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6.3 制御手法の評価結果
図6.1にコスモ石油に関するデマ情報における各制御手法の実験結果を記す.こ の図より,ランダム選択よりも各制御手法の方が短時間により多くの訂正情報を 拡散可能であることが分かった.また,より訂正情報を拡散できたのは制御手法 B及び制御手法Cであることが分かった.
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500
0 30 60 90 120 150 180
訂正情報数
ステップ数
制御手法A 制御手法B 制御手法C
ランダム選択 制御手法D 制御手法E
図 6.1: 各制御手法毎の訂正情報発信者数(コスモ石油に関するデマ情報)
次に,節電に関するデマ情報における各制御手法の実験結果を図6.2に示す.こ の図より,ランダム選択よりも各制御手法の方が素早くかつ多くの訂正情報を拡 散できた.コスモ石油に関するデマ情報同様,より多く訂正情報を拡散できたの は,制御手法B及び制御手法Cであった.ただし,マルチバースト型デマ拡散で は制御手法Bよりも制御手法Cの方がやや良い結果であった.
ヨウ素に関するデマ情報における各制御手法の実験結果を図6.3に示す.この図 から,ランダム選択を除く,各制御手法の拡散力はほぼ同程度であることが分か る.しかし,やはり制御手法B及び制御手法Cの方がより多くの訂正情報を拡散 可能であった.
以上のことから,今回検証を行った手法の中で多くの訂正情報を素早くかつ多 く拡散可能な手法は,シングルバースト型デマ拡散及びマルチバースト型デマ拡 散に関わらず制御手法B及び制御手法Cであることが明らかになった.なお,本
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000
0 50 100 150 200 250 300 350 400
訂正情報数
ステップ数
制御手法A 制御手法B 制御手法C
ランダム選択 制御手法D 制御手法E
図 6.2: 各制御手法毎の訂正情報発信者数(節電に関するデマ情報)
研究で提案した制御手法D及び制御手法Eはあまり効果的ではなかった.これは,
依頼したユーザーが感度が高いユーザーであっても,その周りのユーザーの感度 も高いとは限らないためだと考えられる.つまり,本実験によって訂正情報をよ り早くかつ多くの人に伝えるためには,情報が流れる先にどのようなユーザーが 存在するかが関係していることを改めて確認できた.
ここで,なぜ訂正情報が増加することがデマ情報の制御に繋がる理由について 述べる.訂正情報の増加は,多くのユーザーに訂正情報を周知でき,デマ情報へ の警戒に繋がる.そのため,制御手法B及びCはデマ情報の制御に有効である.
また,制御手法Bは必ずしもハブユーザーに訂正情報の発信を依頼していないに も関わらず,ハブユーザーに依頼した場合と同等以上の結果を得た.この結果は 実際の災害での利用を想定する場合,極めて重要である.なぜなら,ネットワー ク全体のハブユーザーに訂正情報の拡散を依頼する際,必ずしもハブユーザーが
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
訂正情報数
ステップ数
制御手法A 制御手法B 制御手法C
ランダム選択 制御手法D 制御手法E
図 6.3: 各制御手法毎の訂正情報発信者数(ヨウ素に関するデマ情報)
そのデマ情報を知っているとは限らず,デマ情報の詳細を説明し,訂正情報を拡 散してもらうまでにコストがかかる.しかし,デマ情報を一度でもつぶやいたこ とのあるユーザーであれば,デマ情報の内容を理解しているため,その分コスト が低いことが推測される.別の理由として,複数のデマ情報が拡散している状況 を考えた場合,手法Bではハブユーザーの協力を得られない恐れもある.これは 様々な情報がハブユーザーに集まることで,ハブユーザーの処理能力を超えてし まい,デマ情報の訂正依頼に気づいてもらえないことが推測されるためである.
以上のことから,災害時におけるデマ情報の制御手法として「制御手法C:デマ 情報を投稿したユーザーのうち,もっともフォロワーが多いユーザーに,訂正情 報拡散の起点になってもらう.」という方法を提案したい.