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香港・マレーシアの歯学教育認証制度について

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■ 5.香港・マレーシアの歯学教育認証制度について

 大阪歯科大学の中嶋です。よろしくお願いします。

 1 月の 22 日から 26 日まで、東京医科歯科大学の俣木先生と九州歯科大学の北村先生、そして私とで マレーシアと香港に視察に行ってまいりました。

 1 月 23 日にマレーシア、クアランプールのマラヤ大学を訪問いたしました。マラヤ大学は、マレー シアの中で最も古い大学のひとつで、医学部、歯学部、他 12 学部を有する総合大学です。副学長の Prof.Norsiah…Yunus 先生、それと、Prof.Mohamed…Ibrahim 先生の2名の先生におもに説明をしていた だきました。Prof.Mohamed…Ibrahim 先生はマラヤ大学の教授ではなくて、ユニバーシティ・テクノロ ジー・マラという大学の教授で、特にマレーシアの歯学教育の認証のことについて説明をしていただき ました。…(スライド2)

 マレーシアの人口は 2,746 万だそうです。マレーシアの歯科医療、歯学教育の状況ですが、歯科医師 現在 4,253 名ということです。歯科医師国家試験はなくて、卒業すればマレーシア・デンタル・カウン シル(MDC)に登録をして歯科医業を行うということです。現在、人口 10 万人に歯科医師 15 人とい うことで、約 7,000 名に歯科医師が1人ということになります。日本が 79.3 人 /10 万人ですから、非常 に歯科医師不足であるとおっしゃっていました。将来的に人口 4,000 人に歯科医師1人の養成を目標に しているということです。先ほど、ドイツもイギリスも女性が多いということのようでしたけれども、

MDC の登録者のうち女性の割合が約 63 パーセント、3分の2が女性を占めています。(スライド3)

 この表は現在のマレーシアにおける歯科大学・歯学部です。マレーシアの歯学部・歯科大学は現在、

国立が6校、私立が6校で計 12 大学、定員が 660 名ということです。修業期間は、イギリスと同じよ うに5年ということです。マレーシアの教育制度を調べてみますと、中等教育が日本と同じように3年 で、これを初期中等教育というそうです。後期中等教育というものが2年で、これが日本の高等学校に 当たるようなものかと思いますけれども、その後、大学に進学する者、あるいはカレッジとか専門学校 とかと、いろいろと進む道はあるようです。大学に進む場合、2年間の予備教育が、日本でかつて行わ れていた予科にあたるような教育の後に、大学に進学するということです。そして医学部・歯学部の場 合が5年制で、一般大学は3年制のようです。

 表を見ていただきますと、歯学部は 2000 年以降の設立が圧倒的に多くて、昨年卒業生を初めて出した、

あるいはまだ卒業生を出していない大学が 5 校というような状況です。スライド下方は後で述べますけ れども、認証を受けた機関が web…site に掲載されています。例えばセギ大学ですが、2010 年創立の大 学で、創立直後に評価を受けて、最終的に評価が終わるのが 2016 年と掲載されておりました。(スライ ド4) 

 マレーシアの認証制度の背景を少し述べたいと思います。マレーシアでは、1990 年代から高等教育 の質保証が言われるようになり、1996 年にナショナル・アクレディテーション・ボードという、マレー シア語で略すると LAN というそうですが、私立の高等教育の質保証を目的とする機関が立ち上げられ、

その基準に満たされていない機関が閉鎖を余儀なくされたということがあったようです。2001 年には 国立大学の質保証を目的とする Quality…Assurance…Division(QAD)というものが設立されたという背 景があります。そして 1990 年の半ばにマハティール政権ができたときに、ビジョン 2020 という、これ

は政府の方針で、2020 年に先進国入りを目指すという大きな方向性を示す政策が策定され、それを受 けて 2007 年に高等教育戦略計画(2007-2020)中で Malaysian…Qualifications…Agency(MQA)という 政府機関が設立されたという背景があるようです。この機関は国立・私立の高等教育の質保証と認証評 価ということが目的で、質保証・認証委員会法という法律が設定されて、その法律の中で動いていると いうことでした。(スライド5)

 この MQA の機能の大きな目的としては5つございまして、①マレーシアの高等教育の質保証である フレームワーク、MQF を実践する。この MQF というのは博士とか修士とか、あるいは学士の学位と か、いろいろと資格とか、この資格というのはよく分かりませんが、そういうレベルに応じた最低単位 を設定し、その最低単位に必要な項目を大枠示しているというのが、フレームワークということのよう です。それ以外には、②学位付与における国の基準と水準を策定すること。③高等教育機関の質、プロ グラムの質を保証すること。④基準を満たしたコースを許可すること。⑤許可した後、マレーシア認証 評価登録リスト、MGR というものを継続維持すること。というのがこの MQA の機能のようです。こ の MQA の評価・認証を受けますと、そこの学生さんは奨学金というものでしょうか、そういうものを 受けることができるとか、あるいは評価・認証された教育機関を卒業すると、政府機関への就職が条件 になる、有利になるとか、そういうことがあるようです。(スライド6)

