U 年
0.15 0.44 O.45 1.37 O.22 0,60
総合点については,地域の差は見られなかった。一方,都市部ではそれぞれの学年の 問に有意な差が見られた(t=3.07,p<.01;t=2.59,p<。01)。島部では2年と4年の問にのみ 有意な差が見られた(t=3.78,p<.01)。このことから,創造的思考力全体については地域 の差は見られないが,変化の仕方としては都市部では学年が進むにつれて増加するのに 対し,島部では4年以降の変化が見られないことが分かる。しかし6年では地域の差が 見られなかったことから,島部では都市部よりも早く創造的思考力が6年の段階まで到 達したことを示している。
(2) 思考特性別変化
地域別創造的思考特性の変化について,都市部を図4・4−9に,島部を図4・4−10に示す。
9 8 艇7 盟6 5 4
+速さ
+広さ
蟻 独自さ 一殉深さ
9 8 饗7 盟6 5 4
十速さ十広さ
独自さ 一興一深さ
2年 4年 6年
学年
図4司一9思考特性の変化(都市部)
2年 4年 6年
学年
図4−4−10思考特性の変化(島部)
両地域とも「思考の深さ」が最も高く,「思考の独自さ」が最も低くなっている。また,
都市部では学年が進むにつれて各思考特性とも直線的に増えているのに対し,警部では 4年から6年にかけての増加が見られない。また,それぞれの思考特性について学年毎 の平均値の検定を行ったところ,4年の「思考の深さ」のみ有意な差が見られ(t=3.00,
p<.01),都市部の方が高かった。しかし,その他においては有意な差は見られなかった。
つまり,思考特性の得点順位及び各思考特性の得点には地域の差はないが,4年から 6年にかけての変化に地域の違いが見られると言える。
4.4.4 創造性に関する諸要素の関係について
創造性に関わる諸要素は,各地域や学年によって様々な関係性を示すことが考えられる。
そこで全体的な傾向を把握するため,創造的態度,体験,創造的思考力の各合計得点,及 び「学力」の平均点について2年,4年,6年目相関の検定を行った。その結果を図4・4・11 に示す。ただし,ここでは諸要素間の相関の有無を明らかにするために単相関分析の検定 を用いた。そのため,諸要素間単独の相関という意味で解釈する。
図4−4・11諸要素の相関図(単相関)
都
市 部
部[璽コ i
2
態度 体験 体験
r等37
匹54
F40
蘭鋳生
,騨矧生「学九 「学九
F4類
F37
匹434 態度 体験 態又 体験
r≒32
F45 @F26 r二碁3 F33
rニ…37
思耕雅
思考糊生「学九 「学九
匹30 F…35
6
態度 態度
F46
,騨許推
「r」は単相関係数,「一」は5%,1%水準での有意性を示す
2年では両地域とも「学力」との相関は見られない。どちらかと言えば都市部の方が三 部よりその他の要素間に関係が見られる。4年では両地域とも「学力」との関係が見られ るが,都市部が思考特性のみの関わりであるのに対し,丁丁では思考特性と態度の両方に ついて関わりが見られる。その他を除いて,両地域に違いは見られない。また,.分析対象 とした3学年中,この時期は最も相関が多く見られることから,4年は両地域とも個々の 要素が比較的多く結びつく学年であると言える。6年の都市部では4年と同じく「学力」
と思考特性との関係が見られるが,島部では態度のみの関係に変化している。4年に比べ て個々の要素の結びつきが少なくなる傾向がみられる。
4.4.5創造性の諸要素に関する地域の比較の考察
態度は,3年から4年にかけて減少している点や,態度特性としての「独自性」が最も 低い得点となっている点について両地域の共通した特徴が見られたことから,この2点は 地域の違いに関わらず児童期に共通して見られる特徴であると考えられる。
次に,鹿児島県においては「どれだけたくさんの体験をしたか」という量的な面につい ては学年毎に地域の違いがあるが,「どういう関わりをしたか」という質的な面については ほとんどの学年で地域の違いは見られなかった。ここで量的な差は5個前後と,62とい う項目数から考えると極めて大きな差はない。一方,質的な面に関しては1年と5年を除 き両地域の児童に際だった差はない。この2学年の差は学級の特性によるものなのか,地 域の特性によるものなのかなどを実証することは困難であるが,6年間を通してみるとほ ぼ同じような変化をしているため,児童の体験への関わり方は学年毎にほぼ共通したもの であると考えられる。
S−A創造性検査による思考特性は,両地域とも学年と共に上昇し,各学年の総合点は地域 の差はない。このことから,思考特性全体としては,両地域とも高まる傾向があると言え る。しかし島部の4年で「思考の深さ」のみ都市部よりも有意に高かった。よって島部の
「思考の深さ」は4年で既に6年のレベルにまで達している可能性があるが,これが学級 の特性によるものかどうかは,データ不足により今回の結果だけでは実証できない。
創造性の諸要素に関する,要素相互の単相関については,両地域とも4年で最も相関の 数が多く見られ,6年で減少している点については共通している。つまり,学年と共に創 造性の諸要素同士の関係も変化していく点については両地域に共通したものであると考え
られる。このことら,中学年は低学年に比べて得点こそ低いものの,より多くの要素が関 係し合う時期であり,高学年はそれらの要素が独立していく時期であると考えられる。
4.5小学生用創造的態度調査票の信頼性と妥当性
本研究で使用した小学生用創造的態度調査票が,調査票として小学校で使用できるか,
その信頼性と妥当性の確認を行った。
まず,調査票としての信頼性については,内的整合性を示すクローンバックのα係数の 算出をもとに検証した。表4−5・1に示すとおり,クローンバックのアルファ係数は全ての学 年で.8を上回っており,内的整合性の高さが示された。このことから,本研究で取り扱う 小学生用創造的態度調査票としての信頼性が確保できたと考える。
表4−5司 小学生用創造的態度調査票のα係数