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高階の偏微分

ドキュメント内 4 II I (ページ 163-167)

別物だが)、(f◦g)r, (f◦g)θ1, (f◦g)θ2 もそれぞれ fr,fθ1,fθ2 と略す習慣がある。その 習慣に従って (1)を書き直すと、A上で

(fr, fθ1, fθ2) = (fx, fy, fz)



c1 −rs1 0 s1c2 rc1c2 −rs1s2 s1s2 rc1s2 rs1c2

.

2 注:空間極座標を g(r, θ1, θ2) =



rsinθ1cosθ2 rsinθ1sinθ2 rcosθ1

 と定義することも多い(例 11.1.10

の定義

 x y z

 に対し

 y z x

)が、実際に色々計算してみると(例えば 例 11.4.3)、例

11.1.10の定義の方が自然で見通しがよいことが分かる。いずれにしても、座標を入れ替

えただけの違いなので、一方で得られた結果を他方に翻訳することは容易である。

11.1.7 (?) 例11.1.10 のg は[0,)×[0, π]×[0,2π) からR3 へは全射、 Aから B へは全単射であることを示せ。

11.1.8 (?)d≥2, (r, θ1, ..., θd1)[0,∞)×[0, π]d2×[0,2π)に対しd次元極座標を

gd(r, θ1, ..., θd1) =

 x1 ... xd

, 但し

x1=rcosθ1,

xj =rsinθ1sinθ2· · ·sinθj1cosθj (2≤j≤d−1) xd=rsinθ1sinθ2· · ·sinθd2sinθd1

.

で定める。以下を示せ:(i) gd(r, θ1, ..., θd1) =

³ rcosθ1

gd1(rsinθ12,...,θd1)

´ .

(ii) gd は[0,)×[0, π]d−2×[0,2π) からRd へ全射、A = (0,)×(0, π)d−2×[0,2π) からB ={x∈R3 ; (xd1, xd)6= (0,0)}へ全単射。(iii) d≥3 に対し

gd0(r, θ1, ..., θd1) = Ã

1 0

0 g0d1(rsinθ1, θ2, ..., θd1)

! Ã

g021) 0 0 (δij)di,j=3

! . (iv) detg0(r, θ1, ..., θd1) =rd1sind2θ1sind3θ2· · ·sin2θd3sinθd2.

11.1.9 f ∈C1(R2 R)とする。次のg にたいし(f◦g)0 を計算せよ:(i)g(x, y) =

³xcosy xsiny

´

, (ii) g(x, y) =

³x+y xy

´ .

•k= 1,2, ..とする。k−1階の偏導関数gが定義されるとき、これにたいし更なる偏微 分 jg(x) をを考えることができる。これにより、帰納的に k 階の偏微分係数、k 階の 偏導関数が定義される(k 階の偏微分係数は、偏微分を施す座標の順序を考慮して、全 部で dk 個ある)。

•f :D→Rであり、k階までの全ての偏導関数が存在して連続であるもの全体をCk(D) で表す。

11.2.2 jif(a),ijf(a)が共に存在しても等しくないことがある。実際、f :R2 R をf(z) =x3y1/|z|2 (z= (x, y)6= (0,0)), f(0) = 0と定める。例 11.1.5の計算から、任 意のt6= 0に対し1f(0, t) = 0,2f(t,0) =t. よって、21f(0,0) = 0,12f(0,0) = 1.

例11.2.2の一方で、次の命題が成立する:

命題 11.2.3 記号は定義 11.2.1通りとする。jif, ijf が共に D 上定義されかつ a∈Dで連続ならjif(a) =ijf(a).

証明: xi, xj 以外の変数は固定して、xi, xj 二変数のみ考えればよい。従ってd= 2の 場合を示せば十分である。そこで、

∆(h) =f(a1+h, a2+h)−f(a1+h, a2)−f(a1, a2+h) +f(a1, a2), h >0 とし、21f(a),12f(a) が共にlimh0∆(h)/h2 に等しいことを示す。

まず、21f(a) を考える。ϕ1(t) =f(t, a2+h)−f(t, a2)とすると、

(1) ∆(h) =ϕ1(a1+h)−ϕ1(a1).

ϕ01(t) =1f(t, a2+h)−∂1f(t, a2). 従って、(1)とϕ1 に対する平均値定理より (2) ∆(h)/h=ϕ01(a1+h1) =1f(a1+h1, a2+h)−∂1f(a1+h1, a2)

を満たす h1 (0, h) が存在する。さらに、g2(t) = 1f(a1 +h1, t) とするとg02(t) =

21f(a1+h1, t) かつ

(3) (2)の右辺=g2(a2+h)−g2(a2).

従って、(3)と g2 に対する平均値定理から、

(4) ((2)の右辺)/h=g20(a2+h2) =21f(a1+h1, a2+h2)

を満たすh2 (0, h) が存在する。21faで連続だから (2),(4)より

∆(h)/h2=21f(a1+h1, a2+h2)h−→021f(a1, a2).

また、座標を入れ替えて同じ議論をすれば71∆(h)/h2 h−→0 12f(a1, a2). を得る。故に

21f(a1, a2) =12f(a1, a2). 2

71∆(h) =ϕ2(a2+h)ϕ2(a2),但しϕ2(t) =f(a1+h, t)f(a1, t). 次にϕ2 に平均値定理を用いる。

11.2.1 u, v, f C1(R2) に対し A(f) = ufx −vfy, B(f) = vfx +ufy とする。

f ∈C2(R2)ならA2(f) =A(Af),B2(f) =B(Bf) も定義できる。このとき、次を示せ:

A2(f) +B2(f) = (u2+v2)(fxx+fyy) + µ

x

µu2+v2 2

+uvy−uyv

fx

+ µ

y

µu2+v2 2

+uxv−uvx

fy.11.2.2 f C2(R2 C) に対し、について次の (a),(b) は同値であることを示せ:

(a):全ての (x, y) R2xyf(x, y) = 0. (b): fj ∈C2(RC) (j = 1,2)が存在し、

全ての (x, y)R2f(x, y) =f1(x) +f2(y).