 このフレームワークの中には、ここに示す COPPA というプログラム認証評価の実施基準というよう なことが書かれたプログラム・アクレディテーションという補足ガイドラインと、それともうひとつ、

機関監査の実施基準が書かれた COPIA という補足ガイドラインが用意されています。両方とも 150 ペー ジ以上の結構分厚いガイドラインですけれども、これを基に、各機関で書類を作成して審査を受けると いうシステムのようです。(スライド7)

 この重点的な評価内容としては、同じような項目が先ほども上がっていましたけれども、9つの項目 がございまして、①ビジョン、大学のビジョンですね。使命、教育目標、学習成果。②カリキュラムの 計画と実施。③学生の評価。④学生選抜と支援サービス。⑤教員。⑥教育資源。⑦プログラムの監視と 見直し。⑧リーダーシップ、統治。そして⑨継続的な質の改善。このようなことが評価されるというこ とです。(スライド8)

 認証・評価の手順は、新設大学が多いという背景があるとは思うのですけれども、ここにお示しする 様に、ひとつはプロビジョナルなアクレディテーションというものと、もうひとつはフルアクレディテー ションというものがあります。暫定的な評価と最終的な評価の2つの過程があるということです。特に 新設大学では、はじめにプロビジョナルなアクレディテーションを受けるということなのですが、これ は、そのプログラムを実施する最低要件を満たしているかどうかということを、まず確認して認証する ようです。そこにはパート A とパート B とパート C と、3つの分類があります。パート A はプログラ ムの一般的情報で、機関の名称であるとか、学部の名称であるとか、責任者は誰かとか、教員リストと か、そういうものが 19 項目。パート B というのは、プログラムの内容とか名前、単位数、学習期間、

授業方法、採用、登録、修了に関する事項というものが 19 項目あります。パート C の9項目というのが、

先ほど上げた重点的な評価の9項目になります。また、さらに一つ一つの項目の内で詳細に記述が求め

られ、例えば①ビジョン使命では9項目が、②カリキュラムの計画と実施では 25 項目の記述が求めら れています。

 そして、暫定的な評価を受けた後、これは定期的に新設大学では2年ごとにその評価を見直すという ことですが、最終的な評価を受ける前に自己評価表というものをまず作って、そして最終的な認定を受 けるための書類を提出しなければいけないということです。自己評価レポートには、そのプログラムの 目標を達成するための独自性であるとか、その機関の取り組むべき懸案事項とか、プログラムを維持す るため、向上するための戦略ですとか、また改善した事項を取り組んだステップ、そういうようなこと を報告しなさいということが書かれてあります。最終的な認証評価を得る前に、サイトビジットを受け て、そして最終報告がなされて認証評価を受けるということになります。これはサイトビジットのスケ ジュールですけれども、これは2日間行われて、このパネリストが訪問をして、関係大学の関係者とミー ティングを行います。これは、欧米の医学部で行われているサイトビジットの流れとよく似ている感じ です。このパネリストになる人数は、おそらく3名とおっしゃっていたように理解しています。(スラ イド9)

 これはちょっと細かくて恐縮なのですけれども、向かって左がプロビジョナルなアクレディテーショ ンを受けるフローチャートです。右がフルアクレディテーションを受けるプロセスになります。

 まず、各機関が MQA の1というものの書類を作って、まず申請・登録を行います。そこで書類が不 備であれば元へ戻して、完全であればパネリストを選任して、そしてパネリストがレポートを作って、

専門委員とそのパネリストと大学関係者と MQA のメンバーで討論というか、会議を開いて検討します。

そこで必要であれば、ここに IF…NECESSARY と書いてありますから、必要であればサイトビジット をする。審査結果を申請機関にフィードバックして、もう一度書類審査をして、そして暫定的な認証を する。このような、結構面倒な過程を経て認証をしているようです。フルアクレディテーションのとき にも同じような過程で、書類を作って委員会に提出して、専門委員の中で討議を行い、さらに MQA の 中で討議して、そして最終的に認証する。こういうフローチャートで最終認証を受けるということです。

(スライド10)

 認証を受けた後、これは5年ごとにプログラムの再評価・監査を受けなければならないとされている ようです。このチャートは機関監査の流れを示しています。その場合も、パート A、パート B、パート C というような項目に分かれています。この監査を受けるときのパート A というのは、最初のプログ ラム評価を受けるときのパート A、パート B が合わさったような項目です。パート B の項目というのは、

先ほど言った9項目になります。それと、先ほど項目として上げた自己評価表をパート C として5項 目付け足して、MQA の審査を受けるということです。この監査のときのサイトビジットは5日間行わ れて、内容は同じようなもので、会議、面談、グループ面談、これは学生を含むと書かれてありました。

(スライド11)

 スライドは機関監査のフローチャートです。はじめに申請をして、登録されます。この登録が不備で あれば差し戻されます。この後、委員メンバーの調整をして、そしてサイトビジットを行い、サイトビ ジットの結果を専門委員と MQA のメンバーに報告をして、さらに全体会議でそれを認める。このよう

■ 5.香港・マレーシアの歯学教育認証制度について

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