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◎ 「図 一13日 本 生 産 立 地 の 特 性 」 【4‑16】1996(分 析 ツ ー ル15)
104国 際 経 営 論 集No.252003
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私 の 研 究 ・教 育 遍 歴 一 半 世 紀 を 回想 して 一105
「成 長 メ カ ニ ズ ム」 の 日本 企 業 に も た ら した諸 影 響 ●
「生 産 立 地 転 換 の サ イ ク ル」 に お い て,日 本 立 地 に 「イ ンビ ジ ブ ル ・ハ ン ド」 と も言 うべ きあ る種 の 「メ カ ニ ズ ム」 が 機 能 して い る こ とが 想 定 可 能 で あ り,筆 者 は これ を 「成 長 メ カ ニズ ム」 と名 づ け て い る。 しか も,こ の 「成 長 メ カ ニ ズ ム」 は 日本 立 地 にお い て の み 機 能 す る とい う よ りは,技 術 後 発 国
の 共 有 財 産 と しての 意 味 を持 つ もの で あ る。
こ こで注 意 した い の は,こ の 「成 長 メ カ ニ ズ ム」 が あ る特 定 国 立 地 に とっ て,恒 久 的 に機 能 す る もの で は な く,「 生 産 立 地 の 転i換の サ イ ク ル」 に即 し て,後 発 立 地 に順 送 りされ て い く性 格 の もの で あ る とい う点 で あ る。
この 「成 長 メ カニ ズ ム」 が 的確,円 滑 に機 能 しな くな った場 合,当 該 生 産 立 地 は そ れ に替 わ る新 しい メ カニ ズ ム を探 求 す る こ と を余 儀 な くされ る。 現 在 の 日本 立 地 が ま さ に この ス テ ー ジ に あ る と言 っ て過 言 で は な い。 この こ と は,「 技 術 導 入 」 か ら 「自主 開 発 」 へ の 移行,自 らの 手 に よ る市 場 性,商 品 性 の 確 認,ベ ンチ ャー ビ ジ ネ ス の 推 進 等 々,様 変 わ りの 展 開 を 要 求 す る 。
「成 長 メ カ ニ ズ ム」 の存 在 に気 づ い て い れ ば,そ れ が い か な る 問題 点 を内 包 して い るの か,ま た,い つ まで 円滑 に作 動 し得 るの か,作 動 しな くな っ た場 合 は ど うす れ ば 良 い の か を明 確 に提 示 して くれ る。
生 産 立 地 転 換 の サ イ クル に お け る 日本 立 地 の特 性(「 図一1.3」参 照 の こ と〉
を さ らに詳 細 に観 察 す る と,最 初 に 目につ くの は,日 本 が技 術 後 発 国 で あ っ た た め,日 本 政 府 に よ る幼 稚 産 業 の保 護i政策(外 資 規 制,輸 入 規 制 等)が 強 行 され た こ とで あ る 。 しか し,技 術 後 発 国 で あ っ た 日本 が そ こか ら離 陸 し, 日本 企 業 が 世 界 的競 争 力 を もっ て,海 外 市 場 に大 々 的 に参 入 し得 るス テ ー ジ に入 っ て も,な お,当 初 か らの 対 外 規 制 を持 続 し続 け る こ と に は重 大 な 問題 が あ り,こ の こ とは,そ の 後 の 日本 お よび 日本 企 業 に重 大 な禍 根 を残 す こ と に な った 。
日本 政 府 に よる輸 入規 制,外 資 規 制 な どの対 外 諸 規 制 は外 国 製 品,外 国 資 本 等 の 日本 へ の参 入 を阻 止 す る もの で あ った が,こ の こ とは 同時 に,日 本 の
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閉 鎖性,国 際 感 覚 の 欠 如,「 政 」一 「官 」一 「業 」 の 鉄 の トラ イ ア ン グ ル の構 築,日 本 企 業 に よ る 日本 市 場 の独 占 と価 格 の 高 止 ま りとい った事 態 を引 き起
こす こ とに な っ た こ とを も銘 記 され た い。
「ボ ック ス1.技 術 導 入 」 は 日本 企 業 のR&D特 性 を示 してお り,自 主 開 発 で は な く,技 術 導 入 が す べ て の 出発 点 とな って い る こ と を示 して い る。 技 術 導 入 は金,時 間 の 大 幅 な節 約 を可 能 とす る と同 時 に,効 率 大 ・リス ク小 を 約 束 して お り,日 本 企 業 は この技 術 導 入 を通 して驚 異 的,か つ,安 定 的 な成 長 を達 成 した。
