6 8 6 8 1
図3−51心(札幌)
o−C・i)
一・・ C・eo
…c・i)Ct
海道には以前から○○●が一定の勢力をもって存在していたというこ とであろう。だとすれば,札幌で50代から30代まで○●○が優勢なの は,この世代が東京語の旧い型の影響をうけたためかもしれない。
【まとめ】
東京語で進行中のアクセント変化に(おそらく)影響されて,早々と同様の 変化をとげている語(「電車」「チャンネル」)と,やや遅れるが同様の変化 の兆しをみせている語(「二次会」「熊」「鍬」)とがある。また,このよう な東京語に連動した変化は,都市化の進んだ札幌が富良野に先行する形で起っ
ている。
東京語で進行中の変化の影響もあろうが,それ以前からすでに北海道ではそ の型が優勢であったと思われる語(「っつじ」「どんぐり」「心」)もある。
3.3.アクセント(2)富良野パネル調査から
3.3.0. はじめに
r ll.調査の概要」で述べたように,アクセントについては組織だったパネ ル調査はおこなわなかった。しかし,音声項目の中で,アクセントについても 同時に記録をとった項目がいくつかある。それらの音声項目は,実は前回富良 野調査でも,調査者によっては調査票にアクセントまで丹念に記録してある場 合がある。そこで,富良野パネル調査と前回富良野調査の両方でアクセントの データが揃っているインフォマントを抜き出してパネル調査的な分析を試みた。
ただし,企画の段階でパネル調査を断念したのと同様の理由,すなわちアクセ ントの判定者が両調査で異なっているということ,およびアクセントの判定が 調査の場でなされるかそれともあとで録音テープを聞いてじっくりなされるか という判定方法の違いがあるという理由から,厳密な比較をするには限界があ ることは否めない。しかしおおよその傾向はっかめるであろうと考え,あえて このような分析を試みたのである。なおパネル調査でのアクセントの判定は,
音声項目の聴き取りを担当した尾崎喜光がおこなった。
3.3.1.調査項目
とりあげた項目とインフォマントの数は次のとおりである。
「主人」(67人), 「火箸」(39人),「窓」(40人),「寿司」(41人)
このうち「主人」と「火箸」には,方言のシュジン・ヒバシと共通語のシュ ジン・百バシの2つのバリエーションが見られる(なおシュジン・ヒバシには 語頭から高いシュジン・τ天シというバリエーションも含めてある;以下の項
目でも同様)。 「窓」もこれと似ており,方言のマド(後ろにガなどが付いた 場合は恐らくマ下ガとなる)と共通語のマドが見られる。「寿司」にはスシ
(後ろにガなどが付いた場合は恐らくスシガとなる)とスシがある。一応スシ が共通語であるが,三シも新しい共通語とされており,先の3語と少し性格が 異なる項目である。なお語形についてはそれぞれいくつかのバリエーションが あるが,ここではその違いは特に問題にしない。
3.3.2.結果と考察
ではまず各項目の全般的傾向について見てみよう。結果は図3−52〜55のよ うであった。 (括弧内の数値は分析の対象とした人数)
0 20 40 60 80 100%
前回(67)
バネ5(67)
Eコシュジン(方言)
囲ジ三ジン(共通語)
図3−52 「主人」のアクセントの全般的傾向
前回(37)
ハ.ネル(37)
o 20 40 60 8〔[ 1〔][】%
匿コヒπシ(方言)
唖]巨バシ(共通語)
図3−53 「火箸」のアクセントの全般的傾向
前回(40)
バネ鉦(40)
o 20 40 6〔1 8〔〕 1〔){〕%
鴎マ下(方言)
題囲マド(共通語)
図3−54 「窓」のアクセントの全般的傾向
これによると,「主人」「火箸」「窓」では,方言アクセントが大幅に減少 し(約40%の減少)共通語アクセントが大きく伸びてきているのがわかる。か つて多数派であった方言アクセントは,「主人」「窓」では少数派になってい る。また「火箸」においても,方言アクセントは共通語アクセントと半々まで
前回(41)
ハ.ネル(41)
9 20 4〔工 60 80 100 %
醗麺ス㌻(共通語)
匿囲ズシ(新共通語)
図3−55「寿司」のアクセントの全般的傾向
に衰退してきている。「寿司」については,新旧共通語アクセントが半々の状 態から,新共通語アクセントが20%ほど増加してきている。
次に,インフォマントを10年刻みの3つのコーホート(同時期出生集団)に 分け,前回調査とパネル調査で共通語アクセントがどのように変化して来てい るかを見てみよう。結果は図3−56〜60のようであった。 (なお前回調査での 年齢はそれぞれから30歳差し引いた年齢である[「60−69歳」→「30−39歳」,「50−
59歳」→「20−29歳」,「40−49歳」→「旦一19歳」])
これによると,いずれの項目においても実線(パネル調査)は点線(前回調 査)より上にあり,どのコーホートも共通語化していることがわかる。図3−
60は「主人」「火箸」「窓」の共通語アクセントの平均を示したものであるが,
20〜30%付近で水平になっている点線(前回調査)は,40%ほど上に平行移動 して60〜70%付近に来ている。共通語化は,前回調査の10代(パネル調査では 40代)のような若いコーホートばかりでなく,当時の30代(パネル調査では60 代)といったいわゆる言語形成期を過ぎたコーホートでも,ほぼ同程度見られ る。語彙・文法などと比べ変化しにくいと言われるアクセントでも,この調査 で見る限り,10代はもちろんのこと言語形成期を過ぎてからでも,かなり変化 しうるものであることがわかる。なお,事情が特殊な「寿司」にっいても,パ ネル調査の60代ではほとんど変化がないが(この項目では60代は7人なのでそ う見てよかろう),50代・40代では新共通語アクセントが伸びて来ている。
次に,これらをさらに細かく個人レベルで見た場合どうであるかについて見 てみよう。結果は図3−61〜64のようであった。
%10
8
4
パネル 前回2