11.2.3 u∈C2(R2C) 及び c >0 について次の(a),(b) は同値であることを示せ:

(a)波動方程式:¡

t2−c2x2¢

u(x, t) = 0を満たす。(b)関数 f±∈C2(RC) が存在し てu(x, t) =f+(x+ct) +f(x−ct) と書ける。

(a) (b)のヒント:y=x−ct,z=x+ctと変数変換し、u を(y, z) の関数と見ると、

波動方程式から yzu≡0が分かり、問 11.2.2の結果が使える。

11.2.4 (?) f ∈C2(RC),g∈C1(RC) とするとき次を示せ;関数;

(1) u(x, t) = 12

³

f(x+ct) +f(x−ct) +c1Rx+ct

xctg(y)dy

´

は、C2(R2 C) に属し¡

t2−c2x2¢

u(x, t) = 0,u(x,0) =f(x), ∂u∂t(x,0) =g(x) を満た す。またこれらの条件を全てみたす u∈C2(R2 C) は(1) で与えられるものに限る。

11.2.5 x Rd,t >0 ht(x) =ctd/2exp

³|x2t|2´

とする(c >0 は定数:問 5.4.7参 照)。ht(x)にたいし熱方程式: (∂t12∆)ht(x) = 0を示せ。但し∆ = (∂1)2+...+ (∂d)2. この ∆をラプラシアン という。

11.2.6 f ∈C1(Rd) に対し Af(x) =Pd

j=1xjjf(x) とおく。f ∈C3(Rd)に対し

∆Af−A∆f = 2∆f (従って、∆f = 0なら∆Af = 0)を示せ。

11.2.7 x∈Rd\{0} とする。以下を示せ:

(i) f ∈D1((0,∞))に対しjf(|x|) =f0(|x|)xj|x|1.

(ii)f ∈D2((0,∞))に対しijf(|x|) =f00(|x|)xixj|x|1+f0(|x|)¡

δij|x|1−xixj|x|3¢ ,

∆f(|x|) =f00(|x|) + (d1)f0(|x|)|x|−1,

11.2.8 (?) 以下を示せ:(i)グリーン核72 g0(x) (xRd\{0})に対し∆g0= 0, 但し

g0(x) =





−|x|, d= 1

−c2log|x|, d= 2 cd|x|2d d≥3,

c2, c3, ... は定数

g0 は原点におかれた質点(点電荷)によって生じるおける位置エネルギー(静電位)を 表し、(∂jg0)dj=1 は重力場(静電場)を表す。∆g0= 0 は重力場(静電場)が保存力場で あることを表す。(ii)ポアソン核py(x)に対し(∆ +y2)py(x) = 0,但し

py(x) =cd y

(|x|2+y2)(d+1)/2, x∈Rd, y >0 cdは定数

72George Green (1793—1841)

Rd+1 の下半空間Rd×(−∞,0)に静電場は生じない(例えば金属、電解質溶液などの電 気を逃がしやすい物質で満たされている)とする。このとき 0 Rd+1 に電荷をおくと Rd×(0,) にのみ静電場が生じ、(x, y)Rd×(0,)での電位はpy(x) で与えられる。

次に多変数関数に対するテイラーの定理を述べる。特にn= 2 の場合は、多変数関数 の極値の判定にも用いられる。

定理 11.2.4 (テイラーの定理) D Rd は開集合、f Cn(D), a, b D, h = b−a, {a+th:t∈[0,1]} ⊂D とする。このとき、

f(b)−f(a) =

n1

X

k=1

1 k!

Xd i1,..,ik=1

i1· · ·∂ikf(a)hi1· · ·hik+Rn

但し、

Rn= 1 (n1)!

Z 1

0

(1−t)n−1 Xd i1,..,in=1

i1· · ·∂inf(a+th)hi1· · ·hin. 更に、次のようなθ∈(0,1)が存在する:

Rn= 1 n!

Xd i1,..,in=1

i1· · ·∂inf(a+θh)hi1· · ·hin.

証明:一変数関数ϕ(t) =f(a+th) (t∈[0,1])を考えて、一変数関数に対するテイラー の定理(定理 8.4.1)に帰着させる。1≤k≤n に対し

(1) ϕ(k)(t) = Xd i1,..,ik=1

i1· · ·∂ikf(a+th)hi1· · ·hik. 実際、k= 1 の場合は連鎖律(命題 11.1.7) より、

ϕ(1)(t) = Xd

i=1

if(a+th)hi. 以下、t について繰り返し微分すれば、帰納的に(1) を得る。

次に(1)を用いて定理を示す。ϕ∈Cn([0,1])だから一変数関数に対するテイラーの定 理(定理8.4.1)より

ϕ(1)−ϕ(0) =

n1

X

k=1

1

k!ϕ(k)(0) +Rn, 但し, Rn= 1 (n1)!

Z 1

0

(1−t)n1ϕ(n)(t)dt.

更に次のような θ∈(0,1)が存在する:

Rn= 1

n!ϕ(n)(θ).

これらに(1) を代入すれば示すべき式を得る。 2

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