「ボ ック ス2.標 準 化 ・平 準 化 製 品」 は技 術 導 入 の タ イ ミ ン グが 「米 国 に PLCの 起 点 を もつ 製 品」 の 米 国 で のPLC上 成 長 後 期,成 熟 期 にあ る場 合 の 製 品特 性 を示 して い る。第 二次 大 戦 後 の 日米 の技 術 格 差 は 大 き く開 い て お り, ま た,消 費 財 の 場 合,日 本 は 戦 前,戦 中 を通 して 生 産 を抑 制 して い た た め , 1920年 代 に 米 国 で そ の普 及 を見 た家 電 製 品 に典 型 的 に見 られ る よ う に,日 本 で は1950年 代 半 ば に よ うや く生 産 を開始 してお り,そ の 生 産 開始 の タ イ ミ ン
グ も大 き くず れ てい た の が実 態 で あ る。 そ の た め,日 本 企 業 が 技 術 導 入 を通 して生 産 を 開始 した家 電 製 品 の 多 くは米 国 で のPLC上 す で に成 長 後期 な い し成 熟期 に あ る もの が 多 く,こ れ らの 製 品 は 米 国 内 で は す で に標 準 化 ・平 準 化 とい う特性 を備 えて い た。 これ らの 製 品 は価 格 切 札 が特 徴 的 で あ る。
「ボ ック ス3.コ ス ト面 で の 国 際 比 較 優 位 を発 現 し得 る生 産 立 地 」 は生 産 立 地 特 性 で あ り,標 準 化 ・平 準 化 製 品 の 「価 格 切 札 」 に由 来 す る条 件 で あ り, 1950,60年 代 の 日本 立 地 は この 条 件 を十分 に満 た して い た と言 え る。
ここ で 注意 して お きた い の は,「 ボ ッ クス4 .確 認 済 み の市 場 性,商 品 性 」 で あ り,し ば しば そ の重 要 性 が 見 逃 され が ちで あ るが,日 本 企 業 の場 合 ,米 国企 業 が リス ク と時 間 をか け て 自主 開発 し,そ の 成 長 性,市 場 性 を世 界 的規 模 で確 認 され た 製 品 を 中心 に技 術 導 入 を通 して積 極 的 に引 き継 ぎ,技 術 格 差 の縮 小,解 消,逆 転 にす べ て の努 力 を傾 注 して きた こ とで あ る。 こ の努 力 の 成 果 は 「ボ ッ ク ス6.効 率 の 良 い 改 良 型R&D」 に端 的 に 示 さ れ て い る 。
私の研究 ・教育遍歴一 半世紀を回想して一107
「ボ ックス6」 は製 造 面,製 品 面 の 両 面 で き わ め て 有 効 に機 能 して お り,製 品 面 で は,「 ボ ッ クス2'未 標 準 化 ・未 平 準 化 を織 り込 ん だ製 品 」 の 開発 に つ な が って い る。 これ に よっ て,「 低 品 質 ・低 価 格 」 製 品 か ら,「 高 品 質 ・低 価 格 」 製 品 へ,さ ら に は,「 超 高 品 質 ・オ リジ ナ リテ ィ高 価 格 」 製 品 へ と製 品 を組 み 替 え な が ら,き わ め て短 期 間 の 内 に先 発 の米 国企 業 を キ ャ ッチ ア ッ プ し,一 部 で は,米 国 を追 い 越 す ま で の 成 功 を収 め る こ とに な っ た 。 また, 製 造 面 で は,「 ボ ッ クス7.効 率 の よい設 備 投 資,設 備 更 新 」 につ な げ る こ
とに よ りrそ の 生 産 シ ス テ ム は完 全 に先 発 の 米 国企 業 を凌 駕 す る まで に レベ ル ア ップ し,一 時期 は ま さ に世 界 一 の地 位 を確 保 す る に至 る。 この場 合,大 量 生 産 シ ス テ ム が 前 提 で あ り,そ の た め に は,恒 常 的 か つ 安 定 した市 場 の存 在 が 絶 対 条 件 で あ り,こ こで,「 ボ ッ クス4」 は ま さ に そ れ を可 能 とす る役 割 を演 じて い る。 「ボ ッ クス5.受 入 れ 市 場:国 内 市 場,輸 出市 場 」 は 日本 企 業 の 当 初 の 製 品,「 低 品 質 ・低 価 格 」 製 品 に も一 定 の 品 質,性 能 水 準 を前 提 と して,国 内 外 に受 入 れ市 場 が 存 在 した こ と,特 に,日 本 政 府 の輸 入 規 制, 外 資 規 制 の ため,日 本 市 場 は 日本 企 業 の 独 占 す る と ころ とな っ た た め,日 本 市 場 は 好 む と好 ま ざ る とに か か わ らず,そ の 影 響 を受 け ざ る を え な っ た とい
