メール ダイレクト
2.2 災害時における情報拡散
2.2.2 震災時 Twitter にてやり取りされた情報
し,12日に全員救助された.」15
anpiレポート 「#anpi」というハッシュタグをつけたツイートを投稿すること
で被災者の安否を確認した[46].この「anpiレポート16」は,情報を整理し,
安否が確認できた人・できていない人の名前・住所・性別などを公開するま とめサービスである.
ヤシマ作戦 電力不足を補うための活動がTwitterを通して呼びかけられた.概 要を一戸の文献[47]から引用する.「地震の影響で,電気の供給能力が不足 し,東京電力管内では一時停電のおそれもあるとして節電が呼びかけられた.
Twitter上でこの呼びかけは,アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のストー
リーになぞらえて,「ヤシマ作戦」と名付けられた.」17
それでは,Twitterが積極的に利用された理由について考察する.この背景には,
前節で述べたTwitterの持つ「リアルタイム性」と「速報性」という特徴が影響し ていると考えられる.被災者は自分の今の状況をいち早く把握したいと思ってい ると推測され,上記のような特徴を持つTwitterはうってつけのメディアである.
また,この他の要因としてユーザーが求める情報と各メディアが伝える情報に差 があったことが指摘されている.例えば,キー局が放送するテレビ番組で提供さ れる情報は,地震の規模や津波の様子に関するものがが主であった.これらの情 報は,確かに正確かも知れないがマクロな情報であり,被災者が求めるミクロな 情報(居住地近辺の被害情報,個人の安否,避難所の場所など)ではなかった[10]. 図2.6に被災地の情報ニーズと各メディアの位置づけを示したものを引用する.こ のようなミクロな情報かつ既存メディアが提供できない広範囲な各被災地の情報 を得るためにTwitter等のソーシャルメデイアが利用された[42].表2.2に被災者
15出典:東日本大震災 危機発生時の対応について考える: 6. 震災とソーシャルネットワーク,奥 村晴彦著,情報処理学会,情報処理52巻9号,p.1072
162017年10月1日現在,このサイト(http://anpi.yusukebe.com/)の内容を直接確認すること はできない.
17出典:2011年ソーシャルメディアの動向,一戸信哉著,敬和学園大学人文学部,敬和学園大学
研究紀要,p.87
図 2.6: 被災地の情報ニーズとメディアのポジショニング 18
が見いだした各メディアの価値を引用して示す.この表から,ソーシャルメディア は信頼性や正確性という点ではテレビ等より低いが,被災者が求めた地域の情報 等をすぐに得られたことが判る.
また,ソーシャルメディアは優れた情報検索性をも兼ね備えている.この検索 性の背景には,震災後すぐに「#jishin」,「#hinan」等の公式ハッシュタグ[43]が 普及し,より検索し易くなったことが影響したと考えられる.さらには,図2.7に
18出典:東日本大震災・被災者はメディアをどのように利用したのか: ネットユーザーに対する オンライングループインタビュー調査から,執行文子著,NHK放送文化研究所,放送研究と調査 Vol.61 No.9 p.27より転載
表 2.2: 被災地のユーザーにとってのメディアの価値 17
示すように震災後,被災地の各自治体のアカウントが多数作成された.そのため,
各ユーザーが欲する情報をより多く得ることができたと考えられる.
図2.7:被災地域の自治体アカウントのツイート数等の推移19