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【東京語アクセントが頭高型である語】
富良野,札幌それぞれの話者全体について,各語のアクセント型の割合を示
すと,表3−4,表3−5のようになる。語の配列は,富良野における頭高型
の割合の大きい順とし,末尾に4語の平均値を示した。4語の平均値をみると,富良野と札幌で大きな違いのあることに気付く。す なわち,富良野では中高型(○●○)が6割強,頭高型(●○○)が2割弱と 中高型が圧倒的に優勢であるのに対して,札幌では両者がともに4割台でほぼ 肩を並べる状況にある。因みに,それ以外の尾高型(○○●)と平板型(○○
○)は,両地域ともせいぜい1割程度の弱い勢力にすぎない。
頭高型と中高型の勢力関係を中心に,語ごとの変化を追跡してみよう。図3
−36,図3−37は,年齢層別に各アクセント型の出現率を示したグラフである。
図3−36は富良野,図3−37は札幌である。枝番号は,−1「涙」,−2「姿」
,− 3「烏」,−4「テレビ」である。
図3−36,図3−37から全体の傾向を概観すると,いずれも30代以下の世代 で頭高型が上昇に向い,反対に中高型が下降していることがわかる。変化の進 行度は,「涙」「姿」「烏」の3者にそれほどの大差はなく,「テレビ」の遅 れが目立つ。また,いずれの変化も札幌が富良野に先行している。
涙:頭高型は,札幌の若年層では9割を超す勢いであるが,富良野では7 割程度である。一方,中高型は中年層にピークがみられ,札幌では4 割程度であるが,富良野では6割を超す圧倒的な勢力となっている。
高年層をみると,中高型が伸張する以前には尾高型(特に札幌で)や 平板型もある程度の勢いがあったことがうかがえる。
姿:富良野,札幌ともに,中高型から頭高型への急激な勢力交替がみられ る。頭高型は,札幌の若年層では9割を超す勢いであるが,富良野で は7割程度である。中高型は中年層にピークがみられ,富良野,札幌 とも8割に届く圧倒的な勢力となっている。高年層寄りには平板型と 尾高型(富良野に)もある程度みられる。
烏:頭高型は,札幌の若年層では9割を超す勢いであるが,富良野では6 割程度である。中高型は,富良野では50代から20代まで6割程度の勢 力を維持し下降に向うが,札幌では50代の6割をピークに大きく下降 している。高年層寄りには平板型と尾高型(富良野に)も相当の割合
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テレビ:頭高型は,札幌の若年層では5割を超えているが,富良野では10 代でようやく4割に届く程度である。中高型の勢力が依然として強く,
札幌では10代でようやく頭高型と逆転するが,富良野では全世代を通 じて圧倒的に優勢である。高年層寄りには平板型や尾高型(富良野)
もある程度みられる。
【3拍名詞のまとめ】
語ごとに遅速の差はあるものの,全体として北海道的なアクセントが衰退し,
東京アクセント化が進行している。ただし,一部には「欠伸」の頭高型のよう に,新方言的な傾向を示すアクセントもみられる。
頭高型へと移行する変化では,明らかに札幌が富良野に先行している。平板 型への変化ではこのような差がみられない。より耳だつ型である頭高型への変 化が,情報に対して敏感な都市部が先行するかたちで起こっているものと推測
される。
b)4拍名詞
4拍名詞(6語)について,従来の報告による北海道特有アクセントの代表 的な型と東京語アクセントの型を対比させて示す。ただし,「貧乏」「夕張」
では,アクセント核の担い手が拍(モーラ)ではなく音節とみる方が妥当と思
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