う こ とで あ る。
日本 企 業 の場 合,「 ボ ッ クス1」 か ら 「ボ ック ス7」 まで を相 互 に リ ン ク させ,驚 異 的 な成 果 を リス ク小 ・効 率 大 とい う形 で実 現 す る こ とが 可 能 とあ った 。 こ の 「成 長 メ カニ ズ ム」 は個 々 の 製 品 毎 に適 用 され る もの で あ り,日 本 企 業 は先 発 の 米 国企 業 が 自主 開発 し,成 功 した 製 品 を片 っ端 か ら技 術 導 入
を通 して取 込 み,そ れ らの 製 品 をそ れ ぞ れ 「成 長 メ カ ニ ズ ム」 の 円 滑 な作 動 に乗 せ た わ け で,そ の 総和 と して の 成 果 は驚 異 的 で さえ あ っ た。 しか し,こ こ で注 意 して お きた い の は,こ の 驚 異 的 な成 果 が 日本 企 業 の トップ ・マ ネ ジ メ ン ト,ひ い て は,日 本 企 業 の優 秀 さ にス トレー トに結 び つ く もの で は な い
とい う点 で あ る 。
この 「成 長 メ カ ニ ズ ム 」 は 【4‑13】 「企 業 の 国 際 化 戦 略 」 昭 和62年11月,
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【4‑14】 「日本 企 業 の 成 長 行 動 と経 済 摩 擦 」 昭 和63年12月 に盛 り込 ま れ て い る 。 さ ら に,神 奈 川 大 学 経 営 学 部 に 移 籍 後,【6‑11】 平 成]年12月 「事 例 研 究 一 本 社 を 海 外 に つ くる 一 日本 ビ ク タ ー株 式 会 社 」,【4‑5】 平 成2年3月 「日本 企 業 の 国 際 化 の 新 展 開 一 複 数 本 社 制 へ の 道 程 」 【3‑6】 「国 際 マ ー ケ テ ィ ン グ ー 日米 企 業 比 較 」
,【4‑16]「 日本 企 業 が 直 面 して い る 構 造 的 諸 問 題 」 を発 表 して い る が,行 論 の 土 台 に は 常 に こ の 「成 長 メ カ ニ ズ ム 」が 据 え られ て い る 。
① 「図 一18」 は 技 術 後 発 国 が 活 用 し得 る 成 長 の た め の メ カ ニ ズ ム を提 示 して い る 。 日本 企 業 の 高 成 長 は ま さ に こ の 「成 長 メ カ ニ ズ ム 」 に よ っ て も た ら さ れ た も の で あ り,今 日 で は,後 続 の 台 湾,韓 国,特 に,中 国 に よ っ て 最 大 限 に 活 用 さ れ て お り,技 術 後 発 国 の 共 有 財 産 と も 言 う べ き も の で あ る 。 ②
「図 一18成 長 メ カ ニ ズ ム 」 に つ い て は 『原 文 … 』 と い う形 で 紹 介 済 み で あ る 。
◎ 「図 一16経 営 職 能 面 か ら見 た 国 際 化 と グ ロ ー バ ル 体 制 」 【4‑16]1996(分 析 ッ ー ル17)
「図 一16」 に つ い て は 特 に 説 明 の 必 要 は な い,こ こ で は,販 売 面 の 国 際 化 か ら 始 ま っ て,生 産 面,R&D面,人 事 ・労 務 面,財 務 面,さ ら に は,本 社 機 能 ま で が 国 際 化 す る 流 れ を 図 示 した もの で あ る 。
◎ 「図 一19米 国 生 産 とR&Dの 段 階 的 拡 充 」(分 析 ッ ー ル18)
「図 一19」 は 先 進 国 企 業 進 出 に よ っ て,R&Dが 段 階 的 に 充 実 して い くプ ロ セ ス を 示 した もの で あ る 。
【4‑13】 「企 業 の 国 際 化 戦 略 」 で は,こ れ ま で の 「販 売 拠 点 」,「 生 産 拠 点 」 の 世 界 的 配 置 に 加 え て,「R&D拠 点 」,「 財 務 的 拠 点 」 の 世 界 的 基 準 に 基 づ
く再 配 置,さ ら に は,世 界 的 基 準 で の 「本 社 立 地 」 の 再 検 討 を 問 題 に して い る 。
こ の 議 論 は,そ の 後,【6‑11】 平 成1年12月 「事 例 研 究 一 本 社 を海 外 に つ くる 一 日本 ビ ク タ ー 株 式 会 社 」,【4‑5】 平 成2年3月 「日本 企 業 の 国 際 化 の 新 展 開 一 複 数 本 社 制 へ の 道 程 」 に 引 き継 が れ る こ と に な る 。
私の研究 ・教育遍歴 一 半世紀 を回想 して一109