■ 7.我が国の歯学教育認証評価に関する評価基準(案)について
WGの幹事委員の新潟大学の前田でございます。私に与えられているのは非常に大きなものでござい ますけれども、皆さんもご存知のように本事業が開始されてまだ半年です。
本事業を行うにあたり、日本の大学の評価がどういうふうになっていて、私が考える評価というのは 今まで先行しているような専門分野別評価に合致したような形でやるべきかを念頭に置く必要がありま す。
12 月 25 日に WG 委員が集まって検討したワークショップの結果をもとに話をさせていただきたい と思います。
皆様ご存知でしょうか。いろいろな大学評価がございまして、大学評価情報ポータルというサイトが ございます。そこで認証評価の目的というのを見てみますと、国公私のすべての大学、短期大学、高専 が定期的に文科大臣の認証を受けた認証評価機関による評価を受ける制度であり、皆様ご存知のように その目的が大学の質の保証、大学が社会によって評価を受ける。そして改善策を設けていくというもの でございます。
この認証評価総合のいろいろなことが書いてあり、機関別の認証に加え、専門、分野別評価がござい ます。先ほどの医学教育課長のスライドにもございましたけれども、法科大学院が非常に有名でござい ますけれども、それ以外にも非常にたくさんの分野の評価がされています。
我々の知らなかったところでは助産分野だとか臨床心理学分野だとか、あとはファッションビジネス ということまで評価が行われているようでございます。
関係法令は先ほどお話しましたけど、学校教育法とか教育法の施行令で規定をされているということ でございます。
実際の大学評価というものの歴史を紐解いてみますと、先ほど江藤先生のほうからお話がありました けれども、1990 年に設置基準の大綱化があって自己点検、自己の努力義務がかせられ、その後、義務 化となりました。
2000 年から 2003 年にかけまして、国立大学に対しての試行的な評価がありました。このときに一部分、
分野別評価ということがなされていましたけれども、残念ながら歯学の場合は行われませんでした。そ のときは教育と研究と別々に行われ、医学分野はそのとき少し行われたということでございます。
学校教育法の改正によって 2004 年の認証評価ということになって、7年に1回が義務化されてきて いました。
それと同時に国立大学が法人化に伴いまして、6年に1度、法人評価というのがありまして、既に第 1回が終わって第1期中期計画中期目標期間の法人評価が終わり、今度第2期の評価が行われます。
第1期の評価のときに、歯学部、歯学研究科単位で、とりあえず国立系の歯学部は法人評価の中で教 育面と研究面で実施をされていました。けれども、他学部、文系とか理系とかと一緒のような統一的な 指標でこの評価でありました。
法人評価の仕組みというのはやはり同じように自己点検ですけれども、自分たちで現状を分析してき て、そして現況調査を行い、積み上げていく。そのときに予め法人化が始まるときに目標を計画しまし たので、それに対してどのような成果が得られたのかということで評価が行われました。
そのときには、これは教育の評価のスライドですが、実施体制、教育内容、教育方法、学業の成果、
進路就職の状況というものが、想定される関係者に対していかなる説明ができるかという観点で評価が されてきました。
きちんとその中には基本的な観点があって、それに対して合致しているか、合致していないかという 形で評価をされていました。
先ほどの GDC とか CODA のところでもありましたが、根拠として資料、データを示し、そして自 己評価を行いなさいということでした。エビデンスを求められて、私ども含め、各大学歯学部は非常に 苦労をしました。
一方、国の方では学術会議に答申をして、学術会議は分野別第三者評価についてのワーキングで、い ろいろな議論がされているようです。
学術会議のホームページを見て調べていますと、専門分野別の評価の必要性としては、同じように教 育研究、社会の情報、能力水準、国際的要求ということが非常に必要なのだということが示されていま す。このホームページに書かれていたのは工学部の先生ですが、職業教育という中での専門分野別評価 の重要性ということを述べておりました。
先ほど少し触れました専門分野別評価というのは、国立大学が法人化の前に一度試行的に平成 12 年 に理学、医学系で、医学系では教育評価が行われました。有名な分野別評価というのはロースクール、
法科大学院の認証評価です。
先ほどの医学教育課長の話ですと薬学とかも行っていますが、獣医とか看護も歯学より先行して評価 への取組が始まっているみたいです。
