強

度の角度依存性を測定した。発光は、s波とp波から構成されるが、s波は基板 に対して水平方向の双極子モーメントをもつ発光の関数であるのに対し、p 波 は水平方向、垂直方向の両方についての関数であらわされる。このことから、

p 偏光について測定を行うことによって、より鮮明に配向に関する測定を行う ことができる。

図①-(2B)-1-3-2.4 に測定結果を示す。図より、既知化合物である 1HPt は、

配向性を示さないことが分かる。これに対し、2HPt2TPt と分子長を伸ばす ごとに、水平配向性の向上がみられる。しかしながら、3TPt については、も っとも長い分子構造であるにもかかわらず、微弱な水平配向性しか示さなか った。通常の有機分子とは異なり、末端の白金錯体部位に重原子である白金 原子が存在することと、電荷の偏りがあることが、配向性に影響を与えた可 能性があるが、詳細は不明である。いずれにせよ、水平配向性ドーパントの 分子設計指針として、分子が長すぎてはいけないという可能性が示唆され

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