ただ、残念ながら歯学部の場合は国立大学の法人評価以外はこういったような分野別の評価というこ とはなされていませんでした。
どのような観点で分野別評価が行われていたのかと、いろいろ調べてみますと、評価には教育評価と 研究評価があります。トライアル期間というべき3年間のうちにいろいろ修正が加わり、平成 13 年、
14 年にはアドミッションポリシーは「実施体制」と名前を変えようだとか、「学習に対する支援を」と いうふうに名前を変えたり、例えば「諸施策及び諸機能の達成状況」というのは削除された様です。文 言の修正があって、評価項目を修正していったようですけれども、どういうわけかこの分野別の評価が 立ち消えになって今に至っているみたいです。
こういった評価の項目を見てみますと、だいたい大きな流れがあり、分野別にクラスター分けがされ ていて、項目、今ではだいたい基準という言葉があり、そのあとに要素があって、それに対する観点が あるというふうにして、構成されているようです。
例えば、項目として教育の実施体制があげられ、要素としてはこういうようなことがあって、その下 に細かな観点で、ここはどうなっていますかということでございます。
先ほど、イギリスとか米国では必ず must という言葉、何々しなければならないという言葉遣いでご ざいますけれども、日本の場合では must という言葉ではなくて、今までの場合だと、例えばホームペー ジでいろいろな情報を公開していますかという疑問形で問いかけているようです。
私見ですけれども、例えば must という言葉を使ってしまうと、各大学がそれだけにとらわられ、各 大学の特色性が無くなるのかなと考えております。
評価結果にしては「十分に貢献している」だとか、いろいろあって最後は「ほとんど貢献していない」
という評価があるようでございます。
今までやられている有名な専門分野別評価としては、法科大学院の認証評価がございます。独立行政 法人の大学評価・学位授与機構、基準協会だとか日弁連とかいろいろな機関が行っていますけれども、
評価の基本的なつくりというのは同じです。ミッションがあって内容があって方法や成績評価、改善策、
入学者選抜、学生支援体制という形になっています。こちらのほうは基準協会のホームページから取っ てきたので、やはり理念だとかという形になっています。
私の考え方としては、こういう評価をするときには先行しているような分野別評価と合致したような 形で進めていって、突拍子もないような評価項目、例えば GDC みたいに4つに集約するとか、CODA みたいに6つか7つに集約するとかいうよりも、こういう先行事例に準じ、そして歯科の特殊性という ことを観点ないし要点で記入していったらいかがかなと思っております。
12 月 25 日に WG でおこなったワークショップでは、評価の利点とかいろいろまずやりましょうとい うことで、利点、欠点を探りました。認証評価の利点としては質保証というのはやはりどちらのグルー プでも出てきていますし、自分たちが結果の中で切磋琢磨されるという利点があるということは、もう 皆様容易に想像がつくかと思います。
一方、欠点としては、やはり評価に対する負担増、現行の機関別認証制度との整合性をどうとるのだ ろうかという問題が出てきます。
例えば、must にして、〇、×で判定すれば、大学個性化の阻害が起こるのではないかという意見も B班で出てきました。
こういうことを勘案して、皆さんと共により良い評価案をつくっていかなければならないと考えてい るところでございます。
では、課題としてどういうようなことを考慮していかなくてはだめなのだろうかということで、問題 提起になるかと思います。先ほどの学術会議の報告書の中で、工学部の例がありましたけれども、工学 部というのは医師の職業教育の側面も持ち、それとサイエンスの部分も持っている。そうすると職業教 育、いわゆるクリニカルなスキルな部分の歯科医師養成も当てはまるでしょう。歯学というサイエンス 面も考慮しなければなりません。
工学部の場合は、JABEE があり、その中で技術者教育と工学教育はどうするのかということで、い ろいろな論点が出ていました。
社会との関係を第一に考えるのか。知恵の獲得を第一義と考えるのか。即戦力、実践力の涵養を考え るか。物事を本質から考える力が必要なのか。こういったいろいろな命題が出てきます。こういったこ とを、我々がコンセンサスをとりながら歯科の専門分野別の評価案をつくっていこうということになり ます。
非常に難しい言葉ですが、その人たちが定義していた工学とは、設計可能時空間に関する科学という
■ 7.我が国の歯学教育認証評価に関する評価基準(案)について